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カーリー・サイモン、パーキンソン病と診断され、並行して皮膚がんの治療も行なっていたことをファンに向けた公開書簡で明かす

※カーリー・サイモンのInstagramでもパーキンソン病への罹患が公表された。

7月27日、カーリー・サイモンがピープル誌を通じ、自身がパーキンソン病だと診断されたことを、ファンに対する公開書簡の形で公表しました。
 
「このところ大変多くの皆さんから、私があまり表舞台に姿を見せずにいることに対する気遣いや、私の体調、どんなことをして過ごしているのか等について、メッセージでお訊ねを頂いています。実を言えば、私はずっと、パーキンソン病とどう向き合って生きていくかを学んでいる最中なのです」
彼女はさらにこう付け加えています。「この診断結果を理解し、それに順応し、公の場でどこまで話すべきかを決めるのには、少し時間を要しました。パーキンソン病は人によって表れる症状が異なり、予測不可能な部分も多々あります。ただただくたびれて、一日何も手につかないこともあれば、多少なりとも身体と頭を動かし、仕事をし、自分らしく過ごす余裕が持てる日もあります」
 
サイモンは併せて先頃、自身の顔の基底細胞癌(皮膚癌の一種)の治療を受け、患部を切除したことを明かしました。「私は昔から、皆さんが想像されるより遥かにずっと、自分の外見に厳しい目を持ってきた人間で(『You’re So Vain』なんて曲を書いておきながら、全く皮肉なことですが)」と彼女は綴り、「この出来事は、私の内なる辛口の批評家に、新たなネタをたっぷりと提供することになりました」と続けています。

サイモンは、こうした出来事が原因で公の場に出ることを避けていた(「もし人間が冬も夏も冬眠することを許されていたら、私はきっと一年中クマになっていたでしょう」)と認めつつも、一方でその結果として生まれたのが、先月リリースした新作アルバム『Comes In Waves』であったとも述べています。「自分がいつか時間と気持ちを集中させて完成させることのできる『いつだか分からない未来』のために書き留めておき、大事にしまっておいたメロディや歌詞、アイディアが沢山ありました」と彼女は書いています。「どうやら、その未来が今だったようなのです」
 
8月14日にリリースされる『Comes In Waves』は、2009年の『Never Been Gone』以来、17年ぶりとなるサイモンの新作アルバムです。レコーディングは彼女が長年住んでいるマーサズ・ヴィンヤードの自宅でレコーディングされ、長年のパートナーであるポール・サムウェル=スミスがプロデュースを担当しました。彼女の子供たちであるベンとサリー・テイラーも参加しており、サリーはカヴァー・アートワークも手掛けています。先行シングル「Howl」は現在公開中です。
商品情報
Carly Simon
『Comes In Waves』


Amazon Music(AUG 14 2026)
1. Howl
2. Maybe I Never Loved You
3. Peaches
4. Love Has No Ending
5. Mother Of Pearl
6. Slowly
7. Four In The Morning
8. The More I Look For You
9. Love The Way I Do
10. The Father Daughter Dance
11. Share the End
12. Do It Anyway

2022年、サイモンは殿堂入りの資格取得から26年を経て、ロックンロールの殿堂入りを果たしました。「最初は『ウソでしょ。きっとさっき入った、ハウス・オブ・パンケーキってお店のことだわ』って思ったのよ」と、彼女は当時ローリング・ストーン誌に語っていました。「本当に、完全に不意打ちを喰らったの。絶対間違いだと思ったわ」
 
サイモンの声明全文は以下をご覧ください。

このところ大変多くの皆さんから、私があまり表舞台に姿を見せずにいることに対する気遣いや、私の体調、どんなことをして過ごしているのか等について、メッセージでお訊ねを頂いていました。実を言えば、私はずっと、パーキンソン病とどう向き合って生きていくかを学んでいる最中なのです。
 
この診断結果を理解し、それに順応し、公の場でどこまで話すべきかを決めるのには、少し時間を要しました。パーキンソン病は人によって表れる症状が異なり、予測不可能な部分も多々あります。ただただくたびれて、一日何も手につかないこともあれば、多少なりとも身体と頭を動かし、仕事をし、自分らしく過ごす余裕が持てる日もあります
 
トラブルの始まりは、両膝と片方の股関節の関節炎でした。私は結局3つの関節すべてを人工関節に置き換えることになり、古い関節を取り除いた後に、金属とプラスチックでできた繊細な花束のようなものが埋め込まれました。3度の人工関節置換手術を経て、私は自分の歩行困難状態が単に回復過程における、残念な、そして何とも皮肉な通過点のひとつに過ぎないと考えていたのです。
 
ところが、私の機動性は悪化の一途を辿るばかりでした。ロー・チェアや深く沈み込むソファから立ち上がる時には、誰かが腕を差し伸べてくれなければどうにもなりませんでした。ふかふかした家具は私の敵になりました。一度腰を下ろしてしまうと、まるで椅子に飲み込まれてしまったようになり、居座り過ぎて煙たがられる客の如く、永遠にそこに留まり続けることになるのではという感覚にすら襲われました。
 
やがて、相当しっかりとした介助がなければ自力では歩けなくなってしまいました。家族も私も、これは関節置換手術の後遺症などではなく、何かもっと深刻なことが起きていると考えざるを得ませんでした。メイヨー・クリニックでの徹底的な検査の結果、私はパーキンソン病と診断されました。
 
私は、身体のこわばりやその他の症状を和らげる薬の服用をはじめとする治療を開始しました。この病気にはきちんとした、あるいは予測可能なスケジュールなどありません。私の予定表などまるでお構いなしに、病気の機嫌次第でその日がどんな一日になるかが決まってゆくのです。
 
パーキンソン病といえば、通常は運動機能、振戦(ランダムな震え)、平衡感覚の障害といった症状が思い浮かぶでしょうが、その影響は身体だけに留まりません。不安やうつ、疲労感、そして無気力をもたらすこともあるのです。特に無気力というのは奇妙なもので、まるで太陽の下で干からびて行くヒトデのように、ふと気づくと腕を四方八方に広げたまま横たわっている自分に気づくのです。その間、自分の心の中で、起き上がれとか、本を読んだらどうかとか、テレビを見るでも、文章を書くでも、歌うとか、誰かに電話をかけるとかでも、とにかく「何かをしよう」という声が一切聞こえてこないのです。
 
これは言葉で説明するのが最も難しいことの一つでした。ただ悲しいとか、面倒になってしまったとかいうことではないのです。まるで、日々の生活に参加するよう誘いを送る脳の一部が、一時的にゲストリストを失くしてしまったかのようでした。
 
この同じ時期、私は顔の基底細胞癌の治療も受けていました。患部は切除されましたが、手術の影響で外見が変わったことで、人前に出ることに以前に増して気後れするようになりました。私は昔から、皆さんが想像されるより遥かにずっと、自分の外見に厳しい目を持ってきた人間で(『You’re So Vain』なんて曲を書いておきながら、全く皮肉なことですが)、この出来事は、私の内なる辛口の批評家に、新たなネタをたっぷりと提供することになりました。
 
身体の自由が利かなくなってしまったこと、パーキンソン病の診断、手術、そしてそれら全てがもたらした精神的な影響の狭間で、私にとって最も妥当だと思えた対応が、世間の目を避けることでした。もし人間が冬も夏も冬眠することを許されていたら、私はきっと一年中クマになっていたでしょう。
 
ですが、私は生きることを止めたわけではありませんし、仕事を続けることを止めたわけでもありません。
 
そんな状況の真っ只中で、私はニュー・アルバム『Comes In Waves』のレコーディングを始めました。私にとってそれはいまだに不思議な感覚です。音楽は昔から、いつ姿を現すべきかを自ずと心得ていたように思います。その訪れに私が救われた経験は、数え切れないほどありました。それはまるで、私が普段と少し様子が違うことを察知すると、いつのまにか静かにそばに居てくれる猫や犬のような存在だったのです。
 
今回のアルバムには、私にきちんとした曲の形に仕上げてもらうのを、中には年単位で待っていた未完成の曲や、曲の断片が含まれています。自分がいつか時間と気持ちを集中させて完成させることのできる『いつだか分からない未来』のために書き留めておき、大事にしまっておいたメロディや歌詞、アイディアが沢山ありました。
 
どうやら、その未来が今だったようなのです。
 
音楽に取り組むうちに、必ずしも明確な形を持っていなかった日々が形を成していきました。それは私に、部屋を出なくても向かって行ける目的地を与えてくれました。そして、病気は日々の暮らしを変えてしまうことはあっても、それが人生の全てになってしまうわけではないのだということを、改めて気づかせてくれたのです。
 
私はパーキンソン病を、神様からの「贈り物」でも「祝福」でもないと考えています。そのどちらでもありません。それは困難で、苛立たしく、時には恐怖さえ感じさせるものです。私は今も、この病とどう向き合い、自分にとって本質的な何かを諦めたという感覚を抱くことなく、どう折り合いをつけて行くかを学んでいる途上です。
 
私は今も書き続け、歌い、イメージを膨らませ、笑い、悩み、思い出に耽り、時にはふかふかの椅子から出られなくなったりしています。
 
この困難な時期を乗り越えるための支えをくれた子供たち、家族、友人たち、介護スタッフ、そして医療従事者の皆さんに、心から感謝しています。私ひとりではどうにもならなくても、彼らの愛と忍耐のおかげで乗り切ることができた日々がどれだけあったことでしょう。
 
今回このメッセージを共有したいと思ったのは、ずっと多くの方から真摯な気遣いの言葉を頂いていたからです。どうお返事すればよいか分からなかった時も、その真心は確かに私の心に届いていました。
 
最近は以前より動作が遅くなって、昔と比べて他の人に頼ることも増えつつあり、毎日が少しずつ違うものになることを受け容れる術も学びました。でも、私は今もしっかりとここで生きています。
 

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カーリー・サイモン
『Live At Grand Central』


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Amazon(2023/2/2)¥3,850・CD
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