※関連ニュースをご覧になる場合は、こちら↑のタグ(アーティスト名/項目)をクリック。
日本人ハワイアン・シンガー、エセル中田、2026年度『ハワイアン・ミュージック・ホール・オブ・フェイム』に顕彰。日本人初の快挙
小社から回顧録『エセル中田とハワイアン・ミュージック』が刊行されているハワイアン・シンガー、エセル中田さんが、このたび2026年度『ハワイアン・ミュージック・ホール・オブ・フェイム(HMHOF)』に顕彰されました。日本人初の快挙です。表彰式は12月にオアフ島で行なわれる予定です。
HMHOFから、エセル中田さんの功績及び顕彰内容が公式リリースされましたので、ここに詳細をお伝えします。
エセル中田 ―― 日本におけるハワイアン音楽の先駆者
エセル中田 (Ethel Nakada)は、日本におけるハワイアン音楽普及の草分け的存在である。1950年代、日本でこの音楽ジャンルを広く浸透させるうえで中心的な役割を果たし、日本とハワイの音楽文化を結ぶ架け橋として数々の功績を残した。
*先駆的ヒット曲と主な業績
「カイマナ・ヒラ」の大ヒット
エセル中田 は、ポス宮崎&コニー・アイランダースをはじめとする人気ハワイアン・バンドと共演し、『Hawaiian All stars』LPに「カイマナ・ヒラ」を録音した。この作品は日本で爆発的な人気を博し、その後ハワイへ逆輸入され、現地でも広く親しまれるようになり、今日ではハワイアン・スタンダードの名曲として定着している。
映画での活躍
1953年、高校在学中に映画『ハワイの夜』で女優・岸惠子の吹き替え歌手を務め、劇中歌「南国の夜」を歌唱。これが本格的な音楽活動の出発点となった。
「ハワイ・コールズ」への出演
世界的に著名なラジオ番組「Hawaii Calls」の司会者ウェブリー・エドワーズの招きにより、日本人として初めてゲスト出演。その後、同番組のオーケストラとコーラスをバックにアルバム『Ethel Sings in Hawaii』を制作し、日本とアメリカの双方で発売された。
⸻
*ハワイ文化との架け橋
本場で学んだ伝統
ハワイ文化への深い敬意から、ロサンゼルスとハワイに滞在し、フラと伝統的なハワイアン唱法を学んだ。その経験は、彼女の歌唱に本格的なハワイアンの精神を息づかせている。
名演奏家との共演
生涯で30枚を超えるアルバムを発表し、スティールギターの名手バッキー白片やベーシストのジミー・カオプイキなど、ハワイアン音楽界を代表する演奏家たちと共演した。
ハワイ州からの顕彰
1993年、ハワイアン音楽とフラの普及・発展への長年の功績が評価され、ハワイ州政府から表彰を受けた。エセル中田 のディスコグラフィーは、ハワイアン音楽が日本でどのように受け入れられ、独自の発展を遂げたかを示す貴重な記録でもある。とりわけ、「Hawaii Calls」の創設者ウェブリー・エドワーズとの共作は、彼女のキャリアを象徴する重要な成果として位置づけられる。
⸻
*「Hawaii Calls」との歴史的コラボレーション
1958年、エセル中田 は「Hawaii Calls」オーケストラとコーラスを迎え、アルバム『Ethel Sings in Hawaii』を録音した。これは、日本人歌手として初めて同番組で本格的にフィーチャーされた歴史的な出来事であった。
アルバムの特徴
・参加ミュージシャン
本作には、ハワイアン音楽界を代表する名演奏家が参加している。
● ジュールズ・アー・シー(スティールギター)
● ベン・カラマ(ウクレレ)
● ソニー・ニコラス(ギター)
● ジェームズ・カオプイキ(ベース)
※いずれもハワイアン・ミュージック・ホール・オブ・フェイム(HMHOF)殿堂入り音楽家。
・主な収録曲
1. Beyond the Reef
2. Wasa Mala You
3. Alika
4. Wakare no Isochidori(Farewell Plover)― 日本を題材にしたハワイアン作品
5. Blue Muu Muu
6. Sweet Leilani
7. Honolulu Rock and Roll ― ロックンロールの要素を取り入れた軽快な作品
8. Puamana
9. Lei Aloha Lei Makamae
⸻
*代表曲とディスコグラフィー
30枚を超えるアルバムの中でも、特に次の作品は彼女の代表作として知られる。
「カイマナ・ヒラ」
日本で空前のヒットとなり、その後ハワイでも愛唱されるようになった、エセル中田 最大の代表曲。
「南国の夜」
1953年公開の映画『ハワイの夜』の主題歌として録音され、彼女の歌手人生の幕開けとなった。
「マリヒニ・メレ(Malihini Mele)」
1995年発売の『Super Selection』に収録。日本人歌手としての視点からハワイアン音楽を表現した代表曲の一つ。
「ダヒル・サヨ(Dahil Sayo)」
フィリピンの名曲をハワイアン風に歌い上げた作品で、戦後日本における「南洋音楽」レパートリーとして高い人気を集めた。
現在では、以下のコンピレーションを通じてエセル中田 の音楽に触れることができる。
● 『Super Selection Ethel Nakada』(1995年)
1950~60年代の代表曲22曲を収録したベスト盤。
● 『The Other Side of Hawaiian』(1996年)
イージーリスニングの要素と伝統的ハワイアンを融合させた作品集。
● 『Hawaiian Golden Hits』(1967年)
赤盤レコードとして発売され、現在では日本のコレクターズ・アイテムとなっている。
⸻
エセル中田 がハワイアン・ミュージック・ホール・オブ・フェイム(HMHOF)に顕彰された理由
ハワイアン・ミュージック・ホール・オブ・フェイム(HMHOF)は、ハワイアン音楽の「振興・保存・継承」を理念とし、その発展と国際的な普及に貢献した人物を顕彰している。エセル中田 は、日本での活動を通じてハワイアン音楽の価値を世界へ広めただけでなく、その成果がハワイ本土へと還元されるという、極めて稀有な文化交流を実現した人物である。
1.「カイマナ・ヒラ」がもたらした歴史的影響
HMHOFは「時代を超えて愛され続ける作品」を重視している。
1950年代にエセル中田 が録音した「カイマナ・ヒラ」は、ハワイアン音楽史における最も象徴的な文化交流の一例である。
作曲者はHMHOF殿堂入り作曲家チャールズ・E・キングであるが、日本で空前の成功を収めたのはエセル中田 の録音だった。さらに、そのレコードはハワイへ逆輸入され、現地でも人気を博したことで、この作品は地域の名曲から世界的なハワイアン・スタンダードへと発展した。この功績は、音楽文化に大きな転換をもたらし、今日まで続く人気を築いた
2. 国際的なハワイアン音楽の親善大使
HMHOFは、ハワイの外にハワイアン音楽を広めた人物を高く評価している。
という点で、HMHOFの選考基準に完全に合致している。
エセルは、戦後日本におけるハワイアン音楽ブームを確立し、その人気を定着させた第一人者である。その流れは現在、日本がアメリカ国外で最大のハワイアン音楽・フラ市場へと発展する礎となった。また、日本人として初めて世界的ラジオ番組「Hawaii Calls」に出演し、ジュールズ・アー・シー(2022年HMHOF殿堂入り)をはじめとする一流演奏家と共演したことは、ハワイアン音楽が国境を越える芸術であることを世界に示した歴史的な出来事であった。
3.本物への揺るぎない探究心
HMHOFは、伝統的ハワイアン音楽の保存に貢献した人物も顕彰対象としている。エセル中田は、キャリア初期にハワイへ渡り、現地で歌唱法とフラを直接学んだ。その録音は、ハワイ音楽史研究者や音楽アーカイブ「Hoʻolohe Hou」などからも、卓越した技術と伝統美を忠実に表現した作品として高く評価されている。ハワイ出身ではない歌手でありながら、本場の美学を深く理解し、それを忠実に伝えた姿勢は、「最高水準の技術・創造性・表現力」を求めるHMHOFの理念と一致している。
4.日本とハワイを結んだ文化的功績
1993年、エセル中田はハワイ州政府から表彰を受けた。HMHOFは、文化的資源としてハワイアン文化の継承に寄与した人物を顕彰しており、日本とハワイを世代を超えて結び付けた彼女の功績は、「個人(Individuals)」あるいは「演奏家(Performers)」部門において極めてふさわしいものである。エセル中田は、単なる人気歌手ではなく、日本とハワイを音楽で結び、両地域の文化交流に永続的な足跡を残した真のパイオニアであり、その功績はハワイアン音楽史の中で正当に評価されるべきものである。
その他殿堂入りされている方々
Keaulumoku
Henri Berger
Charles E. King
Joseph Kekuku
Helen Desha Beamer
Lena Machado
Alfred Apaka
Sol K. Bright, Sr.
Victoria K. Ī‘ī Rodrigues
Mary Kawena Pukui
Sol Ho‘opi‘i
Alvin Kaleolani Isaacs
Albert R. “Sonny” Cunha
Haunani Kahalewai
Mekia Kealaka‘i
John Kameaaloha Almeida
その他
HMHOF ホームページ
世界400ヵ国で愛された伝説のラジオ番組『ハワイ・コールズ』に日本人として初めて出演、ハワイアン界の「美空ひばり」と謳われた歌手・エセル中田。戦後進駐軍の時代から、裕次郎、ザ・ピーナッツ…昭和の華やかな芸能界まで、ハワイアン・ミュージックとともに歩んだエセル中田初の自叙伝が登場します。日本のハワイアン・ミュージックの最盛期を走り続けたエセル中田自らが綴った文章は、幅広い交友録を中心に当時の模様を生き生きと描き出します。
古きよきハワイアンを愛する方々へ、最高のプレゼントとなる1冊です。
*主な内容
第一章 日本のハワイアン音楽を創った方達
第二章 嶋岡美穂子とクイーン・シスターズと私
第三章 ハワイ・コールズ
第四章 ハワイのミュージシャンの方達との想い出
第五章 芸能界の方達との想い出
第六章 ゆかりの方々
ディスコグラフィー(シングル・アルバムほか)
*主な登場人物(敬称略)
【日本のハワイアン・ミュージシャン】
灰田晴彦・勝彦/カルア・カマアイナス/バッキー白片とアロハ・ハワイアンズ/ポス宮崎とコニー・アイランダース/大橋節夫とハニー・アイランダース/大塚竜男とパーム・セレナーダス/寺部頼幸、震、恵子の寺部ファミリー/嶋岡美穂子とクイーン・シスターズ ほか
【ハワイのミュージシャン】
ウェブリー・エドワーズとハワイ・コールズ/ケント・ジラード/ジェリー・バード/ジョージ・ナオペ/ジェノア・ケアヴェ/ドン・ホー/ノナ&マヒ・ビーマー ほか
【日本の芸能界ほか】
石原裕次郎/坂本九/ザ・ピーナッツ/森山加代子/山下敬二郎/加山雄三/高見山/和田弘(マヒナスターズ)/ナット・キング・コール/ミッキー・カーチス ほか
______________
『エセル中田とハワイアン・ミュージック』
エセル中田◎著
A5判/上製/264頁
定価2,200円(税込)
10月26日発売
*シンコーミュージック創立90周年記念
〈主な内容〉
「カヴァー・ポップスの定義、漣健児の功績と技法」(文:高 護)
漣健児研究の第一人者であり、CD3枚組作品集『60年代の60曲〜漣健児のワンダーランド』や書籍『漣健児と60年代ポップス』(1998年)の企画・監修を務めた高護による漣健児論の集大成。「子供じゃないの」「ルイジアナ・ママ」「可愛いベイビー」「ステキなタイミング」の譜面も掲載。
この記事へのコメントはまだありません
RELATED POSTS
関連記事
-
2024.04.02 【動画】関係者が語る雑誌『ミュージック・ライフ』の歴史【全6本】
-
2023.03.07 直近開催予定のイベントまとめ(2026/7/30更新)
LATEST POSTS
最新記事
-
2026.05.12 ビートルズ関連 最新ニュースまとめ2026
-
2026.05.11 クイーン関連 最新ニュースまとめ2026
-
2024.04.02 【動画】関係者が語る雑誌『ミュージック・ライフ』の歴史【全6本】
-
2023.03.07 直近開催予定のイベントまとめ(2026/7/30更新)