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アル・ジャーディン、マイク・ラヴについて「ステージに立つことに固執し過ぎて『ライヴをやらない』という選択肢さえ見えなくなっている」
ラヴとジャーディンはどちらもザ・ビーチ・ボーイズの創設メンバーであり、35年以上にわたりバンドメイトとして活動していた間柄です。1990年代後半、グループ名の使用権を巡る争いが原因で2人の間には亀裂が生じ、以来ラヴはザ・ビーチ・ボーイズの看板の下にツアーを続けてきた一方、ジャーディンは現在のグループ、ザ・ペット・サウンズ・バンドをはじめ、様々な名義で活動して来ています。
ここ数か月、ラヴはずっと引きずっている健康問題を理由に、ザ・ビーチ・ボーイズの一連の公演をキャンセルしていました。10月11日になってようやく、ナッシュヴィルのライマン・オーディトリアムでの公演でステージに復帰しましたが、その姿は驚くほど瘦せ衰えて衰弱しており、実際辛うじてバック・ヴォーカルを歌うのが精一杯という状態でした。
この夜、ラヴがステージに登場する前に、ザ・ビーチ・ボーイズと度々共演しているジョン・ステイモスと、ラヴの息子のクリスチャンがステージに姿を現わし、観客にラヴの出演を伝えると、続けて彼の最近の健康問題について言及しました。「彼は最近、健康上の問題を抱えており、そのために幾つかの公演をキャンセルせざるを得なかった。しかし、今夜の公演だけはどうしても出ないわけにはいかないと言っていたんだ。僕らは『家にいた方がいいよ』って勧めたんだけど、彼は『いいや、俺はシンシナティに行くんだ』と譲らなくてね」
「つまり彼にとって、これは他の何よりもやりたいことなんだ。彼は観客を愛している。音楽を愛している。そして、それが皆さんにとってどれほど大切なものなのか、彼はよく分かっているんだ。だから今夜僕らは皆で彼をサポートし、僕らなりに精一杯の愛を彼に届けるために、ここに集まってるってわけなんだ」と、ステイモスは付け加えました。
その後、ラヴがステイモスとクリスチャンに両側から支えられながら、慎重に歩みを進め、ステージに足を踏み入れました。彼はコンサート中ずっと椅子に座ったままで、バック・ヴォーカルのみを担当し、ステイモス、クリスチャン、そしてギタリストのブライアン・アイケンバーガーが、リード・ヴォーカルの大部分を担っていました(『ローリング・ストーン』誌のライヴレポートより)。
ラヴは自身の健康問題の具体的な内容については未だに明らかにしていませんが、以前、姉のモーリーンと従兄弟のブライアン・ウィルソンの死、そしてそれに続く新型コロナウイルス感染症への罹患や気管支炎の発症で、「精神的にも肉体的にも大きな打撃を受けてしまった」と語っていました。
先頃、『ローリング・ストーン』誌の取材に応えたジャーディンは、かつてのバンド仲間のそうした様子は見るに忍びなかったと吐露しました。
「あれにはショックを受けたし、僕自身本気で落ち込んだよ」と彼は明かします。「(その晩、自分の)ステージに立つために、ともかく精一杯気持ちを切り替えなきゃならなかった。ちらっと見ただけでもう胸がつぶれる思いだったよ、言葉が出なかった」
「言うまでもないことだけど、彼は正真正銘のプロなんだ」とジャーディンは続けます。「彼はとにかくステージに立ちたいって気持ちが先走って、そうせずに済む方法があることも分からなくなっているんだと思う。他にどんなやりようがあるかが分からなくて、身動き取れない状態になってるんじゃないのかな」
ラヴは現在、ザ・ビーチ・ボーイズという誰もが知るバンド名を看板に掲げてツアーを行なっている唯一のオリジナル・メンバーです。バンドが将来的にラヴ抜きでも活動を続けることを想像できるかと尋ねられたジャーディンは、率直にこう答えています。
「僕はザ・ビーチ・ボーイズというブランドはこれからもずっと続いていくと思うよ。ただ、ライヴ活動については分からない。ことパフォーマンスに関しては、どんなことになるのか見当もつかないけど、きっといずれ明らかになるだろう。僕自身は、『ザ・ビーチ・ボーイズ』と呼ばれたいかどうかっていうのは何とも言えないね。でも、もしそうすることで筋が通るなら、つまり『ペット・サウンズ・バンド』というバンド名と結びつける意味があるとすれば、アリかも知れない。あの文言を全部盛り込むのは難しいと思う。だけど、両バンドを理に適った形で組み合わせる方法があるなら、上手くいくかもしれない」
ラヴがナッシュヴィルでステージに復帰したその同じ夜、ジャーディンはサザン・カリフォルニアでの公演中に、数人の元ビーチ・ボーイズ──ブルース・ジョンストンやデヴィッド・マークス──たちとステージでの再会を果たしていました。ラヴが引退したら、このランナップでザ・ビーチ・ボーイズとして活動を続けられるのではないでしょうか? ジャーディンは「そうなれば光栄だね」と認めつつも、こう付け加えます。「ただ、僕の仲間たち、僕以外の元ザ・ビーチ・ボーイズのメンバーたちに、全公演に出演してもらえるかどうかは分からないから」
とはいえ、最終的にザ・ビーチ・ボーイズのバトンを受け継ぐのは自分ではないかも知れないとジャーディンは指摘しました──その可能性を受け容れることに、彼は特段の抵抗は感じておらず、それより寧ろ今はラヴの回復に集中すべきだと言うのが彼の考えです。
「彼はまず徹底して悪いところを直す必要があると思う」とジャーディンは述べますが、それが口で言うほど簡単ではないことも理解しています。「僕らの仕事は歌うことだ。それが僕たちの仕事であり、僕たちがやるべきことだ。僕らは歌う。それが僕らの生業なんだ。でも今の彼の状態では、それはできない。だから、察するに彼は、どこかの時点で……おそらくバトンを渡そうとしているんだと思う。彼とは実際に、具体的にそういう話をしたことは一度もないけど、僕はそういう感触を持ってる。恐らく彼の息子にだね。そして、彼自身は象徴として帯同する、そういう形を考えてるんじゃないかな」
なお、ステイモスはその後新たに自身のインスタグラムを更新し、その声明の中でラヴの健康状態の深刻さと、彼の将来を取り巻く不確実性に言及しています。「マイクはファイターだ。医師や家族、友人たちが健康を第一に考えるよう促しているにもかかわらず、彼はステージに立つことを諦めずにいる。彼は、自分を元気づけてくれるために、バンドのメンバーや観客、友人たち、そしてドラマー(=ステイモス)の存在が必要だと言っているんだ」。またステイモスは、ラヴが日曜日の夜にも予定されていたナッシュヴィルでの公演に参加することを請け合う一方で、それが彼の最後のステージになる可能性もあることを示唆しています。バンドはこの後、11月にフロリダとヴァージニアでのライヴを予定しています。
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R.I.P.|MUSIC・2025.08.05
ブライアン・ウィルソンの偉大な音楽キャリアを多面的に振り返る──『エンドレス・ハーモニー 追悼ブライアン・ウィルソン/ビーチ・ボーイズ』8/28発売
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