発売から5年間で2000万パイントを売り上げたアイアン・メイデンの“Trooper”ビール

大抵の人は何百万枚ものレコードが売れていれば、サイドビジネスなどする必要もありませんが、アイアン・メイデンは2013年に発売したオリジナルブランドのビール“Trooper”が2,000万パイント（500mlの中瓶で2,000万本）を売り上げ、発売5周年記念を迎えました。

Trooperのウェブサイトによると、このビール製造はバンドのアイディアではなく、およそ200年の歴史があるイギリスの老舗醸造所ロビンソンズが話を持ち掛けてきたようです。

ヴォーカルのブルース・ディッキンソンは、「ずっと前から伝統的なイギリスのエールビールのファンだから、メイデン・ブランドのビールを作らないかと言われた時は、天にも昇る気分だったね。でも、俺がここ30年間でオーディションを受けた相手はロビンソンズだけだから、かなり緊張したよ」と語っています。

メイデンの名曲「The Trooper」にちなんで命名されたビールの事業が発表されたのは2013年の3月で、ボベック、ゴールディング、カスケードのホップが絶妙にブレンドされ、モルトとほのかな柑橘系のフレーバーの“Trooper”は、発表から2か月後に店頭に並びました。

スウェーデンの市場用にラベルを変えるなど、いくつか問題は起きたものの、このビールは瞬く間に何百万本も売れ、即座に大成功を収めたのです。

発売から1年後の2014年３月までに350万パイントを売り上げ、ロビンソンズはその画期的な出来事を発表した際、「モーターヘッドから同様のパートナーシップの話を持ち掛けられたが断った」とうっかり口を滑らせる一幕もありましたが、営業担当責任者は「ブルースはビールに関する知識が豊富で、熱狂的なビール好きなので、彼とは本物の結び付きがある」と述べています。

最近では瓶ビールより缶ビールの売り上げが伸びているため、“Trooper”も2015年の1月から缶ビールの販売を開始しています。

その後、限定版の“Trooper 666”や、2016年3月にはTrooper系列の“Red ‘N’ Black”、2017年の7月にはベルギー・スタイルの“Hallowed”、2018年の初旬には、“Light Brigade”というTrooper系列の低アルコール・セッションエールが発売されています。

「5年間で2,000万パイント以上も売れるなんて、味だけは妥協しない最高のセッションエールを作ろうという単純な計画で始めた時は想像もしなかったけど、最終的に出来上がったビールの品質がすべてを物語っているよ。メイデンのファンと世界中のビール好きが俺たちのビールをこんなに楽しんでくれるなんて、俺は本当に嬉しいし、次にどんなビールが出てくるかはお楽しみだね。乾杯！」（ブルース・ディッキンソン）