ジャクソン・ファミリーの家長、ジョー・ジャクソンが89歳で他界

6月27日、マイケル・ジャクソンやジャネット・ジャクソンを国際的スーパースターにした父親のジョー・ジャクソンが、ラスベガスの病院で亡くなりました。享年89。

ジャクソンは、2015年に脳卒中を発症した他、何年も様々な病気を患っていました。

6月22日には、息子のジャーメイン・ジャクソンが、「ジョーは非常に弱っている。もう長くはないだろう。家族はジョーのそばに寄り添っていたい」と述べていました。

ジョーが病院に指示を出していたのは明らかで、見舞客やカルテの閲覧も拒んでいましたが、彼がステージ４の膵臓ガンだったことが後日報告されています。

1928年7月26日にアーカンソー州で生まれたジョー・ジャクソンは、後にシカゴへ移住し、ボクサーを目指すものの結局断念。1949年にキャサリンと結婚し、1966年にジャネットが生まれるまで、ラトーヤ、ジャーメイン、マイケルらを含め９人の子宝に恵まれました。

5人の息子で結成したジャクソン・ブラザーズは、1965年までに地元で評判となり、ナイトクラブに出演。シカゴ周辺に噂が広がると、ジャクソン５に名を変えたグループは、シングルをリリースし、ハーレムのアポロ・シアターなどに出演するようになりました。

その後、モータウンと契約したジャクソン５は、「I Want You Back」や「ABC」「I’ll Be There」などの大ヒットを連発。70年代初期に世界的なセンセーションを巻き起こし、ジョーは彼らのプロモーターとなります。

しかし、それから数年後、ジョーは日常的に子供たちを虐待したとして訴えられ、マイケル・ジャクソンは、2003年のインタビューで次のように述べています。

「失敗すると父からベルトで叩かれたよ。リハーサルでは、父がベルトを手にして座っていたから、僕らは緊張していた。僕も何度も叩かれたけど、一番叩かれたのは兄のマーロンだった。マーロンは最初から上手に出来なくて、一生懸命やっていたけど、いつも“マイケルみたいにやれ！”と怒鳴られていたんだ。父は、ベルトが手元にないと、僕を壁に投げつけたしね。母が、“ジョー、そんなことをしたらマイケルが死んじゃうわ。やめて！”と叫んでいたのを覚えているよ。僕は今でも父が怖いし、父が目の前に来ると、僕は恐怖で何度も気絶したし、吐いたこともある。今では孫もできて父も変わったし、良い父親になろうとしているけど、今から父の知らない面を受け入れるのは難しい。彼がもっと早く気付いてくれたらよかったのに……」

ジョー・ジャクソンは、子供への虐待を否定し続け、2010年に“躾け”は認めたものの、それを“鞭打ち”とは呼ばず、「あの躾けがあったから、子供たちは刑務所へ行かず、品行方正でいられたんだ」と語っていました。

70年代半ばにモータウンからエピックに移籍したジャクソン5は、ジャクソンズに名前を変えましたが、モータウンの頃ほどレコードは売れず、マイケルの脱退を機に解散しました。

父ジョーの指導下で、ジャネットは1982年にソロとして活動を始めますが、4年後にマネージャーだった父親を解雇。その後に発売されたアルバム『Control』は、ジャネットの新たな方向性を反映し、彼女はスターへの道を歩み始めました。

ジョーはキャサリンとの間にもうけた子供の他、浮気相手の間にも娘をもうけ、孫の数は26人にのぼります。

キャサリンは、1973年と1979年に離婚を申し出ていますが、離婚届けが提出されたことは一度もありませんでした。ジョーが亡くなるまで、二人は法的には夫婦でしたが、同居してはおらず、2014年までにジョーはファミリーの一員ではなくなっていたと、ニューヨークポストが伝えています。遺言により、マイケル・ジャクソンは、毎年100万ドル以上もの大金を母のキャサリンに譲与していますが、父のジョーは何も受け取っていませんでした。