伝説のロックスターが新たなグラフィックで甦る。アーティスト佐藤理による展覧会『THE GREAT ROCK AND ROLL GRAPHICS』が4月12日(金)より開催

©OSAMU SATO ,KOH HASEBE, SHINKO MUSIC ENTERTAINMENT CO.,LTD.
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ゲーム、グラフィック・アート、テクノ・ミュージックなど幅広いフィールドで活躍するアーティスト佐藤理による展覧会『THE GREAT ROCK AND ROLL GRAPHICS』が、4月12日より原宿の「トーキョー カルチャート by ビームス」で開催されます。

今回発表される作品はロック・アーティストがテーマですが、実は『ミュージック・ライフ』ともなじみ深いものです。というのも『ミュージック・ライフ』誌で数々のアーティストを撮影したカメラマン長谷部宏氏の写真作品をベースに、佐藤理が新たなグラフィックに再構築した作品だからです。

登場するミュージシャンは、ザ・ビートルズ、フレディ・マーキュリー、ボブ・ディラン、ミック・ジャガー、ニール・ヤング、デヴィッド・ボウイ、プリンス、エルトン・ジョン、ザ・フー、エアロスミスなど、60、70年代を代表する数々のロックスターばかり。

また本展覧会では、佐藤理が手掛けたカルト的な人気を誇るゲーム『LSD』のサウンド・トラックを自らがリミックスしたCD『LSD REVAMPED』の3枚組アナログ盤の販売を行うほか、発売記念として制作した新しい作品も展示。さらに会場では、佐藤理自身によるオリジナル・デザインのTシャツやキャップも販売されます。

佐藤理氏のファンだけでなく、『ミュージック・ライフ』世代のみなさんにも是非見てもらいたいイベントです。

 

佐藤理インタビュー

いち読者からアート・ディレクターへ、そして電子書籍版『MUSIC LIFE plus』編集長就任と、『ミュージック・ライフ』と深い関わりを持つ佐藤理。ここでは特別に『ミュージック・ライフ』との出会いから展覧会の見どころまでを語ってもらいました。

佐藤理氏がディレクションをしていた頃の『ミュージック・ライフ』

Q:始めに『ミュージック・ライフ』との出会いを教えて頂けますか?

初めて『ミュージック・ライフ』を手に取ったのは10代の頃です。当時、洋楽に関しては情報が少なく『ミュージック・ライフ』が唯一の情報源でした。カラーページも多く、ロック・アーティストのグラビア誌のような体裁だったので写真を見ることも大きな目的でした。

そして20代の後半、当時僕はフリーランスのデザイナーで『ミュージック・ライフ』の表紙デザインを担当することになります。邦楽を専門に扱うシンコーミュージックの『B-PASS』という雑誌のアートディレクターしていた関係で、同じくシンコーミュージックの『ミュージック・ライフ』の編集長、東郷かおる子さんが表紙のデザインを依頼してくれたのがきっかけです。ただし、ロゴ自体はすでに決まったものがあったのであまりやりようはなかったのですが、見出しなどはかなり整理したり、写真のバックなどはいじったりしていました。


Q:その後、2011年に電子版として復活した『MUSIC LIFE plus』の編集長に就任されますね?

90年代から20数年間のあいだ、デザイナーというよりマルチメディア・アーティストとして、デザインだけでなくゲームや映像、音楽などの作品を創作していました。そんな関係である日、シンコーミュージック社長の草野夏矢氏から電子書籍についての相談を受けたのがきっかけでした。

僕の提案は、「シンコーミュージックといえば『ミュージック・ライフ』が看板雑誌です。1998年に休刊している『ミュージック・ライフ』を電子雑誌で復活させましょう」というものでした。そしてその提案は動き出し、僕が編集長に就任しました。そしてその電子雑誌を『MUSIC LIFE plus』と名付け数年間復活しました。

『MUSIC LIFE plus』には音楽とライフを、音楽を取り巻くライフ・スタイルがテーマでした。だから、アート関連の企画では活躍中のクリエイターに音楽の歴史を聞き、ひとりのアーティストを決めて、あなたのベスト盤を選曲してもらい、その架空のレコード・ジャケットをデザインしてもらうという企画が好評でした。執筆陣も豪華です。評論家はOBの東郷さんだけで、他にはいしいしんじ、都築響一、竹中功、サエキけんぞう、西寺郷太、スージー甘金、など多くの著名人に参加して頂きました。

電子書籍として2011年より復活した『MUSIC LIFE plus』(現在は休止)


Q:今回の長谷部宏氏とのコラボレーション作品が生まれた経緯を教えてください。

『MUSIC LIFE plus』制作時に膨大に所蔵してあった取材写真を掘り起こす作業をしたのですが、その作業の中で『ミュージック・ライフ』が過去に撮影してきた写真の貴重性、文化的価値を再認識したと同時に、最も驚いたのは、そのアーカイヴの多くが『ミュージック・ライフ』専属写真家の長谷部宏氏によって撮影されているという事実でした。

その後2015年より数年間に渡り、東京、大阪、京都、福岡などで長谷部宏氏の写真展の開催、そして写真集『ROCK STARS WILL ALWAYS LOVE JAPAN』をプロデュースすることができました。そして今回の企画では、その写真をモティーフにもう一歩、創作に踏み込み、ロック・アーティストの肖像を僕が作品として新たな制作することになりました。

今回の作品は僕の個の作品ということではなく、撮影の機会を提供した『ミュージック・ライフ』誌、そして撮影を担当された長谷部宏氏、そして何より被写体であるロック・アーティストが揃うことによって実現できた作品だと思っています。


Q:長谷部さんの写真に関してどのような印象をお持ちですか?

60年代から休刊の時まで、『ミュージック・ライフ』を30年以上ほとんど一人で撮られていたというのがびっくりです。自身の姿を消して撮影しているような感じだから、アーティストの自然な表情が多い。ミック・ジャガーが歌っているヴォーカル・ブースにいて唾が飛んできたというエピソードにはびっくりしました。


Q:作品に使用したアーティストはどのような基準で選びましたか?

僕が聴いていた人、何かしらの思い入れがある人です。展覧会ではその思いなどもキャプションとしてフランクにメモしました。合わせてお読みいただけますと幸いです。


Q:作品の見どころを教えて頂けますか?

『ミュージック・ライフ』で見る写真と違う新しくなったグラフィック。また併設で、有名曲の歌詞をタイポグラフィでアートにした『LYRIC GRAPHIC ART』というシリーズを10作ほど展示しています。そして僕の『LSD REVAMPED』の拡張版ということで新作も少し展示しています。それもぜひ見て欲しいです。

また、展覧会の会期中に僕がお客さんを撮影して『 YOUR PORTRAIT GRAPHICS』展示作品のような作品にするという企画もやります。(※1)


Q:『LSD REVAMPED』は今回レコード3枚組で新たに発売されるそうですが、どのような作品でしょうか?

僕が中心となって開発した1998年発売のPlayStation用ゲーム『LSD』(※2)のサウンドトラックを再構築した作品です。昨年CDとして発売されましたが、アナログ化に際して収録曲を少し変えています。

3枚組レコードとして新たに発売される『LSD AND REMIXES new originals and remixes』 (4月17日発売)


Q:最後に、4月20日に行なわれるライヴはどのような内容になりそうでしょうか?

僕の今までのアルバムからと次作に収録予定の新曲、そして今回の展覧会に合わせて、みなさんも良く知っているロックのカヴァーを数曲やります。共演はMETAFIVEやYMO関連で活躍するゴンドウトモヒコ氏。彼とは付き合いが古くて、彼がボストン大学から帰って来て高橋幸宏さんの事務所に入る前からの友人で、その頃も形態は違うけれど一緒にライヴなどをしてました。その後僕はずっとやっていなかったんですけど、ここ数年また音楽を始めたので一緒にやったりしてもらってます。次作のアルバムでもホーンを吹いてもらってます。



(※1) YOUR PORTRAIT GRAPHICS
佐藤理がギャラリー滞在時、あなたのポートレイトの撮影を行い、今回の展示のようなグラフィック作品に仕上げます。ただし色、撮影カットのセレクトなど、全ての仕上げにつきましては佐藤理へお任せになります。佐藤理の滞在については、スタッフにお尋ねください。予約も可能です。

(※2) 『LSD』
佐藤理が中心となって開発し、1998年に発売されたプレイステーション用ゲーム。〈夢のなかのような仮想現実の世界をただひたすら彷徨い続ける〉という内容で、カルト的作品として知られており、現在も熱狂的ファンから根強い人気を誇る。イギリスのバンドのアルト・Jがアルバム 『Relaxer』(2017年)において同作のイメージや映像を使用、海外ファンが独自にリメイク・プロジェクトを行ったりと、リリースから20周年を数える今もその影響力は大きい。

 

_________________________________________________
 
佐藤理  Osamu Sato
 
グラフィック、映像、写真、ゲーム、音楽など多くのメディアで作品を制作。
代表的なゲーム作品としては「東脳」(米題:EASTERN MIND)、ドリームイミュレーター「LSD」などがある。
これらは90年代に制作された旧作品にもかかわらず、昨今、ネットで拡散され日本のみならず海外に熱狂的なファンが存在する。
近年の音楽作品は「ALL THINGS MUST BE EQUAL」、「Objectless」、「LSD REVAMPED」などがあり
全て、ヨーロッパ、アメリカなどでも発売され、最近では映像を使ったライブ活動も行っている。
www.osamusato.net

_________________________________________________
 

『OSAMU SATO PRESENTS
「THE GREAT ROCK AND ROLL GRAPHICS」
FEATURING MUSIC LIFE PHOTO ARCHIVES by KOH HASEBE』

会期:2019年4月12日(金)~ 4月24日(水)
開催場所:トーキョー カルチャート by ビームス
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-24-7 3F  tel.03-3470-3251
営業時間:11:00〜20:00 
※木曜定休・会期最終日は18時までの営業になります。
オープニング・パーティ: 4月12日(金)18:00~20:00
協力:ミュージックライフ/ (株)シンコーミュージック・エンタテイメント 

●ライヴ・イベント開催のお知らせ
『HAPPY BIRTH DAY LIVE +VJ+BAR』
日時:4月20日(土)/ 開場 16:30  開演 17:00
出演:佐藤理、ゴンドウトモヒコ / バーテンダー:藤村公洋
料金:2,000YEN+DRINK : 500YEN( inc, TAX)
定員:50名(定員になり次第予約を締め切りさせていただきます。)
※ ご予約はお電話もしくは店頭スタッフまでお願いいたします。
※ 当日はライヴ・イベントのため通常営業は11:00〜15:00までとなります。

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