セクハラ疑惑のプラシド・ドミンゴ、新たに11人の女性がセクハラを告発

AP通信によると、8月にオペラ歌手のプラシド・ドミンゴをセクハラで告発した9人の女性に続き（9月3日MLCニュース参照）、新たに11人の女性が同様のセクハラ被害を訴えているといいます。
 
女性たちは、ドミンゴ氏から不本意に体の一部を触られたことや、執拗に密会を迫られたこと、深夜の電話や唇に突然キスされたことなどを訴えており、20年前にオペラ「ル・シッド」でドミンゴと共演していたアンジェラ・ターナー・ウィルソンという女性は、1999年から2000年に開催されたワシントン・オペラの最中に起きたセクハラについて、次のように語っています。

「ある晩、ショウの前にメイクをしていたら、ドミンゴが私の後ろに立って私の胸をまさぐったのです。強く揉まれて痛かったし、彼に胸を掴まれたい女性なんているかしら？　そんなことがあった後も私はステージに立ち、彼に恋する女性を演じなければなりませんでした」
 
ドミンゴが2003年から芸術総監督を務めているロサンゼルス歌劇場は、彼への措置を講じるため、外部の調査員を雇ったといいます。
 
8月のニュースを受け、アメリカではフィラデルフィアとサンフランシスコの2公演が中止されましたが、ドミンゴは先週、8月の報道後初めてオーストリアのザルツブルク・フェスティバルに出演しており、フェスティバルの代表者は、次のように語っています。

「ドミンゴ氏のことは25年以上も前から知っていますが、彼の芸術家としての適性のみならず、フェスティバルのスタッフ全員に感謝を表す彼の態度には、最初から感銘を受けていました。彼はスタッフ全員の名前を覚え、どんなに些細なサービスに対しても感謝の言葉を忘れませんから。ザルツブルク・フェスティバルの内部でも、彼が告発されたことは話題になっていましたし、私も耳にしたはずです」
 
ドミンゴのスポークスマンは、次の声明を発表しています。

「プラシド・ドミンゴの名誉を毀損するAP通信の記事は、不正確なだけでなく非倫理的です。今回の新たな主張は矛盾だらけで、8月の告発内容と同じく、多くの点で断じて間違っています。現在調査中のため、具体的なコメントはしませんが、AP通信がドミンゴ氏について描こうとしている誤解を招くイメージには、強く異議を唱えます」