セクハラ疑惑のプラシド・ドミンゴ、東京オリンピックのイベント出演に暗雲

〈AP通信〉によると、ロサンゼルス歌劇場の芸術監督を務め、「三大テノール」として知られる世界的オペラ歌手のプラシド・ドミンゴ（78歳）が、 1980年代から歌手やダンサーに対し、仕事を餌にセクハラを行っていたとして、歌手8人とダンサー1人から8月に告発されています。また彼の誘いを断っ たために、嫌がらせを受けた女性もいるとのこと。

ドミンゴはセクハラ疑惑について、「不確かな申し立てで、非常に困惑しています。彼女たちとの意思疎通や関係は以前から歓迎されていて、同意のもとにありました」との声明を発表しています。

そうした渦中にある彼は、来年4月、市川海老蔵主演の歌舞伎とオペラを融合させたオリンピック後援の公式文化イベントに出演予定となっています。同イベン トは日本の文化と多様性をプロモーションする『NIPPONフェスティバル』の一環として開催されますが、東京オリンピック組織委員会は8月30日、ドミンゴのセクハラ疑惑に対し、「東京2020は状況を明確にするよう努めている」との声明を発表し、ドミンゴの出演については現在未定としています。

プラシド・ドミンゴは、クラシックのテノール歌手である一方、ジョン・デンヴァーや松田聖子とデュエット、またサンタナのアルバム『シャーマン』にゲスト参加するなど、ポピュラー音楽の世界でも良く知られた存在です。

ドミンゴのセクハラ疑惑が8月に世界的なニュースとして大々的に発信されて以来、ロサンゼルス歌劇場はセクハラ疑惑の調査を開始し、予定していた彼の公演 を中止したほか、アメリカでは2か所の歌劇場が公演をキャンセルしています。しかしヨーロッパでは、予定通りドミンゴの公演が行われることになっています。