ストーンズの問題作『Cocksucker Blues』も手がけた、米写真/映像の重鎮ロバート・フランクが94歳で死去

20世紀のアメリカ写真業界と映画製作に影響を与え、ローリング・ストーンズのドキュメンタリーを手掛けたロバート・フランクが、9月9日にノヴァスコシアの病院で亡くなりました。享年94。ニューヨーク・タイムズによると、死因は発表されていないということです。
 
スイス生まれのフランクは、23歳でニューヨークに渡り、50年代半ばのアメリカ撮影旅行で27,000枚の写真を撮影し、当時のアメリカ人たちの姿を捉えたモノクロ写真集『The Americans(ジ・アメリカンズ)』を1958年に発表。この画期的な写真集は、ドキュメンタリー写真業界やアメリカ文化に影響を与えました。
 
『The Americans』に掲載された写真は、ローリング・ストーンズが1972年に発表した『Exile on Main Street』のアルバム・カヴァーに使用され、その後ミック・ジャガーから依頼されたフランクは、1972年にツアー中のストーンズを捉えたドキュメンタリー『Cocksucker Blues』を製作しますが、コカインを吸うミックの姿や、グルーピーとのあからさまな性描写などショッキングな舞台裏映像が多く、ストーンズのイメージを傷つけると判断したバンドは、映画の公開中止を要請する訴訟を起こしました。

ストーンズとフランクは1977年に和解し、結果的にフランクが立ち会う場合に限り、年に4回を限度に上映が許可され、最近では、2012年にニューヨーク近代美術館で上映され、2015年にはコロラドで開催されたテルライド映画祭でも上映されています。
 
その後もフランクは、ニュー・オーダーの「Run」(1989年)や、パティ・スミスの「Summer Cannibals」(1996年)のミュージック・ビデオを制作しています。
 
フランクの訃報を受け、ストーンズは次の追悼メッセージを発表しました。

「洞察力のある写真家で映像作家だったロバート・フランクの訃報を聞き、非常に悲しい。ロバートは『Exile on Main Street』のカヴァー・デザインや、ドキュメンタリー『Cocksucker Blues』の監督など、多くのプロジェクトで我々のコラボレーターを務め、独特の作風が古い殻を破った素晴らしいアーティストだった。ご家族と友人の方々にお悔やみを申し上げます」

以下二つの映像は、『Cocksucker Blues』より。
 

RELATED POSTS

関連記事

LATEST POSTS

最新記事

この記事についてのコメントコメントを投稿

この記事へのコメントはまだありません

アナログ・ザ・ローリング・ストーンズ<シンコー・ミュージック・ムック>

アナログ・ザ・ローリング・ストーンズ<シンコー・ミュージック・ムック>

2,700円
CROSSBEAT Special Edition ザ・ローリング・ストーンズ<シンコー・ミュージック・ムック>

CROSSBEAT Special Edition ザ・ローリング・ストーンズ<シンコー・ミュージック・ムック>

1,944円
ストーンズ・ギターズ!<シンコー・ミュージック・ムック>

ストーンズ・ギターズ!<シンコー・ミュージック・ムック>

1,944円
ローリング・ストーンズ全曲制覇

ローリング・ストーンズ全曲制覇

2,592円

ページトップ