キャット・スティーヴンス名義のラスト・アルバム『Back to Earth』がスーパー・デラックス・エディションで発売

『バック・トゥ・アース』は Cat-O-Log Records / BMG（国内ディストリビューション：ワーナーミュージック・ジャパン）からリイシューされる。フォーマットはオリジナル・アルバム（アビイ・ロードでリマスター）の単独CD／LPでのリリースと、「スーパー・デラックス・ボックスセット」。スーパー・デラックス・ボックスセットには、当時、キャットがあまりにもポップ過ぎると考えた未発表曲「バタフライ」と「トイ・ハート」（グラミー賞を受賞したギタリスト、エリック・ジョンソンをフィーチャー）や、デモ曲、アウトテイク・トラック、そしてキャット・スティーヴンスとしての当時最後のライヴ・パーフォーマンスとなった『1979年ユニセフ・イヤー・オブ・ザ・チャイルド・コンサート』からの楽曲などを収録。

1978年、伝説のミュージシャン、キャット・スティーヴンスは、ロック・スターのライフスタイルを放棄し、そこから離れ去るという衝撃的な決定を下した。その時彼はファンを手ぶらで放り出すのではなく、最後のアルバム『バック・トゥ・アース』をファンへのお別れとして書き、旅立ちの決意を説明するために「ラスト・ラヴ・ソング」や「ジャスト・アナザー・ナイト」などのトラックを収録したのだ。

『バック・トゥ・アース』のテーマは原点回帰と考えられた。とても熱狂的なレヴューの数々を受けると共に、彼の象徴であるマルチ・プラチナ・アルバム『ティー・フォー・ザ・ティラーマン』（1970年）と『ティーザー・アンド・ザ・ファイアキャット』（1971年） のプロデューサー、ポール・サムウェル・スミスとの再会、また長い関係にあるギタリスト、アラン・デイヴィスとのクリエイティブヴなパートナーシップを続けることを意味していた。

アルバムの中心的なテーマは、名声の放棄だけでなく、タイトルに象徴されるように『バック・トゥ・アース』＝原点回帰、人道的および生態学的側面に関わる転換点の移行の一つだった。『バック・トゥ・アース』に収録された「ニューヨーク・タイムズ」（『ニューヨーク・タイムズ』紙で読んだ物語に基づいて書いた曲）では、キャットは明らかに現代進行中の問題の一つに対して抗議（大気汚染：「車がお子さんを窒息死させる／しかし、あなたはそれを見たくないでしょう」）しているのを聞くことができる。

最終的に、過去と現在に立つのすべての要素は、『バック・トゥ・アース』のまさにコアを引き合いに出し、今日まで生きているアルバムであり、ユスフ／キャット・スティーヴンスを彼の人生の定義点で捉えた、まだ信じられないほど関連性が高く魅力的な作品だ。