グラミー賞、ラップとR&Bカテゴリーから「アーバン」という言葉を削除

6月2日のMLCニュースでお伝えしたように、米・音楽業界は6月2日、人種差別撤廃運動を支援する “ブラック・アウト・チューズデイ” を実施し、ユニバーサル・ミュージック・グループやワーナー・ミュージック・グループが今後の社会改革に取り組む声明を発表しました。

これに伴い、ユニバーサル・ミュージック・グループの傘下にあるリパブリック・レコードは、「ブラック・ミュージックを表す “アーバン（urban）” という言葉を使用しない」という独自のキャンペーンを発表しました。

リパブリック・レコードのメモには、次のように綴られています。
 

「 “アーバン” という言葉は、ブラック・ミュージックを定義する用語の歴史的進化に根差しています。我々の歴史同様、この言葉の意味は本来ネガティヴなものではありませんでしたが、時間と共に “アーバン” の意味と含蓄が変化し、従業員や黒人アーティストの音楽を含め、音楽業界の多くの分野で黒人を概括する言葉に進化しました。今後この言葉を使わなくなっても、我々のスタッフに組織上の影響はありませんが、この時代遅れの言葉を使うことはありません」

これに続き、グラミー賞を主催するレコーディング・アカデミーも、アフリカ系アメリカ人アーティストによるラップやR&B音楽に属するジャンルの分類において、“アーバン” という言葉の使用をやめると発表しました。それにより、これまでの「最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム（Best Urban Contemporary Album）」が、今後は「最優秀プログレッシヴR&Bアルバム（Best Progressive R&B Album）」になります。

しかしながら、ラテン音楽の分野では、「ラテン・ポップ・アルバム（Latin Pop Album）」が「ラテン・ポップ・オア・アーバン・アルバム（Latin Pop Or Urban Album）」になり、「ラテン・ロック、アーバン・オア・オルタナティヴ（Latin Rock, Urban Or Alternative）」が、「ラテン・ロック・オア・オルタナティヴ（Latin Rock Or Alternative）」になります。

また、ラップとヒップ・ホップのジャンルでは、「最優秀ラップ／サング・パフォーマンス（Best Rap / Sung Performance）」が「最優秀メロディック・ラップ・パフォーマンス（Best Melodic Rap Performance）」に変わります。