マウンテンの創設メンバー、ギタリストのレスリー・ウェストが75歳で死去

レスリーは12月21日、フロリダ州デイトナ近郊の自宅で心不全を起こし、搬送先の病院で意識不明の状態が続いていました。ラリーは同日、そのニュースをフェイスブックで公表し、心肺が停止したレスリーには人工呼吸器が装着されたものの、危篤状態であると伝えていました。

レスリーの訃報を受け、長年スポンサー契約を結んでいたディーン・ギターズ（Dean Guitars）は次の声明を発表しています。

「ディーン・ファミリーの一員でディーン・アーティストだったレスリー・ウェストの訃報を聞き、悲しみに包まれています。彼は伝説的で唯一無二の存在でした。安らかに」

レスリー・ウェストは1945年にニューヨーク・シティで生まれ、R&B/ソウル・バンドのヴェイグランツ（Vagrants）でキャリアをスタートさせました。その後、1969年にバンドを脱退したレスリーは、同年ソロ・デビュー・アルバム『Mountain』を発表。このアルバムでは、ヴェイグランツのプロデューサーだったフェリックス・パパラルディがベースとプロデュースを担当し、バンド “マウンテン” の出発点になりました。

同年二人は、ドラマーのN.D. スマートとキーボーディストのスティーヴ・ナイトを採用してマウンテンを結成、マウンテンは無名のまま1969年8月のウッドストック・フェスティバルに出演しました。ウェストが後に語ったところによると、ウッドストックのヘッドライナーを務めたジミ・ヘンドリックスのエージェントがマウンテンのエージェントで、ジミが「俺を出演させたいなら、マウンテンも出せ」と口添えしたために出演できたのではないかとのこと。マウンテンのギャラは、5,000ドルだったそうです。

ウッドストックで注目を集めたマウンテンには、その後スマートの後任としてドラマーのコーキー・レイングが加入し、バンドは1970年にデビュー・アルバム『Climbing！』を発表。このアルバムは全米チャートの第17位を記録し、収録曲「Mississippi Queen」はバンド最大のヒット曲になりました。

続いて1971年にセカンド・アルバム『Nantucket Sleighride』をリリースするも、ウェストとパパラルディの分裂により、バンドは1972年に解散。翌1973年に再結成し、1974年にアルバム『Avalanche』を発表しましたが、同年の暮れに再び解散しました。

その後、1981年にウェストとドラマーのレイングがバンドの再起動を図ったものの長続きはせず、その後もウェストはソロ・キャリアと並行しつつ、何度かバンドの再結成を試みていました。

ウェストは70年代からソロ・アルバムをリリースする傍ら、ボ・ディドリーやザ・フー、ビリー・ジョエル、ジョー・リン・ターナー、オジー・オズボーンらのアルバムにも参加し、2011年に糖尿病の悪化で右下肢を切断しましたが、同年にはスラッシュやビリー・ギボンズ、ザック・ワイルド、スティーヴ・ルカサーサーらがゲスト参加したソロ・アルバム『Unusual Suspects』をリリースしました。

2015年のソロ・アルバム『Soundcheck』が最後の作品になってしまいましたが、このアルバムはビルボードのトップ・ブルース・アルバム・チャートで第2位を記録しています。