FM COCOLO『Vintage Hits Parade』月イチ企画【森田編集長 今月の一冊】『フリー自伝 アシッド・フォー・ザ・チルドレン』

関西圏で受信可能なFM COCOLOで大好評放送中の番組『Vintage Hits Parade』(毎週日曜 21:00-23:00/DJ 加美幸伸)は、洋楽が熱かった60〜80年代の名曲を、日本でのヒット曲を中心に、その時代背景やエピソードを加え、新たな魅力とともに楽しめる2時間生放送の音楽番組。
同番組内にて、MUSIC LIFE CLUBがコラボしている、その名も “MUSIC LIFE VINTAGE” というコーナー。その “MUSIC LIFE VINTAGE” の毎月最終週放送回でのMUSIC LIFE CLUB現編集長:森田がコメント出演、おススメの書籍とそれにまつわるエピソードを語る【森田編集長の今月の1冊】。今回は昨日2月28日(日)放送分をご紹介。今回森田編集長が取り上げるのは『フリー自伝 アシッド・フォー・ザ・チルドレン』。
番組HP
FM COCOLO『Vintage Hits Parade』
(DJ 加美幸伸 / 毎週日曜 21:00-23:00 / 関西圏:76.5MHz / radikoでも試聴可能)
番組Twitterはこちら
@VinPare765
※インターネットラジオ「radiko」でも試聴可能。関西圏以外の方は「radikoプレミアム」での試聴可能となります。
森田編集長 今月の一冊
『フリー自伝 アシッド・フォー・ザ・チルドレン』


フリー自伝 アシッド・フォー・ザ・チルドレン
3,300円
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2/20発売 レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリー衝撃の自伝 自らの言葉で描いたレッチリ誕生秘話!〜『フリー自伝 アシッド・フォー・ザ・チルドレン』
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レッチリの『フリー自伝』出版記念特別展、2月20日(土)~3月21日(日)東京と大阪で同時開催!
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今日ご紹介する本はレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(以下レッチリ)のベーシスト、フリーが自ら書いた『フリー自伝 アシッド・フォー・ザ・チルドレン』です。2月20日に発売になったばかりですが、A5判で488ページというヴォリュームのあるものです。しかも実はこれレッチリ結成前までの話でして、いわばフリーの半生期というものでして、第2部、後半戦もあることになります。
488ページのヴォリュームで、しかもまだ半分なのか、と、レッチリのファンならずとも腰が引けてしまうかもしれません。ところが、内容がすこぶる面白く、表現が実に生き生きしているので、どんどん読めます。さすがにリズム・セクションを担うだけあって、テンポがいいですし、チョッパー・ベース的にキラーフレーズがそこここに出てくるので、実に気持ちよくページをめくることができます。
オーストラリアのメルボルンで生まれて、4歳でアメリカのNYに移住、そこからロサンゼルスに移って、アンソニー・キーディスとのバンド、つまりレッチリの前身バンドを結成するまでのエピソードが山盛りになっています。この記憶力はどこから、というくらい細かな逸話が次から次に開陳されるのですが、その表現が、どストレートであるかと思えば文学的、音楽的に表現されたりと、フリーのこれまで知らされることのなかった才能が見えてきます。
彼が最初に手にした楽器トランペットからジャズに興味を持ち、その傍らパンクやハードコアに惹かれていく様、ロックやP・ファンクへの興味、ベースへのスイッチ。音楽的な関心の移りかわりも詳細に書かれています。そしてその中心を流れるアンソニー・キーディスとの強い絆が通奏低音のように流れています。
音楽的な興味の持ち方や楽器へのアプローチなど、彼の核が見えてきますが、それが実に面白くリスト化されているのが、本の最後に加えられています。
「俺の人生を変えたコンサート」
「何度も何度も聴きかえすアルバム〜俺の癒しのレコード」
「俺を育ててくれた映画」
「俺の両端に穴を開けて中身を全部吹き出すかのように俺に衝撃を与えた本」
こんな項目が並んでいます。リスト全体は内緒ですが、コンサート・リストの最初にジャズのディジー・ガレスピーとLAパンクのXが並んでいるんですね。こんなところが、実にフリーだなあ、とうなずけます。その理由は本書を読んでいただければ、しっかり納得できますので、まずは騙されてと思って、手にとってみてください。
私自身レッチリの取材には一回だけ立ち会った事があります。彼らはステージ上ではハチャメチャなところがありますし、写真撮影時にはサービス精神旺盛になる一方で、受け答えでは非常に知性的な部分があって、奥深いところのあるバンドだと思いました。アルバムでは『母乳(Mother’s Milk)』や『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』『カリフォルニケイション(Californication)』など名盤がありますが、彼らの唯一の弱みというのは、ギタリストがバンドのその時々の音楽性を握っている所があり、その才能によって音楽が輝いたり、停滞してしまったりするところでしょうか。アンソニーとフリーの二人の絆は非常に強いものがあるので、バンド自体としては常にしっかりとした形で活動を出来ています。ただし、そのギタリストの曲作りの才能によって出来が左右されてしまうところがバンドの弱みになっている、そんな気がします。例えばストーンズのミックとキースの曲作りとかが核になっていますが、そこら辺に比べるとレッチリは弱みを感じてしまうということです。現在のギタリスト:ジョン・フルシアンテ、彼は最も才能のあるギタリストの一人だったので、彼が戻ったことでこれからまた非常に期待できますね。
レッチリは最初出てきた頃は、日本ではあまり評価されていませんでした。プロデューサーがギャング・オブ・フォーのアンディ・ギルだったんですが、サウンドはファンクの要素が強く当時はまだ珍しいサウンドで、非常に面白いバンドが出てきたなと思いました。しかも、セカンド・アルバムではP・ファンクの総帥:ジョージ・クリントンをプロデューサーに起用するという大胆な策もあり、興味が益々深くなっていったわけです。
レッチリ初来日の頃は、ハッキリ言ってそんなに人気があるわけではなかったんですけど、ステージは物凄く良かったです。ただ、ここまで大きなバンドになるとは誰も想像してなかったでしょう。『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』『カリフォルニケイション』の大ヒットで化けましたが、そこでの音楽的な貢献となると、基本はアンソニーとフリーですけど、そこにジョン・フルシアンテの才能が見事に合体して大化けしたと言えると思います。
488ページのヴォリュームで、しかもまだ半分なのか、と、レッチリのファンならずとも腰が引けてしまうかもしれません。ところが、内容がすこぶる面白く、表現が実に生き生きしているので、どんどん読めます。さすがにリズム・セクションを担うだけあって、テンポがいいですし、チョッパー・ベース的にキラーフレーズがそこここに出てくるので、実に気持ちよくページをめくることができます。
オーストラリアのメルボルンで生まれて、4歳でアメリカのNYに移住、そこからロサンゼルスに移って、アンソニー・キーディスとのバンド、つまりレッチリの前身バンドを結成するまでのエピソードが山盛りになっています。この記憶力はどこから、というくらい細かな逸話が次から次に開陳されるのですが、その表現が、どストレートであるかと思えば文学的、音楽的に表現されたりと、フリーのこれまで知らされることのなかった才能が見えてきます。
彼が最初に手にした楽器トランペットからジャズに興味を持ち、その傍らパンクやハードコアに惹かれていく様、ロックやP・ファンクへの興味、ベースへのスイッチ。音楽的な関心の移りかわりも詳細に書かれています。そしてその中心を流れるアンソニー・キーディスとの強い絆が通奏低音のように流れています。
音楽的な興味の持ち方や楽器へのアプローチなど、彼の核が見えてきますが、それが実に面白くリスト化されているのが、本の最後に加えられています。
「俺の人生を変えたコンサート」
「何度も何度も聴きかえすアルバム〜俺の癒しのレコード」
「俺を育ててくれた映画」
「俺の両端に穴を開けて中身を全部吹き出すかのように俺に衝撃を与えた本」
こんな項目が並んでいます。リスト全体は内緒ですが、コンサート・リストの最初にジャズのディジー・ガレスピーとLAパンクのXが並んでいるんですね。こんなところが、実にフリーだなあ、とうなずけます。その理由は本書を読んでいただければ、しっかり納得できますので、まずは騙されてと思って、手にとってみてください。
私自身レッチリの取材には一回だけ立ち会った事があります。彼らはステージ上ではハチャメチャなところがありますし、写真撮影時にはサービス精神旺盛になる一方で、受け答えでは非常に知性的な部分があって、奥深いところのあるバンドだと思いました。アルバムでは『母乳(Mother’s Milk)』や『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』『カリフォルニケイション(Californication)』など名盤がありますが、彼らの唯一の弱みというのは、ギタリストがバンドのその時々の音楽性を握っている所があり、その才能によって音楽が輝いたり、停滞してしまったりするところでしょうか。アンソニーとフリーの二人の絆は非常に強いものがあるので、バンド自体としては常にしっかりとした形で活動を出来ています。ただし、そのギタリストの曲作りの才能によって出来が左右されてしまうところがバンドの弱みになっている、そんな気がします。例えばストーンズのミックとキースの曲作りとかが核になっていますが、そこら辺に比べるとレッチリは弱みを感じてしまうということです。現在のギタリスト:ジョン・フルシアンテ、彼は最も才能のあるギタリストの一人だったので、彼が戻ったことでこれからまた非常に期待できますね。
レッチリは最初出てきた頃は、日本ではあまり評価されていませんでした。プロデューサーがギャング・オブ・フォーのアンディ・ギルだったんですが、サウンドはファンクの要素が強く当時はまだ珍しいサウンドで、非常に面白いバンドが出てきたなと思いました。しかも、セカンド・アルバムではP・ファンクの総帥:ジョージ・クリントンをプロデューサーに起用するという大胆な策もあり、興味が益々深くなっていったわけです。
レッチリ初来日の頃は、ハッキリ言ってそんなに人気があるわけではなかったんですけど、ステージは物凄く良かったです。ただ、ここまで大きなバンドになるとは誰も想像してなかったでしょう。『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』『カリフォルニケイション』の大ヒットで化けましたが、そこでの音楽的な貢献となると、基本はアンソニーとフリーですけど、そこにジョン・フルシアンテの才能が見事に合体して大化けしたと言えると思います。






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