セックス・ピストルズがレコーディングした音源の集大成4枚組ボックス・セット『76-77』が9月24日に発売決定

いまだに何かとお騒がせなセックス・ピストルズ、いよいよ究極のボックスセットが登場します。70年代の録音を4枚組にひとまとめ(つまり90年代以降の再結成音源は除外)、そして未発表曲も収録です。
〈以下メイカー・インフォメーションより〉

セックス・ピストルズが1976-1977年にレコーディングした音源を集大成した4枚組ボックス・セット『76-77』が9月24日に発売決定。

セックス・ピストルズ『勝手にしやがれ‼(Never Mind the Bollocks, Here's the Sex Pistols)』収録曲のデモ音源やアウトテイクを集大成した4枚組ボックス・セット『76-77』が9月24日に発売決定。未発表曲も8曲収録される。

『76-77』は、1977年の『勝手にしやがれ!!』をリリースする以前にセックス・ピストルズがレコーディングした音源を集大成したコンピレーション。ここには1976年5月から1977年9月までのあいだに録音されたオルタネイト・ヴァージョンが80種類以上収録されている。こうしたレコーディングを足がかりにして完成した『勝手にしやがれ!!』はピストルズが残した唯一のスタジオ・アルバムとなり、文化的に重要で記念碑的な作品のひとつとして歴史にその名を刻んでいる。

このコンピレーションは、9月24日にCD4枚組のボックス・セットとデジタル配信のフォーマットでリリース。ここには未発表ヴァージョン8曲と初めてデジタル配信される30曲が収録される。

今回リリースされるセックス・ピストルズ『76-77』は、アルバム『勝手にしやがれ!!』が完成するまでの道のりをデモ音源やアウトテイクを通じてたどるサウンド・ドキュメンタリーとなっている。あの『勝手にしやがれ!!』は単なる幸運の産物などではなく、ごく短い濃密な時期に、インスピレーション、創造性、そして多大なる努力によって作り上げられたのである。

その時期には、ピストルズの悪名を世に知らしめた出来事が立て続けに起こっており、それらは今や伝説となっている……。

[今回のセットに収録された音源がピストルズの歴史や完成した『勝手にしやがれ!!』のリリースとどのように関連しているのかの解説]
セックス・ピストルズのオリジナル・メンバー──ジョン・ライドン、ポール・クック、スティーヴ・ジョーンズ、グレン・マトロック──がグループを結成したのは1975年の夏のこと。それからわずか10ヵ月後に、彼らは初めてレコーディング・スタジオに足を踏み入れることになる。その初めてのレコーディングは1976年5月15日にロンドンのマジェスティックで行なわれ、セッションにはクリス・スペディングが立ち会っている。さらに7月にはまずデシベル、次いでリヴァーサイドでデイヴ・グッドマンと共にレコーディングが行なわれ、10月にはランズダウンとウェセックスでもレコーディングが行なわれている。こうした初期のレコーディング・セッションの成果はセックス・ピストルズ『76-77』にすべて含まれている。つまり、このコンピレーションを聴けば、曲やピストルズのサウンドがどのように進化していったのか確認することができる。

この時期にピストルズはEMIと契約し、同社のマンチェスター・スクエア・スタジオでもセッションを行なっていた。そのときの音源も今回のセットには含まれている。

ピストルズはシングル「アナーキー・イン・ザ・U.K.」をリリースするが、同作のプロモーションのために行なった活動はかえって逆効果となった。そして1976年12月1日にITVのビル・グランディの番組に(クイーンの代役として) ゲスト出演してスキャンダルを巻き起こした結果、EMIは1977年1月6日に契約を解除する。ピストルズはEMIからの前金4万ポンドをそのまま活動資金とし、すぐにデイヴ・グッドマンと共にイーデン・スタジオとグースベリー・スタジオでレコーディングを続けた。2月にはグレンが脱退し、代わりにシド・ヴィシャスが加入する。

やがて3月9日、ピストルズはA&Mと契約(契約金は15万ポンドだった)。その翌日には、バッキンガム宮殿の外でマスメディア向けに契約の調印式を再現してみせた。A&Mはシングル「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」を3月25日にリリースするために、急いでレコードのプレスを始めた。そうして2万5,000枚がプレスされたが、予定されていた発売日にA&Mはシングルのリリースを中止したことを発表。ピストルズとの契約を解除し、既にプレスの終わっていたシングルを破棄した。一方ピストルズは契約解除の補償金として7万5,000ポンドを手にし、さらにレコーディングを続けた。

5月13日 (金曜日) 、ピストルズはヴァージン・レコードと契約し、1977年9月までレコーディングを行なう。そしてその翌月、 『勝手にしやがれ!!』がリリースされたのだった。
商品詳細
セックス・ピストルズ
『76-77』


4CDs(2021/9/24)¥9,350

〈ディスク1〉
クリス・スペディング・セッション
マジェスティック・スタジオ・ミックス 1976/5/15

1. 怒りの日
2. プリティ・ヴェイカント
3. 分かってたまるか(テイク 1)
4. 分かってたまるか(テイク 2)*
5. 分かってたまるか(テイク 3)*
デイヴ・グッドマン・デシベル・スタジオ・セッション
デジベル・スタジオ・ミックス 1976/7/30

6. サブミッション
7. セヴンティーン
8. サテライト
9. アイ・ウォナ・ビー・ミー
10. プリティ・ヴェイカント
11. アナーキー・イン・ザ・U.K.
12. サブミッション
デイヴ・グッドマン・ウェセックス・スタジオ・セッション
ウェセックス・スタジオ 1976/10/17,18 & 19

13. アナーキー・イン・ザ・U.K.
14. サブスティチュート
15. ノー・リップ
16. ステッピング・ストーン
17. ジョニー・B・グッド
18. ロードランナー
19. ホワッチャ・ゴナ・ドゥ・アバウト・イット?
20. スルー・マイ・アイズ
21. ノー・ファン(フル・7分ヴァージョン) 
 
〈ディスク2〉
マイク・ソーン・マンチェスター・スクエア・スタジオ・セッション/1976

1. アナーキー・イン・ザ・U.K. (インストゥルメンタル)(マンチェスター・スクエア・バッキング・トラック)
2. ノー・フューチャー(ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン)
3. ライアー
4. 怒りの日(マンチェスター・スクエア・デモ)
5. ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン(インストゥルメンタル)
6. プリティ・ヴェイカント(インストゥルメンタル)
7. 分かってたまるか(インストゥルメンタル)(EMI・バッキング・トラックス・フォー・TV)
デイヴ・グッドマン・イーデン・スタジオ・ミックス
レコーデッド・アット・グースベリー・スタジオ/ミックスド・アット・イーデン・スタジオ1977/1/28
8. ニューヨーク
9. アンリミテッド・エディション(拝啓EMI殿)
10. ライアー
11. プリティ・ヴェイカント
12. 怒りの日
13. ノー・フューチャー
14. ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン(インストゥルメンタル)*
デイヴ・グッドマン・リヴァーサイド・スタジオ・ミックス
レコーデッド・アット・デンマーク・ストリート 1976/7
ミックスド・アット・リヴァーサイド・スタジオ1977/5/31

15. プリティ・ヴェイカント
16. セヴンティーン
17. サテライト
18. 分かってたまるか
19. アイ・ウォナ・ビー・ミー
20. サブミッション
21. アナーキー・イン・ザ・U.K.

〈ディスク3〉
リジェクテッド・アンド・オルタナティブ・ヴォーカル・ヴァージョンズ、ラフ・ミックス、オルタナティブ・ミックス、デモ・アンド・アウトテイクス

1. アナーキー・イン・ザ・U.K.(ウェセックス・スタジオ・リジェクテッド・ヴァージョン 1976/10)
2. ディド・ユー・ノー・ロング(オルタナティブ・ヴォーカル・ヴァージョン 1977/3/3)
3. セヴンティーン(オルタナティブ・ヴォーカル・ヴァージョン 1977/4/21)
4. サテライト(ラフ・ミックス 1977/4/22)
5. サブミッション(ラフ・ミックス 1977/4/22)
6. さらばベルリンの陽(ラフ・ミックス 1977/6/11)
7. 拝啓EMI殿(ラフ・ミックス 1977/4/22)
8. セヴンティーン(ラフ・ミックス 1977/5/16)
9. さらばベルリンの陽(オルタナティブ・ミックス 1977)
10. ボディー(デモ・ヴァージョン・オブ・「ボディーズ」 1977/6/11)
11. サブミッション(オルタナティブ・ミックス 1977/8/12)
クリス・トーマス『勝手にしやがれ』セッション
ウェセックス・スタジオ 1977/3-8

12. 拝啓EMI殿(アウトテイク 1977/3/3)*
13. ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン(アウトテイク 1977/3/3)*
14. ボディーズ(インストゥルメンタル)(アウトテイク 1977/6/18)*
15. 拝啓EMI殿(アウトテイク 1977/8/12)*
16. サテライト(アウトテイク 1977/8/12)*
17. サブミッション(ヴァージョン1)(オルタナティブ・ミックス 1977/8/12)
18. 拝啓EMI殿(オルタナティブ・ミックス 1977/4/22)
19. セヴンティーン(オルタナティブ・ミックス 1977/4/21)
20. 分かってたまるか(オルタナティブ・ミックス 1977/4/14)
21. サブミッション(ヴァージョン2)(オルタナティブ・ミックス 1977/8/12) 
ジョン・“ブギ―”・チベリ・プロデュース
デンマーク・ストリート・リハーサル・ルーム、ロンドン 1977/9/20

22. ベルゼンの毒ガス室(デモ1)
23. ベルゼンの毒ガス室(デモ2) 
 
〈ディスク4:ボーナス・ディスク〉
SPUNK(ブートレッグ)

 1. セヴンティーン(SPUNK ヴァージョン)
2. サテライト(SPUNK ヴァージョン)
3. フィーリングス(分かってたまるか)(SPUNK ヴァージョン)
4. ジャスト・ミー(アイ・ウォナ・ビー・ミー)(SPUNK ヴァージョン)
5. サブミッション(SPUNK ヴァージョン)
6. ノーキー(アナーキー・イン・ザ・U.K.)(SPUNK ヴァージョン)
7. ノー・フューチャー(ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン)(SPUNK ヴァージョン)
8. 怒りの日(SPUNK ヴァージョン)
9. ロッツ・オブ・ファン(プリティ・ヴェイカント)(SPUNK ヴァージョン)
10. ライアー(SPUNK ヴァージョン)
11. フー・ワズ・イット(拝啓EMI殿)(SPUNK ヴァージョン)
12. ルッキング・フォー・ア・キス(ニューヨーク)(SPUNK ヴァージョン)
13. アナーキー・イン・ザ・U.K.(SPUNK ヴァージョン)(デンマーク・ストリート・デモ 1976/7)
14. プリティ・ヴェイカント(SPUNK ヴァージョン)(デンマーク・ストリート・デモ 1976/7)
15. ノー・ファン(SPUNK ヴァージョン)(アンエディテッド・ヴァージョン)
 
*=未発表
商品詳細
セックス・ピストルズ
『勝手にしやがれ!!』


CD(2018/6/20)¥2,476
商品詳細
Steve Jones(著), Ben Thompson(共著), Chrissie Hynde(はしがき)
『Lonely Boy : Tales from a Sex Pistol』

英語/ハードカバー – イラスト(2017/1/10)洋書
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