ジョニ・ミッチェル、「ケネディ・センター名誉賞」授賞式典でスピーチ

「（9歳の時に患った）ポリオは、その後の人生のリハーサルだったといつも思っています。今まで何度か復活しなければならない事態が起こり、（2015年の）脳動脈瘤は本当に大打撃でした。でも、よろよろしながらですが、私は大丈夫です！」

「それ以外に何と言っていいのかわかりませんが、この会場は壮大で美しく、この賞を受賞できたのは素晴らしい名誉です。昔からの友人や知人にも会い、この場にいることがとても嬉しいです。皆さんも楽しんでください。私は席に戻って座ります！」

ミッチェルは昨年、『ガーディアン』紙に掲載されたキャメロン・クロウ監督とのインタヴューで、脳動脈瘤のために再び歩けなくなり、満足に話すことも出来なくなったと明かし、すぐに話せるようにはなったものの、当時は歩くことに悪戦苦闘していると語っていました（2020年10月29日MLCニュース参照）。

また、式典にも出席したジョー・バイデン大統領は、式典前にホワイトハウスで開催したレセプションのスピーチで、ミッチェルに次のように語りかけていました。

「ジョニ、あなたの歌詞とメロディは、私たちの魂の最も深い部分に響いています。本当にそうなのです。それは私たちが経験したことではなく、すべてはあなたが経験したもので、思うがまま愛する能力です。
彼女は、深く個人的でありながら普遍的なものを私たちに明かしてシェアすることで、私たちの魂に触れています。だからこそ、何百万人もの人々が彼女の歌を聴き、自分たちのために書かれた曲だと感じるのです。あなたは曲作りの達人です。
あなたが他のアーティストより際立つのは、我々があなたの歌声、ギター、入念な編曲による素晴らしい楽曲を聴く時だと思っています。あなたは一人静かに歌詞を読み、素晴らしい詩を読みます。私には、あなたが詩を歌っているように思えるのです。とはいえ、私はアーティストではありません。
あなたは8つのグラミー賞を受賞し、17回もノミネートされました。
至上最高のアルバムの一つである『Blue』は、あらゆる世代のファンとあらゆるジャンルのアーティストに影響を与え、計り知れないほど素晴らしい作品です。
彼女の才能とは、人間性の領域と苦闘の感覚、そして我々がどのように克服して愛するのか、それに触れることなのです」