トム・ペティのドキュメンタリーも手掛けた映画監督、ピーター・ボグダノヴィッチが死去

1971年の映画『The Last Picture Show』(邦題『ラスト・ショー』)や1973年の『Paper Moon』(邦題『ペイパー・ムーン』)、トム・ペティ2007年のドキュメンタリー『Runnin’ Down a Dream』などを手掛けた米・映画監督/脚本家/プロデューサー/評論家/俳優のピーター・ボグダノヴィッチ(Peter Bogdanovich)が1月6日、82歳で死去しました。

エンタメ・サイトの「Hollywood Reporter」などによると、ボグダノヴィッチはパーキンソン病の合併症により、ロサンゼルスの自宅で亡くなったとのこと。
ボグダノヴィッチは1939年、ニューヨーク州キングストンで移民の両親の元に生まれ、彼のキャリアは、60年代初頭にニューヨーク近代美術館の映画プログラマーとして、また雑誌『Esquire』の映画ライターとしてスタートしました。

1966年に映画監督を目指してロサンゼルスに移住し、同年製作されたアクション映画『The Wild Angels』に携わり、同映画で成功したボグダノヴィッチは、1968年のスリラー映画『Targets』(邦題『殺人者はライフルを持っている!』)で監督デビューを果たしました。

それから3年後、ボグダノヴィッチが監督した1971年の青春映画『The Last Picture Show』は、アカデミー監督賞を含め、オスカーに8回もノミネートされ、翌1972年の『What’s Up, Doc?』(邦題『おかしなおかしな大追跡』)や、1973年の『Paper Moon』などもヒットしました。

その後、1981年のロマンティック・コメディ映画『They All Laughed』(邦題『ニューヨークの恋人たち』)では、出演女優でプレイボーイ・プレイメイトのドロシー・ストラットンと恋仲になりましたが、彼女は撮影終了後に夫に殺害され、彼女の死についての回顧録『The Killing of the Unicorn』を執筆したボグダノヴィッチは、1985年の映画『Mask』(邦題『マスク』)まで製作から遠ざかっていました。

また俳優としては、2004年の米TVシリーズ『The Sopranos』をはじめ、2018年に公開されたオーソン・ウェルズ最後の映画『The Other Side of the Wind』(邦題「風の向こうへ」)などにも出演していました。

ボグダノヴィッチは2009年、トム・ペティ2007年のドキュメンタリー『Runnin’ Down a Dream』でグラミー賞「最優秀音楽映画賞」を受賞し、ペティが2017年に他界した後、ハリウッド・リポーターに次のように語っていました。

「彼から興味があるかと訊かれるたびに、僕はいつもイエスと言ってたんだ。それから元妻に電話して、トム・ペティが誰なのか訊いてたんだよ。“彼ってフォーク・シンガーだっけ?”って」

なお、ボグダノヴィッチの訃報を受けたトム・ペティの妻ダナは、インスタグラムにトムとボグダノヴィッチの写真を掲載し、追悼コメントを発表しています。

「彼の訃報を心から悲しみつつも、彼が今、愛するドロシー・ストラットンと天国で再会したことに慰められています。親愛なるピーター、私の代わりに天国でトミーをハグしてくださいね。ご冥福をお祈りします」

この他、多数の俳優/映画関係者らによる追悼ツイートはこちら。

Deadline.com
Hollywood Remembers “Champion Of Cinema” Peter Bogdanovich: Francis Ford Coppola, Jeff Bridges, Barbra Streisand & More Weigh In

安らかなる眠りをお祈りいたします。
Paper Moon - Trailer
Mask (1/10) Movie CLIP - School Registration (1985) HD
Runnin' Down A Dream: The Official Trailer
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