【MLCプレイリスト】テーマ別に往年の名曲を集めて聴く連載企画・第2回、題して「ポイズン・アロウ」! 第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンの胸キュン・ソングの矢がハートを貫いたまま!

テーマ別に往年の名曲を集めて聴く新企画を始めます──名付けて【MLCプレイリスト】! アーティストの来日やリリース、また季節や記念日、さらにその時々のトピック的な内容をテーマに取り上げ、10曲前後、46分を目安に往年の名曲をピックアップしていきます。第2回目となる今回のテーマは、ABCのセカンド・シングルから拝借しまして “ポイズン・アロウ”!──1980年代、にわかに巻き起こった第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン、その解き放たれた胸キュン・ソングの毒の矢が40年近く経っても抜けずにいる、文京区にお住いのTさん(50代)からのリクエストです。
アイドル性ばかりではない!──80年代UKヒットの数々から今一度感じ取って欲しいその実力
 
投稿:匿名希望

日本とイギリス。共通点は島国というだけ。なのに日本人は古よりイギリスのロック/ポップスが大好きだ。ビートルス、クイーンなど枚挙に暇がない。おそらく島国もしくは北国特有のどことなく哀愁を帯びている部分に共感しているのではないか。かの初代タイガーマスクこと佐山サトル氏も海外遠征時、メキシコでは感じなかった郷愁をイギリスでは感じたほどだ。それは置いといて、日本人好みの哀愁を帯びたサウンドが最も顕著だった第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン時代の音楽。だが、当時はアイドル性ばかりが取り上げられ、サウンド的に軽んじられていた。その間違った認識をここで正したいという思いも込めつつ、胸キュンという題材で “第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン” の名曲の数々を取り上げた。聞いて頂ければ分かるが、いかに彼らが実力派だったかという事実も知ってもらいたい。

MLCプレイリスト 2022.04.21/ポイズン・アロウ

1. Spandau Ballet - Only When You Leave (HD Remastered) Spandau Ballet (Official)
2. Valentine's Day / ABC - Topic
3. Duran Duran - New Moon On Monday (Official Music Video) Duran Duran
4. Culture Club - Time (Clock Of The Heart) Culture Club
5. Wham! - Everything She Wants / Wham!
6. Kajagoogoo - Too Shy (Official Music Video) RHINO
7. John Waite - Missing You (Official Video) JohnWaiteVEVO
8. The Human League - Human / The Human League
9. Paul Young - Come Back and Stay (Official Music Video) paulyoungchannel
10. GI ORANGE - PSYCHIC MAGIC / kawamatagunji

■楽曲解説

1. Spandau Ballet “Only When You Leave”

アメリカでもスマッシュ・ヒットした「ゴールド」と双璧をなす、スパンダー・バレエ随一の胸キュン・ソング。1984年に発表された4枚目のアルバム『パレード』からのファースト・シングル。全英では3位になったヒット曲。このアルバム自体、アルバム・ジャケットを含めすべてが胸キュンだが、この曲はその中でも一番哀愁を帯びている。失恋を経験したことがある人なら、必ず共感してしまう逸品。アルバム最後のナンバー「ラウンド・アンド・ラウンド」も明るい曲調なのに哀愁を帯びているという典型的な胸キュン・アルバムなので、実を言うと全曲オススメしたい。
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商品情報
スパンダー・バレエ
『Parade』(Special Edition)

Amazon Music・MP3(1984/6/22)¥1,950

2. ABC “Valentine's Day”

日本ではHONDAのスクーター「リード」のCMソングとして有名な曲。なので日本でしか馴染みがない。1982年に発表された全英1位のファースト・アルバム『ルック・オブ・ラヴ』A面ラストを飾るナンバーだ。劇的なイントロから始まるテンポの良いディスコ・サウンドではあるが、Aメロから胸キュン歌メロ全開で、マーティン・フライの哀愁を帯びた歌い方も相まって、ABCの楽曲中でも群を抜いて胸キュン・サウンドに昇華されている。セカンド・シングルの「ポイズン・アロウ」もなかなかの胸キュン度なので、こちらも同時にオススメする。
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商品詳細
ABC
『Lexicon of Love』

Amazon Music・MP3(1982/6/21)¥1,000
CD(2002/2/5)輸入盤

3. Duran Duran “New Moon On Monday”

1983年に発表されたサード・アルバム『セヴン・アンド・ザ・ラグド・タイガー』からのセカンド・シングル。正直Aメロ、Bメロの退屈度が高いので、一瞬「リオ」と迷ったが、サビで胸キュン度が一気に急上昇するので、こちらをセレクトした。デュラン・デュラン自体、ミーハー・アイドル・バンド扱いされていたが、高い演奏能力と、どことなく哀愁を帯びた楽曲を聞けば、確かな実力は分かるはず。日本では嫉妬心に駆られた男性陣から演奏していない疑惑を持たれたが、メンバー中一番カッコ良いジョン・テイラーのベース技術は、今ではベーシストのお手本になっている。
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商品情報
デュラン・デュラン
『Seven & The Ragged Tiger』

Amazon Music・MP3(1983/11/21)¥1,500
CD(2003/8/5)輸入盤

4. Culture Club “Time(Clock Of The Heart)”

その容貌で能天気なイメージがあったカルチャー・クラブの4枚目のシングル。当時のアルバムでの収録は全世界で爆売れした1983年発売のセカンド・アルバム『カラー・バイ・ナンバーズ』の日本のアナログ盤のみだったというのがミソ。得した気分になりましたよ。カルチャー・クラブは容貌と違い、実は哀愁を帯びた楽曲が多く、ザ・ブリティッシュという印象が強い。だから「君は完璧さ」「ミス・ミー・ブラインド」など胸キュン・ソングの宝庫で、その中でも本楽曲はイントロのギターから終始胸を締め付けるメロディ展開をしているので、群を抜いて胸キュン度が高い。
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商品詳細
カルチャー・クラブ
『The Best of Culture Club』

Amazon Music・MP3(1989/1/1)¥1,650
CD(2005/3/13)輸入盤

5. Wham! “Everything She Wants”

「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」「フリーダム」等でこれまた能天気なイメージがある二人だが、日本人誰しもが知る「ラスト・クリスマス」や全米で1位を獲得した本曲を聴けば、ジョージ・マイケルのソングライティングの実力も分かるはず。本曲はイントロから胸キュン・メロディ満載で、サビで胸キュン度がクライマックスに達する、胸キュン・ソングのお手本ともいうべき作りになっている。1985年に『メイク・イット・ビッグ』より4弾目としてリリースされたワム!名義では初めてのバラード系シングルで、ジョージ・マイケルのヴォーカル技術の高さも垣間見れる逸品。
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商品詳細
ワム!
『メイク・イット・ビッグ』

Amazon Music・MP3(1984/10/23)¥1,800
CD(2013/7/24)¥1,708

6. Kajagoogoo “Too Shy”

デュラン・デュランの弟分として1982年にデビューしたカジャグーグーのデビュー・シングル。日本ではヴォーカリスト、リマールのソロ楽曲「ネバーエンディング・ストーリーのテーマ」の方が圧倒的に有名ではあるが、当時は日本でもアイドル・バンドとして本曲もすごい人気があった。Aメロとサビ以外に胸キュン度は感じられないが、Aメロ時のヴォーカルに絡むピアノがグッと胸キュン度を増している。本曲の特筆すべき点はベース。胸キュンとは関係ないが、ベーシストなら学ぶべきテクニックが満載なので、そういった意味でも是非聞いてほしい。
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Kajagoogoo And Limahl
『Too Shy-The Singles... And More』

Amazon Music・MP3(1993/9/13)¥1,500

7. John Waite “Missing You”

ベイビーズ、バッド・イングリッシュのヴォーカリストとしても有名なジョン・ウェイト初の全米1位ナンバー。1984年リリース。ドン・ジョンソンとフィリップ・マイケル・トーマス主演ドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』第2話挿入歌にも起用された。歌詞を聴いてもらえればお分かりかと思うが、この歌詞こそ胸キュン度を高めている。出だしの “いつも君のことを考えている”、思い当たる節がある諸氏も多いことでしょう。歌詞と相まってか、サビよりAメロの方が胸キュン度は高い。サビは胸キュンというより魂の叫びになっている。
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ジョン・ウェイト
『No Brakes』

Amazon Music・MP3(1984/6/1)¥900

8. The Human League “Human”

正直全米第1位を獲得した代表曲「愛の残り火」と迷ったが、イントロのピアノのフレーズでもうノックダウンさせる本曲をセレクトした。1986年にリリースされたこの曲も全米1位を獲得。サビで胸キュン度が爆発する、ヒューマン・リーグを代表する名バラードだ。本曲の胸キュン・ポイントはやはり終始歌メロに呼応するピアノ・サウンド(実際はシンセ・サウンドだが)。そして、この曲はヒューマン・リーグそのものを表すほどの代表曲に結果としてなった。
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商品詳細
ヒューマン・リーグ
『Crash』

Amazon Music・MP3(1986/9/8)¥1,200

9. Paul Young “Come Back and Stay”

本国イギリスより先にドイツで火が着いた1983年リリースのシングル4枚目。同年リリースのファースト・アルバム『何も言わないで』に収録されている。ホール&オーツのカヴァー曲「エヴリタイム・ユー・ゴー・アウェイ」で1985年に全米1位を獲得するまで欧州でしか人気がなかったが、本曲のような胸キュン度が高い曲は全米進出以前の方が多かった。この曲はポール・ヤングの嗄れたソウルフルな歌声のみならず、彼本人によるギターも堪能できる(ほとんど聴こえないが)。最大の胸キュン・ポイントはサビの歌メロをなぞるシンセ・メロディだ。
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商品詳細
ポール・ヤング
『No Parlez』

Amazon Music・MP3(1983/7/18)¥1,800
CD(1984/1/4)輸入盤

10. G.I. Orange “Psychic Magic”

最後は若干趣旨がズレるが、英国産ながら “日本発” で世界侵略を狙って売り出されたバンド。1985年にリリースされたこのセカンド・シングルのみの一発屋アイドル・グループとしてご記憶の方も多いはず。おかげで筆者も女の子と組んだバンドでコピーさせられた。だが、よく聞いてみるとイントロの妙なメロディやサビの “サ〜イキック・マ〜ジック”という部分が妙に哀愁を帯びている胸キュン・ソングの秀逸曲である。アイドルとして売り出したいという当時の方向性が彼らのソングライティング力とマッチしなかったか……残念ながら彼らの世界侵略は失敗に終わった(日本はちょっとだけ侵略された)。
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商品詳細
G.I.Orange
『Psychic Magic』

Amazon Music・MP3(2020/2/5)¥1,600

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「最後の曲はインヴェイジョンじゃないだろ!」とか「もっとメジャーな曲があるだろ!」というご最もな意見があると思いますが、今回は筆者が中学生・高校生という多感な時期に胸キュンした曲をセレクトしたので、若干中二病っぽくなってしまいました(必然的に失恋や恋愛ソングが多くなってしまいますよね)。

G.I.オレンジよりティアーズ・フォー・フィアーズを、デュラン・デュランでも「ザ・リフレックス」や「ハングリー・ライク・ザ・ウルフ」を取り上げた方が “第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン” の良さがより伝わるとは思います。しかし、当時のヒット・チャートをFMラジオでエアチェックして、『ミュージック・ライフ』を読んでいた方々なら、これら胸キュン・ソングこそがブリティッシュ・ポップの象徴とも言えるということに気づいて頂けたのではないでしょうか?

「レコードを持っていなくても知っている」曲ばかりの大ヒット10曲! これらがヒットした80年代半ばはMTVの黎明〜拡大期で、様々な洋楽ヒットがそれこそ今のジャニーズやアニソン・レベルで市民権を持っていた、そして『ミュージック・ライフ』もバカみたいに売れた良い時代でした……。中には耳にするのは当時以来という曲もあったことでしょう、しかし改めて聴くと「この曲こんないい曲だったっけ!?」と驚くものも。「もう一度ちゃんと聴いてみる」って大事だと思います。


ということで、近く第3回も公開いたします。今回のように「我こそは!」という方、まずはテーマとその10曲をお送りください。追ってこちらから原稿発注いたします(ノーギャラですよ)。ということで次回もどうぞお楽しみに!

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