FM COCOLO『Vintage Hits Parade』月イチ企画
【森田編集長 今月の一冊】

『ビッグ・イン・ジャパンの時代』

関西圏で受信可能なFM COCOLOで大好評放送中の番組『Vintage Hits Parade』(毎週日曜 21:00-23:00/DJ 加美幸伸)は、洋楽が熱かった60〜80年代の名曲を、日本でのヒット曲を中心に、その時代背景やエピソードを加え、新たな魅力とともに楽しめる2時間生放送の音楽番組。

同番組内にて、MUSIC LIFE CLUBがコラボしている、その名も “MUSIC LIFE VINTAGE” というコーナー。その “MUSIC LIFE VINTAGE” の毎月最終週放送回でのMUSIC LIFE CLUB現編集長:森田がコメント出演、おススメの書籍とそれにまつわるエピソードを語る【森田編集長の今月の1冊】。今回は2022年1月30日放送分、森田編集長がピック・アップしたのは『BURRN! 叢書 29 ビッグ・イン・ジャパンの時代』です。

番組HP
FM COCOLO『Vintage Hits Parade』
(DJ 加美幸伸 / 毎週日曜 21:00-23:00 / 関西圏:76.5MHz / radikoでも試聴可能)

番組Twitterはこちら
@VinPare765

※インターネットラジオ「radiko」でも試聴可能。関西圏以外の方は「radikoプレミアム」での試聴可能となります。

森田編集長 今月の一冊
『BURRN! 叢書 29 ビッグ・イン・ジャパンの時代』

『BURRN! 叢書 29 ビッグ・イン・ジャパンの時代』

『BURRN! 叢書 29 ビッグ・イン・ジャパンの時代』

1,980円
BURRN!から出た『ビッグ・イン・ジャパンの時代』。日本でヘヴィ・メタルの世界が最も隆盛だった1990年代を、現在の編集長:広瀬編集長が振り返って編集部員を相手に色々語った1冊です。ヘヴィ・メタルを当時から聴いていたファンには「あーそうだったのか」という面白いエピソードや、今だから話せるものが満載で、懐かしさと同時に新たな面白さが発見できるような内容にもなっています。

僕自身は『BURRN!』が創刊した時はまだ『MUSIC LIFE』にいまして、創刊以後ずっと横で見ていて、大変な時期を乗り越え、徐々にヘヴィ・メタルが隆盛していき、ロックと言えばヘヴィ・メタルという時代もありましたし、それによって発行部数がどんどん伸びていって、当時から「世界最大のヘヴィ・メタル雑誌」と標榜して、確かにそういう状況にありました。そもそもCDも今では考えられないくらい売れましたし、レコード業界自体もバブリーな時期であったと思います。アメリカではヘヴィ・メタルが、白人の若者のメインで聴く音楽として認知されて、その手のバンドはコンサートではたくさんの人を集め、CDも非常によく売れて、チャートにも入ってくるという状況でしたしね。それが日本にも渡って来て、ヘヴィ・メタルがどんどん広がっていった事実はあったと思います。この本はそうした時代を、細かいデータも使うことで、説得力のある内容になっています。僕個人も読んでいて、編集長の記憶力、「こんな細かいことまで覚えているのか?」というのが非常に驚きで、感心しきりでした。
僕自身はヘヴィ・メタルに入れ込んでいたわけではなく、ルーツ・ロックですとか、ポスト・パンクなどヘヴィ・メタル以外のジャンルに興味を持っていました。当時は『MUSIC LIFE』を卒業したヘヴィ・メタル好きな人は『BURRN!』に行ったんですが、もう一方の受け皿が無かった。平社員だったんですが企画書を書いて出したら、たまたま運良く通って、1988年に『CROSSBEAT』を創刊する事になったんです。その当時、ヘヴィ・メタル以外の音楽が売れていたかと言うと、そうでもなくてレコード業界的に言うと、あまりいい状況ではなかった。その後、1990年代半ばに向けて、どんどんマーケットが良くなっていって、それを追い風にして『CROSSBEAT』もある時期から順調に回り始めました。ただ一方で、残念ながら『BURRN!』には全然勝てなかったですね。さっきも言いましたが「世界最大のヘヴィ・メタル雑誌」というように、部数も桁外れでしたしね。
当時の『MUSIC LIFE』について。ロックが多様化していって、エレクトリック・ミュージックからカントリー、シンガー・ソングライターなど幅広い所でロックは語られていたんだけど、それを全部楽しむような人がいなくなっていた。それは、ソフトの数が異様に増えていって、例えばヘヴィ・メタルだけで月に日本で数十枚出るという状況でした。みんな自分の音楽の嗜好が決まるから、他のジャンルのもの聴かなくなりますよね。そうすると『MUSIC LIFE』で、メタリカの記事があって、一方でポール・ヤングの記事があってもポール・ヤングの記事は読まない人も出てくるし。当然、その逆もあるし。ロックの総合誌という『MUSIC LIFE』の立ち位置が難しくなってきたという時期。それに呼応するような形で『BURRN!』と『CROSSBEAT』など、もうちょっと細分化した所で勝負していく雑誌が読まれるようになっていった。そういった意味で『MUSIC LIFE』の使命が少しずつ無くなっていった時代でした。

6月17日(金)発売

BURRN!叢書 30 総括:80年代ヘヴィ・メタル/ハード・ロック

BURRN!叢書 30 総括:80年代ヘヴィ・メタル/ハード・ロック

2,200円

著者:増田勇一、奥野高久

2017年3月刊

BURRN!叢書 16 80年代ヘヴィ・メタル/ハード・ロック ディスク・ガイド

BURRN!叢書 16 80年代ヘヴィ・メタル/ハード・ロック ディスク・ガイド

2,750円
ヘヴィ・メタル/ハード・ロックの黄金時代である80年代にリリースされた作品群を徹底紹介する、BURRN!編集部ならではの究極のガイドブック。

大物アーティストによる大ヒット作、歴史的名盤、王道的傑作から、人知れず埋没していったレア盤まで全832枚を網羅、“あの時代” を再検証するオールカラー永久保存版。総てのメタル・ファン必携!

2016年2月刊

CROSSBEAT Presents 80年代洋楽完全ガイド

CROSSBEAT Presents 80年代洋楽完全ガイド

1,980円
日本において最も華やかだった80年代の洋楽を丸ごと紹介した決定版です。80年から89年まで、1年毎にロック・シーンを俯瞰しつつ、データや年表などで詳細に解説した完全ヒストリー。プリンス、カルチャー・クラブ、U2、ガンズ・アンド・ローゼズからXTC、ザ・スミス、ピクシーズまで幅広いジャンルを網羅し、80年代を代表する100組を選出してその全貌に迫った究極ガイド!!
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