【MLCプレイリスト】テーマ別に往年の名曲を集めて聴く連載企画・第4回

切っても切れない映画とサントラの関係! 80年代ムービー・ソング集

テーマ別に往年の名曲を集めて聴く新企画を始めます──名付けて【MLCプレイリスト】! アーティストの来日やリリース、また季節や記念日、さらにその時々のトピック的な内容をテーマに取り上げ、10曲前後、46分を目安に往年の名曲をピックアップしていきます。

第4回目となる今回のテーマは「切っても切れない映画とサントラの関係! 80年代ムービー・ソング集」。題して “愛は吐息のように” です。
切っても切れない映画とサントラの関係! 80年代ムービー・ソング集
 
投稿:匿名希望

80年代は映画と言えば洋画、音楽と言えば洋楽というくらい日本も欧米文化の洗礼を受けていたいい時代。そんないいとこ取りのサントラが日本だけでなく、全世界でブームとなったのも80年代。そのブームのキッカケとなった映画『フットルース』やトム・クルーズの人気を決定付けた映画『トップ・ガン』などのサントラは日本でもヒットしていた。最近でも『ラ・ラ・ランド』や『トップガン・マーヴェリック』などサントラや主題歌がヒットした事例もあるほど、今も昔も映画と音楽は密接な関係にある。そんな密接な関係が愛の吐息のように甘かった80年代のムービー・ソングを取り上げてみた。音楽を聞くだけで懐かしの映画のシーンや、俳優たちの顔が思い起こされる逸品ばかりである。タイアップ・ソングと侮ることなかれ、これらの曲がなければ映画も成立していないことが、聞けば分かること間違いなし!(映画公開年は日本での公開年)

MLCプレイリスト 2022.06.22/愛は吐息のように

1. Blondie - Call Me(Original Long Version)(American Gigolo)(1980)Retrospective Soundtrack
2. Fame • Theme Song • Irene Cara
3. Flashdance - Maniac(Music Video)Shadey Biz Productions
4. Kenny Loggins - Footloose(Official Video)Kenny Loggins
5. Streets of Fire - Finale/Tonight Is What It Means to Be Young/DemiGodX
6. Survivor - The Moment Of Truth(The Karate Kid OST)HQ/Afternoon In Utopia
7. Limahl - Never Ending Story(Official Music Video)RHINO
8. Huey Lewis & The News - The Power Of Love(Official Video)hueylewisofficial
9. Kenny Loggins - Danger Zone(Official Video - Top Gun)Kenny Loggins
10. Sammy Hagar - Winner Takes It All(1987)(From The Movie "Over The Top" Soundtrack)WIDESCREEN 720p/TheManFromCabo
●Bonus Tracks
11. Cook Da Books - Your eyes

■楽曲解説

1. Blondie “Call Me”

1980年公開・映画『アメリカン・ジゴロ』より

ミスター・ダンディ、リチャード・ギアの出世作『アメリカン・ジゴロ』のメイン・テーマ。この映画によって、あのジョルジオ・アルマーニが世界的なハイ・ブランドとして名を馳せたのも有名な話。ブロンディのいつもの曲調と何となく一線を画すのは、映画音楽作曲家として人気を拍していたジョルジオ・モロダーとの共作のためか。キャッチーなこの曲は映画のヒットに比例するが如く全米や全英で1位を獲得した。この映画のおかげでブロンディの数あるヒット曲の中でも日本での認知度が一番高い。・英詞Google翻訳
商品情報
Various Artists
『American Gigolo』

Amazon Music・MP3(1980/2/8)¥1,260

2. Irene Cara “Fame”

1980年公開・映画『フェーム』より

『ミッドナイト・エクスプレス』など社会派映画で有名なアラン・パーカーが監督した青春映画『フェーム』のテーマ曲。第53回アカデミー歌曲賞を受賞したザ・映画主題歌。作曲は映画『愛と追憶の日々』でも主題歌を担当したマイケル・ゴア。歌うは主演にも抜擢されたアイリーン・キャラ。日本では「フラッシュダンス…ホワット・ア・フィーリング」のイメージが強い彼女だが、こちらの映画並びにディスコ・サウンドの主題歌で全世界に知られ、スターダムにのし上がった。・英詞Google翻訳
商品詳細
Various Artists
『Fame(Original Motion Picture Soundtrack)』

Amazon Music・MP3(1980/5/16)¥1,500

3. Michael Sembello “Maniac”

1983年公開・映画『フラッシュダンス』より

青春ダンス映画『フラッシュダンス』の挿入歌。この映画と言えばアイリーン・キャラの主題歌だろうと普通は思いますが、ドジでノロマな亀のキャビン・アテンダントが主役の当時大流行したドラマが頭をよぎってしまうので、敢えてマイケル・センベロの全米1位を獲得した出世作の方をピックアップした。筆者も英語を習いたての頃で、 “Maniac” は “マニアック” だと思っていましたが、この曲で “メイニアック” と発音するのだと覚えた方も多いのでは? 映画で仰け反って水を浴びるシーンがあるが、当時はよくお笑いのネタにされていた。それほど人気があった映画だ。・英詞Google翻訳
商品情報
Various Artists
『Flashdance:Original Soundtrack From The Motion Picture』

Amazon Music・MP3(1983/4/11)¥1,000
CD(1983/4/15)輸入盤

4. Kenny Loggins “Footloose”

1984年公開・映画『フットルース』より

青春映画『フットルース』の主題歌。この曲を含む6曲が全米でヒットしたサントラ・ブームの火付け役とも言える映画だ。マリオン別館になる前の丸の内ピカデリー最後の上演作でもある。映画自体はチープでありきたりな青春映画だが、サントラは爆発的なヒットとなった。筆者はケビン・ベーコン演じる主人公が車で田舎の高校に初登校する際に大音量でかけていたクワイエット・ライオットの「メタル・ヘルス」の方がカッコよくて印象深かった記憶がある。その当時のアナログ盤には収録されていなかったのが不思議だった(その後88年の記念盤以降追加収録されている)。・英詞Google翻訳

5. Fire Inc. “Tonight Is What It Means To Be Young”

1984年公開・映画『ストリート・オブ・ファイアー』より

ロック・アクション映画『ストリート・オブ・ファイアー』での本曲は、マイケル・パレ演ずる主人公が本曲演奏中に徐々に去っていくという、ウォルター・ヒル監督お得意の男気演出の際にかかっていて、ダイアン・レイン演じるロック・スターが歌っている。実際に歌っているのはもちろんダイアン・レインではなく、ホリー・シャーウッドと「10-9-8 恋のカウント・ダウン」がスマッシュ・ヒットしたフェイス・トゥ・フェイスのロリー・サージェントのダブル・ヴォーカル。また、このサントラからはダン・ハートマンの「あなたを夢見て」が大ヒットした。・英詞Google翻訳
商品詳細
Various Artists
『Streets Of Fire』

Amazon Music・MP3(1984/5/29)¥1,900
CD(1984/6/1)輸入盤

6. Survivor “The Moment Of Truth”

1985年公開・『ベスト・キッド』より

空手青春映画?『ベスト・キッド』の主題歌。映画『ロッキー3』の主題歌「アイ・オブ・ザ・タイガー」でヒットを博したサバイバーはヴォーカリスト、デイヴ・ビックラーが脱退して一時人気も降下したが、元コブラのジミ・ジェイミソンを新たなヴォーカリストに迎えた本作で無事黄金期へと突入することになった。相手の突きを交わす手の動きの練習で “Wax On” “Wax Off” と空手とは無関係の洗車をやらせているシーンは妙に印象深かった。空手を知っている日本人なら大体何の練習か見当がつくからだと思いますが……。
英詞Google翻訳
商品詳細
Various Artists
『The Karate Kid:The Original Motion Picture Soundtrack』

Amazon Music・MP3(2011/10/17)¥1,700

7. Limahl "Never Ending Story”

1985年公開・映画『ネバーエンディング・ストーリー』より

ファンタジー映画『ネバーエンディング・ストーリー』の主題歌。作曲は映画作曲家として当時人気を誇ったジョルジオ・モロダーで、歌うは80年代イギリスの超人気バンド、カジャグーグーの元ヴォーカリスト、リマール。映画の監督は当時『U・ボート』で高評価を得ていたドイツ人監督、ウォルフガング・ペーターゼン。内容自体は中学生が学校行事として映画鑑賞するような品行方正なファンタジーではあったが、日本でも子供〜大人まで楽しめる映画としてヒットした。映画より主題歌の方が受け継がれている映画主題歌の王道とも言える曲だ。
英詞Google翻訳
商品詳細
Klaus Doldinger & Giorgio Moroder
『The Never Ending Story』

Amazon Music・MP3(2009/11/2)¥1,400

8. Huey Lewis & The News “The Power Of Love”

1985年公開・『バック・トゥ・ザ・フューチャー』より

人気SF映画シリーズ第1弾『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主題歌。劇中に登場するタイムマシン「デロリアン」に乗ってるかの如く軽快なヒット・ナンバーだ。ヒットメイカー、スティーヴン・スピルバーグの製作総指揮による映画なので、ハズレなしと思われていたが、その予想をいい意味で大きく裏切り世界中で大ヒットし、80年代最高傑作の一つと称されるほどの映画になった。また、劇中で見せるマイケル・J・フォックスのギター演奏がエディ・ヴァン・ヘイレンを彷彿させるもので、当時のギター・キッズ達にも注目された。
英詞Google翻訳
商品詳細
アラン・シルヴェストリ
『バック・トゥ・ザ・フューチャー - オリジナル・サウンドトラック』

CD(2002/5/2)¥1,200

9. Kenny Loggins “Danger Zone”

1986年公開・映画『トップガン』より

アクション映画『トップガン』の主題歌。プロレス・ファンには全日本プロレスのいぶし銀レスラー、渕正信の入場曲としてもお馴染みだ。ミスター・サントラの異名をとったケニー・ロギンスの本曲より、当時はベルリンの「愛は吐息のように」の方が話題に上ったもの。また、ハロルド・フォルターメイヤー&スティーヴ・スティーヴンスによるインスト・ナンバー「トップガン〜賛美の世界〜」はその後多くのギタリスト達のギター・インストの教科書的な役割を担った。『フットルース』のようにこの映画のサントラも大ヒットした。
英詞Google翻訳
商品詳細
Various Artists『トップガン オリジナル・サウンドトラック』
Amazon Music・MP3(1986/5/13)¥1,800
CD(2018/12/5)¥854[期間生産限定盤]

10. Sammy Hagar “Winner Takes It All”

1987年公開・映画『オーバー・ザ・トップ』より

アーム・レスリング映画『オーバー・ザ・トップ』の主題歌。本作にも出演し、三銃士時代の新日本プロレスの外人エースとして活躍したスコット・ノートンの入場曲としてもお馴染みだ。当時ヴァン・ヘイレンに加入していたサミー・ヘイガーのソロ作。タイミング的なのかベースにエディ・ヴァン・ヘイレンが参加している。日本のテレビ番組でも筋肉がらみのコーナーのBGMとしてよくかかっているので、一度は耳にしたことがあるはずだ。映画には伝説のレスラー、テリー・ファンクも出演しているので、プロレス・ファンにはマスト映画だ。
英詞Google翻訳
商品詳細
Various Artists
『オーバー・ザ・トップ オリジナル・サウンドトラック』

Amazon Music・MP3(1987/2/13)¥1,800
CD(2018/12/5)¥951[期間生産限定盤]

■ボーナス・トラック

11. Cook Da Books “Your eyes”

1983年公開・映画『ラ・ブーム2』より

フランス映画『ラ・ブーム2』の主題歌。82年に公開された『ラ・ブーム』主題歌「愛のファンタジー」も日本でヒットした。主演のソフィー・マルソーは物凄く群を抜いて可愛かったので、今の広瀬すずや橋本環奈並みに日本で人気があった。ソフィー自身が出演したカゴメのジュースのCMでもかかっていたので、この曲を覚えているという諸氏もいるはず。筆者も多感な頃大ファンだったが、映画はキス・シーンが多く、ガッカリ感がハンパなかった……。・英詞Google翻訳
商品詳細
ヴラディーミル・コスマ
『La boum 2(Bande originale du film de Claude Pinoteau)』

Amazon Music・MP3(2014/12/31)¥1,200

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こうやってもう一度聞いて目を瞑ってみると、あの映画のワン・シーンが思い起こされる、そんな映画と密接していたムービー・ソングをピックアップしてみた。最近は洋画でもそこまでの人気作がなく、洋楽も元気がないので、80年代に流行した曲に比べるとパンチがないかもしれない。でも映画と音楽は今でも密接な関係で、CMで映画の映像が流れる際、BGMとして主題歌がかかっていると、ワクワクしてくるでしょう。今回は取り上げられなかったが、他にも『愛と青春の旅だち』『セント・エルモス・ファイアー』『レス・ザン・ゼロ』などたくさんの名作・名主題歌があります。個人的には『コブラ』『ランボー』などシルベスター・スタローンの映画にハマっていたので、それらの主題歌や『ダーティー・ハリー4』のガンズの曲など変化球ももっと織り交ぜたかったです。次の機会があれば是非取り上げてみたいです!
80年代は、MTVがスタートしてプロモーション・ビデオが当たり前に作られ始めた時代。映画会社にしてみればうってつけのメディアが生まれたわけで、そりゃ各社一斉に参入しますよね。有名ミュージシャンにテーマソングを依頼しレコード会社とタイアップしてヒット作品を生み出していく──このビジネスモデルが一旦確立されると、あとはもうそのシステムで映画も音楽も次から次へとヒット作が! そういえば『ミュージック・ライフ』も一番キラキラしている時代でした。映画からのちょっとしたシークエンスも含まれているため少々長めの54分45秒、いかがでしたでしょうか。


ということで、ではまた第5回に。一般の方からの投稿も受け付けておりますので、まずはテーマとその10曲をこちら(mailmagazine@musiclifeclub.com)までお送りください。追ってこちらから原稿発注いたします(残念ながらノーギャラです)。ということで次回もどうぞお楽しみに!

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