「ロックンロールの女王」、ティナ・ターナーが83歳で死去

「ロックンロールの女王(Queen of Rock’n’Roll)」として知られた歌手で女優のティナ・ターナー(Tina Turner)が5月24日、83歳で死去しました。ターナーは2016年に腸ガンと診断され、2017年には腎臓移植の手術を受けていました。

家族が訃報を伝えており、ターナーはスイスのチューリッヒ近郊にある自宅にて、長い闘病生活の末、安らかに息を引き取ったそうです。

1939年にアンナ・メイ・ブロック(Anna Mae Bullock)としてテネシー州ブラウンズヴィルで生まれたターナーは、幼い頃から教会でゴスペルを歌い、高校卒業後は看護助手として働いていました。

1950年代半ば、セントルイスのジャズ・クラブに通い始めたターナーは、後の夫アイク・ターナー率いるザ・キングス・オブ・リズムのパフォーマンスを目にするようになり、1957年のある晩、彼らのショウでB.B.キングの「You Know I Love You」を歌ったことを機に、バンドのレギュラー・パフォーマーとして出演するようになりました。

その後、1960年にティナ・ターナーとしてデビューした彼女は、アイクとデュエットした「A Fool in Love」をリリースし、同曲がヒットした二人は、1962年に結婚しました。

アイク&ティナ・ターナーは60年代~70年代にかけて、CCRのカヴァー「Proud Mary」や、ビートルズのカヴァー「Come Together」「Get Back」、ティナが書いた「Nutbush City Limits」をはじめとする数々のヒット曲を連発し、ローリング・ストーンズ1969年のUSツアーで前座を務め、エド・サリヴァン・ショウに出演するなど、音楽的パートナーシップは大成功をおさめていましたが、私生活ではアイクが長年にわたり、ティナを身体的、精神的、経済的に虐待していました。

ティナは2018年に出版した回顧録『My Love Story』の中で、アイクから顔に熱いコーヒーをかけられ、最も深いIII度のやけどを負ったことや、サンドバッグ代わりに鼻を何度も殴られ、歌いながら鼻血が喉を流れたこと、顎の骨を折られ、常に目の周りに黒いアザを作り、自殺未遂にまで追い込まれたことを綴っていました。

1976年にアイクとの離婚を申請したティナは、1978年に離婚が成立したものの、アイクは離婚手続きの過程でティナに嫌がらせと脅迫を続け、アイクが二人の契約や音楽出版権、金銭のすべてを管理していたため、収入源を失ったティナと4人の息子は、生活保護者に支給されるフードスタンプに頼る生活を強いられていました。

離婚後のティナは、数年間キャリアが低迷した時期もありましたが、1984年にソロ・アルバム『Private Dancer』を発表し、カムバックを果たしました。初のNo.1ヒット曲「What’s Love Got to Do With It」(邦題「愛の魔力」)を生み出した同作は、5回プラチナに認定され、1985年のグラミー賞で4部門を受賞しました。

また1985年には、メル・ギブソン主演の映画『Mad Max Beyond Thunderdome』(邦題『マッドマックス/サンダードーム』に出演し、女優として活躍したほか、ティナが歌った主題歌「We Don't Need Another Hero(Thunderdome)」も大ヒットしました。

翌1986年のアルバム『Break Every Rule』からは、リード・シングル「Typical Male」がUSチャートの2位を記録し、このアルバムもプラチナに認定されています。

その後、1999年に発表した『Twenty Four Seven』が最後のスタジオ・アルバムになり、2000年に行なった同アルバムのツアーで引退を発表しましたが、2008年のグラミー授賞式でパフォーマンスを披露し、2008年~2009年に行なった50周年記念ツアー「Tina!:50th Anniversary Tour」で完全にステージから去りました。

なお、ティナはキャリアにおいてグラミー賞を8度受賞し、3曲が「グラミーの殿堂」入りを果たしました。また、1991年にはアイク&ティナ・ターナーとして、2021年にはソロ・アーティストとして「ロックの殿堂」入りを果たし(2021年11月2日MLCニュース)、新ドキュメンタリー『TINA』も公開されました(2021年3月12日MLCニュース)。2005年にはケネディ・センター名誉賞を受賞しています。

ティナの訃報を受け、多くのミュージシャンが追悼メッセージを寄せており、ミック・ジャガーは次のように綴っています。
「僕の素晴らしい友人、ティナ・ターナーの訃報にとても悲しんでいます。彼女は本当に素晴らしい才能のあるパフォーマーでありシンガーでした。彼女はインスピレーションを与え、温かく、面白く、寛大な人でした。僕が若かった頃、彼女からとても助けられ、彼女を決して忘れることはありません」

Tina Turner Dies: Rockers React

安らかなる眠りをお祈りいたします。
商品詳細
アイク&ティナ・ターナー
『爆発するソウル!カーネギー・ホールのアイク・アンド・ティナ』
(紙ジャケット仕様)限定版

CD(2018/10/10)¥2,715
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ティナ・ターナー 
『Break Every Rule』(2022 Remaster)

Amazon Music・MP3(2022/11/25)¥2,000
・3CDs+2DVDs(2022/11/25)輸入盤
2CDs(2022/11/25)輸入盤
LP(2022/11/25)輸入盤
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ティナ・ターナー
『プライヴェート・ダンサー』


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ティナ・ターナー
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