【スペシャル・インタヴュー】
ヴィンテージ・トラブル来日インタヴュー! 「バンドは強くなった。さあここからだ!」
取材・文◉内本順一 協力◉ビッグ・ナッシング

それに先立つことひと月前、5月には東京での単独公演と横浜でのフェス出演のために来日していました。今回のインタヴューはその際に取られたもの。結成から13年、前作から8年、磨き上げ・鍛え上げられたサウンド同様、取材ではまったくブレることのない目線をそのまま言葉にしてくれています。



とりわけ最後に収録された「リピーティング・ヒストリー」は、何年経っても繰り返される差別や暴力、それに対する絶望と怒りを歌った重要曲だ。が、かといってヘヴィーな曲ばかりが並んでいるというわけでもなく、勢いのいいゴスペル風ロックンロール・ナンバー「ユー・オールレディ・ノウ」、ブルーノ・マーズあたりにも通じるポップR&Bの「ベイビー・ホワット・ユー・ドゥー」、ブルーズ的なギター・フレーズとファンク的なノリとがポップな感触で合わさった「シャイニン」など、明るさやドライヴ感を有した曲もある。「ノット・ザ・ワン」や、レディ・ブラックバードとのデュエット「ザ・ラヴ・ザット・ワンス・リンガード」のようなソウルバラッドも胸に沁みる。
●プレイリスト/『ヘヴィー・ヒムナル』[11曲]

「おとなしく待機している間にも自分なりのテンションを整えてそれを保たせることが難しかった。それを可能にするには互いの信頼が何より重要で、だから今回の制作によって絆がまた深まったとも言えるかな」


結成から13年目で、新たなやり方を学び、新たな代表作をものにすることができた4人。
「継続は力なりじゃないけど、13年続けてきた分、バンドは強くなった。さあここからだ!って感じだね」
(リック・バリオ・ディル/ベース)

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ハリウッドのブルース/ファンク・ロッカー、ヴィンテージ・トラブルのサード・アルバムが完成。世界の現状に焦点を当てた重い賛美歌のコレクション『ヘヴィー・ヒムナル』、リリース。
●ゲスト:レディ・ブラックバード
●ヴィンテージ・トラブル(Vintage Trouble)は、リード・シンガーのタイ・テイラー(Ty Taylor)、ギタリストのナル・コルト(Nalle Colt)、ベーシストのリック・バリオ・ディル(Rick Barrio Dill)、ドラマーのリチャード・ダニエルソン(Richard Danielson)で構成される。ジェイムズ・ブラウン(James Brown)、ミック・ジャガー(Mick Jagger)、ブルーノ・マーズ(Bruno Mars)、プリンス(Prince)の良いところを取り入れたTタイは、同世代で最も優れたフロントマンの一人として広く知られている。彼らの最新アルバム『Heavy Hymnal』は、バンドのトレードマークであるブルース/ファンク・ロック・スタイルで世界の現状に焦点を当てた作品で、同じロサンゼルス出身のジャズ/ソウル・シンガー、レディ・ブラックバード(Lady Blackbird)がヴォーカルでゲスト参加している。歴史が証明するように、世界が炎に包まれたとき、共感するアーティストが言葉、音楽、リズムに火をつけ、社会の怒りを覆い、傷ついた魂を看護する。パンデミックによる封鎖と社会との距離、そして市民運動と人種的不公正という激動する疫病が、ヴィンテージ・トラブルに戦闘服への着替えを求めた。これまで何度もそうしてきたように、彼らはレコードを紡いで戦場に投下し、戦乱の世を一瞬で止めることを意図している。そして、安心している間に、私たちは、同じ歴史を繰り返すために軽率に突撃するのではなく、攻撃する前に考えたり、撤退を決めたりすることを自由に選ぶことができる。この重い賛美歌のコレクションは心からのもので、私たちのこれまでの報いの清算に必要な上昇を提供するのだ。
●2010年にハリウッドで結成されたヴィンテージ・トラブルは、伝説的な音楽マネージャー、ドク・マッギー(Doc McGhee)によって、直ちに世界のステージに立つことになった。『Later with Jools Holland』でのパフォーマンスが高く評価され、世界で6番目のトレンド・トピックとなり、デビュー・アルバム『The Bomb Shelter Sessions』はAmazonのUKチャートで1位を獲得した。そこから、ローリング・ストーンズ(Rolling Stones)、AC/DC、ザ・フー(The Who)、ボン・ジョヴィ(Bon Jovi)、デイヴ・マシューズ(Dave Matthews)、ブライアン・メイ(Brian May)、ガヴァメント・ミュール(Gov’t Mule)、パロマ・フェイス(Paloma Faith)、レニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)等のアーティストと共に、何度も世界中を回るツアーをスタートさせた。また、コーチュラ(Coachella)、グラストンベリー(Glastonbury)、ロラパルーザ(Lollapalooza)、ロック・イン・リオ(Rock in Rio)、バイロン・ブルース・フェスティヴァル(Byron Bay Blues Festival)、ボナルー(Bonnaroo)、ライフ・イズ・ビューティフル(Life is Beautiful)等、世界中の主要フェスティヴァルのメイン・ステージでプレイし、『Classic Rock』誌の「Best New Band」にも選出された。バンドは、『David Letterman』『Conan O'Brien』『Craig Ferguson』『Jimmy Kimmel』などの世界中の大きなテレビ番組に出演。『Tonight Show with Jay Leno』では1年間に4回の出演という記録も持っている。その後、バンドはドン・ウォズ(Don Was)のブルーノート(Blue Note)と契約し、セカンド・アルバム『1 Hopeful Rd.』を2015年にリリース。2018年にはEP『Chapter II - EP1』、2019年には『Chapter II - EP II』を発表した。また、バンドは、ホンダ、IBM、スーパーカッツ、ジョン・バルベイトス等、映画やCMで大きくフィーチャーされている。
■More info:Big Nothing
■アルバム情報
ヴィンテージ・トラブル『ヘヴィー・ヒムナル』
Vintage Trouble/Heavy Hymnal
ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ
世界同時発売、解説/歌詞/対訳付(予定)、日本盤ボーナス・トラック収録(予定)

ヴィンテージ・トラブル
『Heavy Hymnal』
Amazon Music・MP3(JUN 23 2023)¥1,800
2. You Already Know
3. Not The One
4. Baby What You Do
5. Feelin’ On
6. The Love That Once Lingered(feat. Lady Blackbird)
7. Alright Alright
8. Holla!
9. Shinin’
10. Repeating History
※他、日本盤ボーナス・トラックを追加収録(予定)


ヴィンテージ・トラブル
『華麗なるトラブル』
・Amazon Music・MP3(AUG 14 2015)¥1,900
・CD(2015/8/12)¥2,206

ヴィンテージ・トラブル
『Juke Joint Gems』
Amazon Music・MP3(OCT 15 2021)¥1,600
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![ブルース・ロック・アンソロジー[ブリティッシュ編]](https://www.musiclifeclub.com/global-image/units/img/387591-5-20191112135402_b5dca3aea6b2ff.jpg)
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