ポール・マッカートニー、ポッドキャストでジョン・レノンとの出会いについて語る

「ジョン・レノンを初めて見たのは、彼がバスに乗っていた時だった。グリースをたっぷり塗ったロッカーみたいな髪型で、黒いジャケットを着て、もみ上げがあって、僕より少し年上みたいな感じだった。“誰だか知らないけど、クールな男だ” と思ったのを覚えているよ。

僕が人と話すと、“趣味は何？” とか “何をするのが好き？” って訊かれるから、必然的に “何曲か書いた” って答えると、相手は “ああ” って言うんだよね。で、僕らもそういうやり取りをして会話を続けたんだけど、ジョンに “何曲か書いた” って言ったら、“俺も書いた” って言ったんだ。そこで単なるおしゃべりが終わって、“じゃ、キミの曲を聴かせてよ。僕の曲も聴かせるから” って話になって、僕らは集まり始めたんだ。

彼にそんなことを言ったのは、おそらく僕が初めてだったと思うよ。それが僕らの関係の始まりだった。通常は僕の家に集まることにしたんだけど、父がいつも引き出しの中にパイプを置いてたから、僕らは紅茶を飲む時にパイプの中に茶葉を詰めて吸ってたんだ（笑）」

なお、この番組は、各エピソードでポールの楽曲1曲に焦点をあて、マッカートニーが詩人のポール・マルドゥーンと、自身のソングライティングに影響を与えた人々、経験、アートについて対談するというものです。

今回、エピソードのタイトルになった「Here Today」は、ポールがジョン・レノンの死後初めてリリースした1982年のソロ・アルバム『Tug of War』に収録されており、ポールはジョンとの想像上の対話を基に作詞しています。