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クイーン、ファン投票で選ばれたベスト・ライヴ・コンピ『絆(KIZUNA)』アルバム解説

クイーンの、日本のファンが選んだ来日記念スペシャル・ベスト・ライヴ・アルバム『絆(KIZUNA)』は本日1月31日リリース。ここでは本作に収録された、引用元のライヴ盤や各楽曲の背景について解説します。
文◉吉田聡志(クイーン・コンシェルジュ/シンコーミュージック)

2024年の来日記念盤『絆(KIZUNA)』は、日本のファンが選んだスペシャル・ベスト・ライヴ・アルバムです。クイーンの過去6枚のライヴ・アルバムの収録曲(全150曲)を対象にファン投票によって決定した上位16曲によって構成されています。

結果、上位曲は1979年のジャズ・ツアーから収録され、初のライヴ・アルバムとしてリリースされた『ライヴ・キラーズ』、1982年のホット・スペース・ツアーからイギリスのミルトン・キーンズで収録された『オン・ファイアー』、そして1986年、マジック・ツアーのハイライト公演とも言える『ライヴ・アット・ウェンブリー・スタジアム』の3枚のからのセレクトになりました。初期のレインボー、ハマースミス・オデオンでのライヴ、マジック・ツアーからの編集盤『ライヴ・マジック』からは、セレクトされていません。

そして、ファン投票、第1位に輝いたのは、「愛にすべてを」です。オリジナル・アルバムのファン曲投票でも1位を獲得したので2連覇になります。ライヴは『オン・ファイアー』からのテイクで、絶好調のフレディのヴォーカルと盛大なシンガロングを聴くことができます。2位は、なんとブライアン作の「‘39」。ライヴでは、メンバー全員がステージ前に出てアコースティック・セットで披露されるナンバーですが、収録された『ライヴ・キラーズ』からのテイクでは、ブライアンでなくフレディがヴォーカルをとっています。そして、ライヴでのハイライト・ナンバー「ウイ・ウィル・ロック・ユー」と「伝説のチャンピオン」のメドレーは、年代の異なるライヴ・テイクが選ばれていますので、ちょっとしたタイムスリップ感が味わえるかもしれません。また、収録曲後半では、スタジオ・テイクをライヴならでの大胆なアレンジで聴かせる「ステイング・パワー」、マジック・ツアーではエンディング近くに演奏され、より印象の強かった「心の絆」が選ばれていることにも注目です。そして、今回16位に入った「セイヴ・ミー」がライヴ・アルバムの最後を感動的に締めくくってくれます。

そして今回、人気投票に参加してくださった方々から抽選で600名の方のお名前がCDブックレットに記載されるとのこと。こちらもファンには嬉しい企画ですね。
1. 愛にすべてを(Mercury)【オン・ファイアー/クイーン1982(2004)より】
2. ’39(May)【ライヴ・キラーズ(1979)より】
3. ドント・ストップ・ミー・ナウ(Mercury)【ライヴ・キラーズ(1979)より】
4. ボヘミアン・ラプソディ(Mercury)【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(2011)より】
5. 永遠の翼(Deacon)【ライヴ・キラーズ(1979)より】
6. RADIO GA GA(Taylor)【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(2011)より】
7. ウイ・ウィル・ロック・ユー(May)【ライヴ・キラーズ(1979)より】
8. 伝説のチャンピオン (Mercury)【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(2011)より】
9. キラー・クイーン(Mercury)【ライヴ・キラーズ(1979)より】
10. ONE VISION - ひとつだけの世界 - (Queen)【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(2011)より】
11. ラヴ・オブ・マイ・ライフ(Mercury)【ライヴ・キラーズ(1979)より】
12. ハマー・トゥ・フォール(May)【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(2011)より】
13. ステイング・パワー(Mercury)【オン・ファイアー/クイーン1982(2004)より】
14. カインド・オブ・マジック(Taylor)【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(2011)より】
15. 心の絆(Mercury/Deacon)【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(2011)より】
16. セイヴ・ミー(May)【オン・ファイアー/クイーン1982(2004)より】

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『クイーン全曲ガイド2 ライヴ&ソロ編 』より抜粋

文◉石角隆行(クイーン研究家)


『オン・ファイアー/クイーン 1982』より

1. 愛にすべてを
13. ステイング・パワー
16. セイヴ・ミー

新アルバム『ホット・スペース』は、このコンサートの約2週間前にリリースされたが、その評判は賛否両論だった[※編注:1982年当時。]。どちらかというとネガティヴな反応が多く、MCでフレディは「ファンクだとかブラック・ミュージックだとか言われているけど、俺たちはロックン・ロール精神を失ってない! たかがレコードじゃないか!」と新アルバムへの批判を撥はねつけ、「ステイング・パワー」に突入する。[中略]この勢いをキープして「愛にすべてを」に移る。フレディの声は日によって波があって、やや安定に欠ける、実はガラスの喉なのだ。もちろん調子が悪い日でも最善を尽くしてはいる。ところがこの1982年のコンサートでは、殆どの会場で声の調子は安定している。特にこのミルトン・キーズでは絶好調で、なかでも「愛にすべてを」はピークを極めたと言っても過言ではない、圧巻のヴォーカル・パフォーマンスを披露した。後半の“Find me somebody to love”の前のヴォーカル・インプロヴィゼーションは、アレサ・フランクリンが降臨したのかと見紛うばかり。クイーンの数ある「愛にすべてを」のパフォーマンスの中でも、この日がベスト・アクトであろう。


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『ライヴ・キラーズ』より

2. ’39
3. ドント・ストップ・ミー・ナウ
5. 永遠の翼
7. ウィ・ウィル・ロック・ユー
9. キラー・クイーン
11. ラヴ・オブ・マイ・ライフ

[※編注:1979年4〜5月の]日本公演の興奮冷めやらぬ中、クイーン初のライヴ・アルバム『ライヴ・キラーズ』が2枚組LPとしてリリースされた。既に7枚のオリジナル・アルバムを発表しているが、意外にもライヴ盤は出されておらず、当時の他の欧米のバンドに比べても珍しい。これは彼らがコンサートとスタジオ・アルバムは別のものと切り離して考えていたことが大きな理由だ。しかしTVやラジオのライヴ放送の音源や、会場にレコーダーを持ち込んで無断録音した音源などから不正に作られたブートレグ(海賊盤)が横行した。業を煮やしたレコード会社は正規のライヴ音源発売をクイーン・プロダクションに懇願する。経営の根幹を揺るがしかねない事態でもあり、メンバーも重い腰を上げた。録音は1979年1月〜3月に行なわれたヨーロッパ・ツアー内で行なわれた。いくつかの会場にモバイル録音ユニットを持ち込み、各曲の最も優れた録音状態の音源をセレクト。中には、ひとつの曲の中に複数の会場の音源を違和感なく編集&ミックスしたものもあった。『ライヴ・キラーズ』に先行して、日本でのみ「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」のライヴ・ヴァージョンのシングル発売が決まった。

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『クイーン・ライヴ!! ウェンブリー1986』より

4. ボヘミアン・ラプソディ
6. RADIO GA GA
8. 伝説のチャンピオン
10. ONE VISION - ひとつだけの世界
14. カインド・オブ・マジック
15. 心の絆
12. ハマー・トゥ・フォール
『ライヴ・アット・ウェンブリー・スタジアム』には、7月12日ウェンブリーの模様が収められているが、2011年9月5日にリリースされた25周年記念盤には7月11日と12日のライヴ音源CDが収録された。

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1977年の北米ツアー以来、コンビを保ち続けてきた不動の流れが本ツアーで遂に崩れた。「ウィ・ウィル・ロック・ユー」と「伝説のチャンピオン」の間に新曲「心の絆」が挟み込まれたのだ。この曲が初めて演奏されたのは、ツアー2日目の6月11日のオランダ・ライデン公演。この時点ではフル・コーラスで演奏されていたが、さすがに長過ぎたのか14日のパリ公演から短いヴァージョンに変わっている。
なお、人気投票のTOP 20は以下の通り。
1. 愛にすべてを
【オン・ファイアー(2004)より】
2. ’39
【ライヴ・キラーズ(1979)より】
3. ドント・ストップ・ミー・ナウ
【ライヴ・キラーズ(1979)より】
4. ボヘミアン・ラプソディ
【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(2011)より】
5. 永遠の翼
【ライヴ・キラーズ(1979)より】
6. RADIO GA GA
【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(2011)より】
7. ウィ・ウィル・ロック・ユー
【ライヴ・キラーズ(1979)より】
8. ボヘミアン・ラプソディ
【ライヴ・キラーズ(1979)より】
9. 伝説のチャンピオン
【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(2011)より】
10. キラー・クイーン
【ライヴ・キラーズ(1979)より】
11. ONE VISION - ひとつだけの世界 -
【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(2011)より】
12. ラヴ・オブ・マイ・ライフ
【ライヴ・キラーズ(1979)より】
13. ラヴ・オブ・マイ・ライフ
【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(2011)より】
14. ハマー・トゥ・フォール
【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(2011)より】
15. ステイング・パワー
【オン・ファイアー(2004)より】
16. ウィ・ウィル・ロック・ユー(Fast)
【ライヴ・キラーズ(1979)より】
17. カインド・オブ・マジック
【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(2011)より】
18. 心の絆
【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(2011)より】
19. ウィ・ウィル・ロック・ユー
【クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986(1992)より】
20. セイヴ・ミー
【オン・ファイアー(2004)より】
〈ブライアン・メイのコメント〉
「ハロー、親愛なる日本のファンのみなさん、お元気ですか。たくさんの投票を本当にどうもありがとう。みなさんが投票してくれた結果には、改めて驚きました。このリストは、日本のファン独特の好みをとてもよく反映していると思います。この半世紀にわたって、みなさんと培ってきた特別な絆を表していると思います。

2023年も終わりに近づいてきました。紅白のステージで、みなさんと盛大にロックして、新しい年を迎えたいと思います。そして、日本のコンサートで、お会いしましょう!!」

〈ロジャー・テイラーのコメント〉
「日本のファンのみなさん、いつも熱い声援をどうもありがとう。そして、投票してくれたみんな、本当にどうもありがとう。こうした日本のファンの投票の結果にはいつも驚かされてきましたが、今回も同じく驚かされました。このリストは、みなさんが何年にもわたって私たちの音楽を聴き、愛してくれていることを証明しています。このようなセットリストのショーは少し珍しいように思えますが、それは本当にドラマチックになるでしょう。これは私たちとみなさんにとって本当の「絆」のアルバムです。

楽しいクリスマスと素晴らしい新年をお過ごしください! 2月のツアーでまた会えるのを楽しみにしています!」
■QUEEN + ADAM LAMBERT - THE RHAPSODY TOUR -

2024年2月4日(日)愛知 バンテリンドーム ナゴヤ
2024年2月7日(水)大阪 京セラドーム大阪
2024年2月10日(土)北海道 札幌ドーム
2024年2月13日(火)東京 東京ドーム
2024年2月14日(水)東京 東京ドーム

〈問〉クリエイティブマン 03-3499-6669
企画/制作・招聘:クリエイティブマンプロダクション

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監修●クイーン・コンシェルジュ=吉田聡志
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MUSIC LIFE CLUB Presents クイーン・オブ・マイ・ライフ ファンによるファンのためのファンブック

企画・監修:クイーン・コンシェルジュ=吉田聡志

予価: 2,750円 (本体 2,500円+税)
2024年2月2日発売予定/A5判/208ページ予定/2024年2月2日発売

発行:株式会社シンコーミュージック・エンタテイメント

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