ブライアン・ウィルソンの妻、メリンダ・ウィルソンが77歳で死去

ビーチ・ボーイズの創設者ブライアン・ウィルソンの2番目の妻で、長年マネージャーを務めたメリンダ・レッドベター・ウィルソン（Melinda Ledbetter Wilson）が1月30日、77歳で死去しました。

ブライアンがSNSで訃報を伝えています。

「悲しみに打ちひしがれています。28年間連れ添った最愛の妻メリンダが今朝亡くなりました。5人の子供達と私はただ涙を流し、途方に暮れています。メリンダは妻以上の存在で、私の救世主でした。彼女は、私にキャリアを築くための精神的な安心感を与え、私の心に最も近い音楽を作るよう励ましてくれました。僕の心の支えであり、私たちのすべてだったのです。彼女のために祈りを捧げてください。Love & Mercy（愛と慈悲）ブライアン」

メリンダは1946年にコロラド州プエブロで生まれ、1986年にキャデラックの販売店で働いていた時に来店したブライアンと知り合い、二人は間もなく個人的な関係を築きました。しかしながら、当時のブライアンは長年にわたる薬物依存のリハビリを経験し、継続的な精神衛生上の問題により24時間精神科医の治療を受け、人生で最も困難な局面に苦しんでいました。

二人の関係は、ブライアンのセラピストから阻止されましたが、1991年にセラピストが治療を中止した後、メリンダがブライアンのケアを引き継ぎ、ブライアンの人生を好転させました。1979年に最初の妻と離婚していたブライアンは、1995年にメリンダと結婚、その後1999年にブライアンのマネージャーになったメリンダは、長年棚上げになっていたアルバム『Smile』を完成させ、ツアーに出るようブライアンを説得し、同作は2004年に『Brian Wilson Presents Smile』のタイトルでリリースされました。

メリンダは、2007年の『ワシントン・ポスト』紙とのインタヴューで次のように語っています。

「私は彼を助けるために、適切な時に適切な場所にいたのです。それは、馬を水辺まで連れて行くことは出来ても、水を飲ませることは出来ないという概念に似ています。彼が失っていたのは安心できる環境で、彼が家族や昔のバンド、医師、最初の妻とは築けないものでしたが、彼はようやくそれを手に入れたのです」

なお、2014年にはブライアンの伝記映画『Love and Mercy』（邦題「ラヴ＆マーシー 終わらないメロディー」）が公開され、二人の関係を描いた80年代の部分は、主にメリンダが脚本家のオーレン・ムーヴァーマンに語った内容に基づいているそうです。

安らかなる眠りをお祈りいたします。