マーヴィン・ゲイ、ベルギーで40年以上前に録音した未発表デモ発掘

英BBCによると、マーヴィン・ゲイ(1984年没)が40年以上前にカセットに録音した60曲以上もの未発表デモ音源が、ベルギーで発見されたそうです。
ゲイはロンドンに住んでいた80年代初頭、ベルギー人のコンサート・プロモーターとの出会いを機に、ベルギーの海沿いの町オースデンテに移住し、コカイン依存症から立ち直り、代表曲の一つ「Sexual Healing」(1982年『Midnight Love』収録)をレコーディングしました。

当時のゲイは一時期、地元のミュージシャン、チャールズ・デュモリンの家に住んでおり、デュモリンはゲイから大量のステージ衣装やノート、カセットなどを贈られ、その中にゲイがベルギーで録音した60曲以上のデモを収録したカセットテープが含まれていましたが、デュモリンが2019年に他界し、現在はデュモリンの家族の手に渡っています。

しかしながら二人が他界しているため、“贈り物” とされる話の信憑性が疑問視されると同時に、未発表音源の法的権利がどこにあるかということが焦点になり、デュモリンの家族の弁護士は、その未発表音源の中に、世界的ヒットになる曲があるかもしれないとしつつ、BBCに次のように語っています。

「それらは家族のものです。42年前にベルギーに残されたものですからね。マーヴィンが彼らに渡し、“好きなようにしてくれ” と言い、彼は二度と戻って来ませんでした。そこが重要なのです」

「私は、(カセットで)マーヴィンが歌い出すたびに番号を付け、最終的に30本のテープを聴き終えると、66曲のデモがありました。そのうち何曲かは完成していて、中には “Sexual Healing” と同じくらい素晴らしいものがありました。同じ時期に作られていますから」

ベルギーには、どんな財産であれ、それをどのように取得したとしても、30年後にはその所有者になれるという法律があり、デュモリンの家族が所有者になる可能性は高いようですが、知的財産には適用されないため、楽曲を出版する権利はありません。

同弁護士は、ゲイの未発表曲を完成させ、リリースすることについて、ゲイの遺産管理団体と合意に達したい意向を示していますが、ゲイの遺族は、彼の作品が正当な補償なく他人に利用されていると感じた場合、マーク・ロンソンのサンプリング問題のように訴訟を起こす傾向にあるため、これらの未発表曲が日の目を見るまでには、長く複雑な闘いが続く可能性があるようです。
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