〈以下、メイカー・インフォメーションより〉

ロック・レジェンドのブルース・スプリングスティーンが療養中のジェシー・マリンに捧げる楽曲カバー「She Don’t Love Me Now」を公表。

米ロック界の “ボス” ことブルース・スプリングスティーンが、元ハート・アタック／D・ジェネレーションのロックシンガー、ジェシー・マリンの「She Don’t Love Me Now」をカヴァー。9月20日には、同曲を含む、さまざまなアーティストによるジェシーの楽曲をカヴァーした、トリビュート＆ベネフィット・アルバム『Silver Patron Saints：The Songs Of Jesse Malin』もリリースされる。アルバムの収益は、すべてマリンの “Sweet Relief Artist Fund” に寄付される。

「僕たちがオリジナルを録音したとき、ブルースは僕たちが憧れていたスタックス・ソウル的なものをこの曲に与えてくれました。僕にはとても現実とは思えない出来事です」とマリンは語る。オリジナルは、彼の2015年のアルバム『New York Before The War』のために録音されたもの。2024年版のこのカヴァー・ヴァージョンでは、スプリングスティーンがジェシーのバンドをバックに引き連れ、ジェイク・クレモンズがサックスで参加する。

「ブルースの寛大さ、誠実さ、サポートは、彼のソングライティングやパフォーマンスと同等にパワフルなものです」とマリンは語る。2007年、スプリングスティーンは、マリンが亡き母のために書いた曲「Broken Radio」でマリンとデュエット。「ブルースは男の中の男です。彼は話すように歩きます。一緒にいると、何年も前から知っているような気になります。クイーンズにいる私の友人のように、シナトラ、ザ・クラッシュ、ザ・ポーグスの話をしながら座っています。彼には人生に対する情熱と興奮が備わっています」

マリンはこう続ける。「アルゼンチンの病院で僕が回復に務めていたとき、僕の友人やこのアルバムのプロデューサーたちが、僕の曲のカヴァー集を作るために、こんなに多くの素晴らしいアーティストたちに声を掛けてくれたとは、思いもしませんでした。これらのカヴァーを聴いたとき、中でも “She Don’t Love Me Now” を耳にして、僕は暗黒の時期から抜け出すことができました。音楽ならではの力で、僕は人生に再び興奮を覚えました」

2023年５月、マリンは希少疾患である脊髄性脳卒中に見舞われ、下半身が麻痺。先頃、彼はインスタグラムで近況をビデオ報告した。「いつものように、僕の曲には超越と上昇志向と、そして音楽を介した世界の団結といったテーマのすべてがあります」とマリン。「これこそ僕の大好きなこと。続けるためには、できることの全てをやるつもりです」

長年にわたり他者の活動に協力してきたマリンは、彼を支えるために集まってくれた全てのミュージシャンに感謝を捧げている──ブルース・スプリングスティーン、ビリー・ジョー・アームストロング、ルシンダ・ウィリアムスとエルヴィス・コステロ、ザ・ホールド・ステディ、トミー・スティンソン、アリソン・モシャート（ザ・キルズ）と故ウィエン・クレイマー、トム・モレロ、カウンティング・クロウズ、ダイナソーJr.、ザ・ウォールフラワーズ、スプーン、スザンナ・ホフス、フランク・ターナー、ランシド他多数。

マリンはこの12月、ビーコン・シアターのステージで復活を果たす。キャリア史上最大規模となるニューヨーク・ライヴを開催する。

この2日間のライヴには、ジェシーと彼のバンドがフルセットで出演し演奏。その後、各日にルシンダ・ウィリアムス、ジェイコブ・ディラン、ブッチ・ウォーカー、J・マスシス、カウンティング・クロウズのアダム・デュリッツとデヴィッド・イミー、ザ・ホールド・ステディ、アレハンドロ・エスコヴェドらが出演。更なるゲストも追って発表される。

ロック・ジャーナリストのデヴィッド・フリックはこう語る。「ジェシー・マリンは傷跡について知っている。自身の若かりし頃から、観察をし、よく見てきた。全ての傷跡には物語があり、彼にはまだ語ることがあるはずだ。“Silver Patron Saints” は、彼のロックンロール・バーに舞い戻ってきた仲間たちのアルバム。ステージに立ち、このソングライターと彼のこれまでの物語に乾杯する」