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近頃話題のII世アーティストたちまとめ:スタンレー・シモンズ、ヴァイオレット・グロール、ジェイコブ・アームストロング

ここ最近、立て続けに現役アーティストの息子や娘の音楽活動が報じられているので、幾つかご紹介しましょう。

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■スタンレー・シモンズ

まずは先頃シングル「Body Down」でデビューし、アルバムリリースも間近と言われるエヴァン・スタンレーとニック・シモンズ──苗字からお察しの通り、KISSのポール・スタンレーとジーン・シモンズの息子たち──によるデュオ、その名も潔くスタンレー・シモンズ。二人は子供の頃から、互いの父親の仕事場で何度となく顔を合わせていた幼馴染であり、兄弟同然の付き合いでしたが、一緒に音楽活動をしようなどとは全く考えていなかったと言います。それがほんの2、3年前、二人が会っている時にエヴァンがギターを持ち出し、試しに一緒にハモってみると、思いがけず「魔法のような」手応えを得たのだそう。彼らは2024年の12月に、サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」を一緒に歌っているビデオをSNSで公開し、反響を呼んでいました。

父親たちのハード・ロックとは趣を異にし、彼らの音楽はいわゆるアメリカーナ寄りで、どちらも子供の頃から聴いて育ったと言うルーツ・ミュージックの要素も多分に入っています。

「僕らのやってる音楽は親父たちのそれとは全然違うんだよ。お互いが影響を受けてきたものが殆ど同じだったのは面白かったね」とエヴァンが言えば、ニックも「こんなにシンプルなアメリカーナっぽいものはやったことがなかったから、どうかなと思いながら試しにやってみただけなんだけど、それを聴いた人たちみんなに口を揃えて『いや、キミらは絶対これをやって行くべきだよ』って言われたんだ」。
 
ファースト・アルバムのプロデュースを手掛けたのはグリーン・デイ等との仕事で知られるロブ・キャヴァロで、「まず彼らの音楽が全くKISSを連想させるものじゃないってところが非常に興味深かったんだ。スタンレー・シモンズっていう名前にもある種、新たなローレル・キャニオン(彼らの生まれ育った場所)の神話というか、魔法みたいな響きがあって、何か独特な、深いものを感じさせるところがあるだろ。今からワクワクしてるよ」と語っています。
 
二人とももう30代半ばに差しかかろうという年齢で始動させたプロジェクトだからか、あるいはこの業界では百戦錬磨で知られる父親たちからの薫陶の賜物か、デビュー間もないと言いつつ彼らのコメントはかなり落ち着いたものです。先日ポッドキャスト番組で何故このユニット名にしたのかと訊かれたエヴァンは、こう答えていました。

「 マーケティング的な視点から見れば至極当然の選択じゃないのかな。僕らの親が同じバンドで活動していて、それが結構なビッグネームであるってことはグレイトだし、凄くクールなことだからね。親の名前を利用してるって言われても、僕らにとっては生まれた時からこれが自分の名前なわけで、それを父親の人気に便乗しやがってって言われてもねえ、って感じだよ。ネットのコメント読んでてもよく思うんだ、『そうか、この名前は使って欲しくないのか。でももし使わなかったら、ナンで使わないの?って絶対訊いてくるよね』って」
 
一方ニックは、この名前を名乗ることでそういった角度の批判が寄せられるとはやや想定外だったようで。

「間抜けな話だと思われるかも知れないけど、俺たちはただ、そう言えば俺らの好きなバンドはそういうネーミングが多いよな、クロスビー、スティルス&ナッシュだろ、ホール&オーツだろ、サイモン&ガーファンクルだろ。だったら俺らもいっそスタンレー・シモンズで良くない? みたいな話をしてただけなんだよね。で、それイイじゃん、実際理に適ってるし、響きもいいし、俺たちのやってる音楽にも合ってるよ!ってことになったわけ。そうしたら『ナンだあいつら、KISSのコネを搾取しやがって』とか言われちゃって、ああ、そうか、ちょっとそこまでは考えてなかったかも…って」
 
「結局さ、何をしたって批判する人間は批判するし、受け容れてくれる人は受け容れてくれるんだよ」とエヴァンは言います。

「今は誰もが自分のプラットフォームを持てる時代で、世の中には素晴らしい音楽を生み出してる凄い才能を持ったミュージシャンたちがひしめき合ってるけど、同時にもの凄い量のノイズも溢れてる。だから僕はそのノイズを切り裂いて、自分たちの音楽を聴いてもらうためなら、どんなことでもやるよ。だってさ、好奇心から試しに聴いてみようとする人たちは一度なら聴いてくれるだろうけど、好奇心だけで10回繰り返しては聴いてもらえないだろ。気に入ってもらってずっとその人の生活の一部になるか、一度きりでおしまいか、二つに一つしかないんだよ。だとしたら、まず目について選んでもらうために、確実に列の一番前にいなきゃいけないわけで、そういう意味では僕らは親に感謝しなきゃいけないよね。この境遇はお金で買えるものじゃないからさ」
商品情報
Stanley Simmons
『Body Down』


Amazon Music(DEC 05 2025)

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■ヴァイオレット・グロール

次に、フー・ファイターズのデイヴ・グロールの娘、ヴァイオレット・グロール。こちらはデビュー・ソロ・シングルの「THUM」と「Applefish」のリリースから約一か月を経て、新曲「What’s Heaven Without You」が出たばかりです。映画監督のデヴィッド・リンチにインスパイアされたというこの曲は、彼の命日の1月20日に合わせてリリースされました。ヴァイオレットが歌に託した、パートナーと一緒にいたいという焦がれる思いが、明らかなリンチへのオマージュを連想させるユニークなサウンドと重なり合います。ヴァイオレットの声はミステリアスなインストゥルメンタルに乗ってふわふわと儚げに浮遊し、リンチの影響と共に際立ったオリジナリティを感じさせます。音源は下記のbandcampで試聴できます。

「What's Heaven Without You」Violet Grohl
音源リンクはこちら

「この曲はデヴィッド・リンチへの追悼の思いを込めて、私が世界で一番好きなコラボレーターたち、パーシャ・ニューマンとジャスティン・レーゼンと一緒に書きました」と、グロールはコメントしています。

「L.A.大火災の混乱と絶望から数日後、私たちは互いの悲しみと嘆きを持ち寄り、それをこの曲の中に一気に注ぎ込みました。皆さんが私たちの思いに共鳴するところを見つけてくだされば幸いです。彼が遺したインパクトは本当に魔法のようでした、あなたがいなくなって寂しいです、デヴィッド」

商品情報
Violet Grohl
『Thum』


Amazon Music(JAN 23 2026)

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■ジェイコブ・アームストロング

そしてラストは先日、お父上であるグリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングとのデュエットで、デヴィッド・ボウイがブライアン・イーノと共作し、1979年にリリースした「ヒーローズ」のカヴァーを公開したジェイコブ・アームストロング。ジェイコブは現在ウルトラQというバンドでフロントマンを務めています。

原曲は言わずと知れた不朽の名曲ですが、先頃ネットフリックスの超人気シリーズ『ストレンジャー・シングス』の最終回の重要な場面で使用されたことをきっかけに、また新たな人気が喚起されることとなりました──それに続いて今週、この二人が新たな命を吹き込んだカヴァー・ヴァージョンがリリースされたのです。この世代を超えたコラボレーションは、間もなく放送開始となるCBSのリアリティ・シリーズ『サバイバー』の第50シーズンに合わせて実現したもので、音源は以下で聴けます。

この新ヴァージョンの「ヒーローズ」がフィーチュアされた『サバイバー』第50シーズンは、2月25日から放送開始予定です。一方、父親のビリー・ジョーは相変わらずポップ・カルチャーのアイコンとして引っ張りだこで、ロックン・ロールの殿堂入りも果たしている彼のグループは、2月8日にカリフォルニア州サンタ・クララのリーヴァイス・スタジアムで行なわれるスーパー・ボウルLXのプリゲーム・ショウでパフォーマンスを披露することになっています。

商品情報
ビリー・ジョー・アームストロング feat. Jakob Armstrong
「Heroes (feat. Jakob Armstrong)」


Amazon Music(JAN 23 2026)
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