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ザ・ウォールフラワーズ、12月に初の豪州ツアー。目玉は名盤30周年記念再演よりも、トム・ペティ82年作『Long After Dark』の全曲披露
今年12月にバンド結成以来初のオーストラリア・ツアーが決定しているザ・ウォールフラワーズですが、そのライヴでは1996年リリースのバンドの出世作『Bringing Down The Horse』と、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの1982年のアルバム『Long After Dark』という2枚のアルバムを全曲披露することが発表されています。
ザ・ウォールフラワーズの中心メンバー、ジェイコブ・ディランにとって、トム・ペティは単なる影響を受けたアーティストの一人ではありません。ペティは家族ぐるみの友人であり、音楽的な繋がりを持ち、そのキャリア自体がディラン一家と直接交差していた人物でした。
ジェイコブの父であるボブ・ディランがペティと親しくなったのは1980年代で、2人はジョージ・ハリスン、ロイ・オービソン、ジェフ・リンと共に、ザ・トラベリング・ウィルベリーズとして活動を共にしたのみならず、ペティとザ・ハートブレイカーズがディランのバックバンドとしてツアーを行なったこともありました。
ジェイコブはそうした音楽の世界のすぐそばで大きくなりました。その後彼はペティと独自に友人関係を育むようになり、ペティは若きソングライターのジェイコブに極めて重要な影響を与えるようになったのです。
その関係が公に知られるようになったのは、2002年にジェイコブがトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズがロックの殿堂入りする際、そのインダクター(呼び込み役)に指名されたことがきっかけでした。2人の関係はペティの晩年まで続きました。ジェイコブが1960年代のロサンジェルスの音楽に焦点を当てた2019年公開のドキュメンタリー映画『Echo In The Canyon』のエグゼクティヴ・プロデューサーを務めた際にも、ペティはこの映画への出演を承諾してインタヴューに応じており、2017年に亡くなった彼にとって、結果的にはこれが生前最後のインタヴュー映像となりました。
こうした背景を考えると、『Long After Dark』というのは実に示唆に富んだ選択です。ペティが1982年に出した同作は、より馴染みのある大ヒット曲が収録されている『Damn The Torpedoes』(邦題『破壊』)や『Full Moon Fever』といった作品と比べると、彼の全カタログの中から選ばれて当然とは言い難いかもしれませんが、実はハートブレイカーズの成長過程において重要な位置を占めているアルバムなのです。
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ
『ロング・アフター・ダーク【2CDデラックス+ブルーレイ・エディション】』
Amazon(2024/10/18)¥4,620(通常盤/SHM-CD/2枚組/Blu-rayAudio付)
1. A One Story Town
2. You Got Lucky
3. Deliver Me
4. Change Of Heart
5. Finding Out
6. We Stand A Chance
7. Straight Into Darkness
8. The Same Old You
9. Between Two Worlds
10. A Wasted Life
「2CDデラックス+ブルーレイ・エディション」にはこの他、ディスク2にレア曲12曲収録。ブルーレイはディスク1・2収録音源を高音質で収録したオーディオ・ディスク。
1982年11月2日にリリースされたこの作品は、ベーシストのハウイー・エプスタインがバンドに加わった最初のアルバムで、彼の演奏とハーモニー・ヴォーカルは、以来ザ・ハートブレイカーズのサウンドに欠かせない要素となりました。また、このアルバムからは「You Got Lucky」「Change Of Heart」「Straight Into Darkness」という3つの重要なシングル曲が生まれています。「You Got Lucky」がMTV全盛時代のペティの代表曲の一つとなった一方、アルバム全体においてはザ・ハートブレイカーズが、後のアメリカのソングライターたちに多大な影響を与えることになる、メロディックかつルーツ志向のロック・サウンドへとさらに深く踏み込んで行く姿を捉えていました。
その影響はザ・ウォールフラワーズの全作品で随所に顔を出していますが、それがとりわけ色濃く感じられるアルバムが、Tボーン・バーネットがプロデュースを手掛け、1996年にリリースされた『Bringing Down The Horse』だったのです。この作品は彼らにとってブレイクのきっかけとなり、〈ビルボード200〉で最高位第4位を記録、最終的には米国で4度のプラチナ・ディスク認定を受けました。このアルバムからは、「One Headlight」「6th Avenue Heartache」「The Difference」「Three Marlenas」という3枚のシングルが生まれ、中でも「One Headlight」は1998年に最優秀ロック・ソング賞および最優秀ロック・パフォーマンス(デュオまたはグループ)賞を含む2つのグラミー賞をバンドにもたらしました。
また『Long After Dark』と『Bring Down The Horse』 の間にはもうひとつ、直接的に相通ずる音楽的要素があります。ペティの長年のギタリストであり、ザ・ハートブレイカーズのメンバーでもあるマイク・キャンベルが、「6th Avenue Heartache」でスライド・ギターをプレイしているのです。
今回のオーストラリア・ツアーのセットリストについては、『Bringing Down The Horse』の収録曲を順に演奏した後、『Long After Dark』の全曲が披露されることが確定しており、さらにアンコールでは両方のバンドのカタログからの楽曲が織り交ぜられることになりそうです。この2枚のアルバムを軸とした構成は、トム・ペティのザ・ハートブレイカーズからジェイコブ・ディランのソングライター世代へ、連綿と受け継がれゆく音楽的な系譜を辿るものであり、その中心には2つの家族の間のパーソナルな繋がりが存在しているのです。
ザ・ウォールフラワーズのオーストラリア初公演は、12月4日にメルボルンのパレ・シアターで幕を開け、その後ティロウルとシドニーで公演が行なわれることになっています。
[ザ・ウォールフラワーズ、オーストラリア・ツアー公演日程]
・December 4, Melbourne, Palais Theatre
・December 5, Thirroul, Anita’s Theatre
・December 6, Sydney, Liberty Hall
チケット詳細: Love Police – The Wallflowers
どうやら業界関係者によるウォールフラワーズのライヴ写真投稿。右スクロールで3枚目に「Refugee」演奏の動画あり。
The Wallflowers
『Exit Wounds』
Amazon(2021/7/9)¥2,750
ザ・ウォールフラワーズ
『Collected 1996-2005』
Amazon(2009/6/16)輸入盤
ザ・ウォールフラワーズ
『Glad All Over』
Amazon Music(2012/10/5)
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