ビートルズ解散の前兆になった手紙2通がオークションに

ビートルズが1967年に設立したアップル・コア社の運営を巡り、1969年の1月と4月にビートルズから担当弁護士に送られた2通の手紙がオークションに出されています。

当時、ポール・マッカートニーは、やり手弁護士のリー・イーストマンとジョン・イーストマン(リンダ・マッカートニーの父と兄)にアップル・コアの運営を委ねると主張し、あとの3人も同意していましたが(1通目の手紙)、数か月後にポールとリンダが結婚した後、あとの3人は当時ローリング・ストーンズのマネージャーだったアレン・クレインへの委任を主張するようになり(2通目の手紙)、結局ビートルズには〈ポール vs 3人のメンバー〉という構図が出来上がってしまいました。

ジョン・イーストマンに宛てた1969年1月の手紙には、「世界中で我々が締結を提案した全ての契約について、あなたが我々を代表して交渉することを認めます」と書かれ、アップル・コアの代表取締役だったニール・アスピノールと、マッカートニー、ジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、リチャード・スターキー(リンゴ・スターの本名)のサインがしてありますが、マッカートニーとリンダの結婚から1か月経った4月までに、ジョン・レノンは自身のパーソナル・マネージャーに任命していたアレン・クレインの方が適任だと思い始め、ジョージとリンゴを説得したとされています。

リー・イーストマンに宛てた1969年4月18日付の手紙には、次のように記載されています。「これは、あなたがザ・ビートルズ、もしくはビートルズが所有および管理するいかなる会社の弁護士または法廷代理人としても認められてないことをお知らせするものです。あなたが、ポール・マッカートニーから承認された彼個人の代理人であることは認めますし、この件に関してはあなたに全力で協力するよう、我々の担当者に指示するつもりです」

また、手紙の最後には、ビートルズやビートルズ所有の会社に関する全ての書類やファイルは、ニューヨークにあるアレン・クレインのオフィスに転送するよう住所が書かれ、ジョン・レノン、リチャード・スターキー(リンゴ)、ジョージ・ハリスン3名のサインがしてあります。

今回のオークションでは、1月に書かれた1通目の手紙には225,000ドル(約2,470万円)、2通目の手紙には325,000ドル(約3,570万円)の希望価格が提示されていますが、2通目の手紙は、以前2005年にもオークションに出されており、当時はおよそ63,000ドル(約690万円)でプライベート・コレクターに売却されていました。

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