FM COCOLO『Vintage Hits Parade』月イチ企画【森田編集長 今月の一冊】『ピンク・フロイド ライヴ・ツアー・イン・ジャパン 1971-1988』

関西圏で受信可能なFM COCOLOで大好評放送中の番組『Vintage Hits Parade』(毎週日曜 21:00-23:00/DJ 加美幸伸)は、洋楽が熱かった60〜80年代の名曲を、日本でのヒット曲を中心に、その時代背景やエピソードを加え、新たな魅力とともに楽しめる2時間生放送の音楽番組。
同番組内にて、MUSIC LIFE CLUBがコラボしている、その名も “MUSIC LIFE VINTAGE” というコーナー。その “MUSIC LIFE VINTAGE” の毎月最終週放送回でのMUSIC LIFE CLUB現編集長:森田がコメント出演、おススメの書籍とそれにまつわるエピソードを語る【森田編集長の今月の1冊】。今回は2021年6月27日放送分、森田編集長がピック・アップしたのは『ピンク・フロイド ライヴ・ツアー・イン・ジャパン 1971-1988』です。
番組HP
FM COCOLO『Vintage Hits Parade』
(DJ 加美幸伸 / 毎週日曜 21:00-23:00 / 関西圏:76.5MHz / radikoでも試聴可能)
番組Twitterはこちら
@VinPare765
※インターネットラジオ「radiko」でも試聴可能。関西圏以外の方は「radikoプレミアム」での試聴可能となります。

森田編集長 今月の一冊
『ピンク・フロイド ライヴ・ツアー・イン・ジャパン 1971-1988』


『ピンク・フロイド ライヴ・ツアー・イン・ジャパン 1971-1988』
3,960円
今回ご紹介するには、『ピンク・フロイド ライヴ・ツアー・イン・ジャパン 1971-1988』という大型本です。A4の写真映えするサイズで304ページ、ずっしりと重い写真中心の書籍です。
すでに5月末に発売されていますが、ご好評をいただき順調に売れています。特にフロイド・ファンの皆さんからありがたい声がたくさん届いていて、担当編集者も益々仕事に力が入りそうです。ちなみに同担当者の書籍は、今後ロキシー・ミュージック、レインボー、ユーライア・ヒープなどのマニアックな大型本が控えていまして、この辺りは全て弊社のフォト・ライブラリーをフル活用しての作業になりますので、これまで使われていなかった蔵出し写真が惜しみなく使われる予定です。ぜひ楽しみにお待ちいただければと思います。
今回のピンク・フロイド本ですが、カラー、モノクロ含め、担当編集者が全てのストック写真をチェック。雑誌には掲載されているのに、残念ながら今回はポジフィルムやネガフィルムが見つからなかった写真もあったようです。それ以外は全てオリジナルのフィルムからスキャンをやり直して、写真のクオリティに細心の注意を払っています。そのため、A4という大きなサイズに負けない鮮明な写真が並んでいます。フィルムがみつからなかった写真もプリント写真や掲載誌をスキャンするなどして、可能な限りのクオリティを追い求めました。
記事の構成は1971年、伝説の箱根アフロディーテ、1972年、1988年の来日公演をオンステージ、オフステージともに可能な限り多くの写真を掲載し、彼らの来日時の行動を追ったリポートやコンサート評、実は空席が目立ったという71年大阪公演の実態を伝えるルポなど、これまでなかなか見ることのできなかった写真や記事で構成されています。またこの16年間の来日空白期を埋めるような形で1974年、1977年、1984年(ギルモアのソロ・ツアー)、1987年それぞれのツアーでの英米での公演写真が掲載されています。こちらもイギリスは浅沼ワタルさん、アメリカはデヴィッド・タンさんの撮影によるものです。来日時の写真はもちろん長谷部宏さんの手になるもの。全て弊社管理の写真なので、今回のような形での制作が可能になりました。
1971、72年の来日にはさすがに私も若くて体験していませんが88年の公演はしっかり堪能しました。1970年代にピンク・フロイドが頂点を極めていた頃に体験できなかったのは悔やまれますが、そのスケール感は88年公演でしっかり体験することができました。日本ではプログレマニアの中ではキング・クリムゾンが最も人気ありますが、ワールドワイドでは、ダントツでピンク・フロイドがトップである理由が十分伝わってきました。
さて、話が変わって、つい最近ソニーレコードから『原子心母(アトム・ハート・マザー)』の『(箱根アフロディーテ50周年記念盤)』が8月にリリースされることが発表され大きな話題になっています。これは1971年8月に箱根で行なわれた日本初と言われている野外ロックフェス “箱根アフロディーテ” でピンク・フロイドが演奏したという歴史があって、今回、その来日時の映像や写真が新たに発掘されたことから、そうした映像や写真もパッケージした特別版が出ることになったわけです。ソニーの担当ディレクターからも、弊社の写真に関して問い合わせがあり、もちろん協力させていただきました。
今回の特別盤は3年越しの日本サイドの執念が実ったものですが、こうした日本から発信できる素材が見つかって世界に発表できるようになるのは非常に嬉しいものです。弊社も現在写真を中心に海外アプローチすることが増えましたが、今回のフロイド本もぜひ海外でも販売を狙いたいと考えています。
日本でピンク・フロイドに影響を受けてバンドがスタートした四人囃子の岡井大二さんのインタビューやこれまで語られていなかったエピソード、71、72年のステージがどのように設営されたかというルポなど、貴重な記事も掲載されていますので、見ても読んでも十分満足していただけるのではないかと思います。是非お店でチェックしてみてください。よろしくお願いします。
個人的には、1970年代初頭は中学生の頃で、まだロック、ポップスを聴き始めた頃で、だんだん難しいロックとかに興味を持ち始めて、当然、ピンク・フロイドやプログレにハマり始めた時でした。当時、私も中学生の身でありながら、休みの日に小遣いを持って都内に輸入盤を買いに行ったりして、ちょっとマニアックな生活をしていた事もありました。そこで一番最初に買った1枚にピンク・フロイドの『ウマグマ』がありました。正直言って最初聴いた時は、ちょっと分からなかったですね。ただ、NHKの特番で『LIVE AT POMPEII』を見て、非常に衝撃を受け「ピンク・フロイドは凄い!」という事で、新譜が出るたびに次々と買うようになりました。
ピンク・フロイドはプログレの中では、どちらかというと分かりやすい所があると思っています。スケール感とか、聞きようによってはムード音楽的雰囲気があったりとか。他のプログレの先鋭的なグループと比べると、一般性のある所が世界でピンク・フロイドがトップになった理由になっているのではないかと思います。一方でコンセプト・アルバム、これはロジャー・ウォーターズが中心となっていますけど、そうした部分は、僕は正直トゥー・マッチな感じがあります。あまりそうしたものに固執された作品が続くと自分では手に負えないなという所もあるのも正直なところです。
すでに5月末に発売されていますが、ご好評をいただき順調に売れています。特にフロイド・ファンの皆さんからありがたい声がたくさん届いていて、担当編集者も益々仕事に力が入りそうです。ちなみに同担当者の書籍は、今後ロキシー・ミュージック、レインボー、ユーライア・ヒープなどのマニアックな大型本が控えていまして、この辺りは全て弊社のフォト・ライブラリーをフル活用しての作業になりますので、これまで使われていなかった蔵出し写真が惜しみなく使われる予定です。ぜひ楽しみにお待ちいただければと思います。
今回のピンク・フロイド本ですが、カラー、モノクロ含め、担当編集者が全てのストック写真をチェック。雑誌には掲載されているのに、残念ながら今回はポジフィルムやネガフィルムが見つからなかった写真もあったようです。それ以外は全てオリジナルのフィルムからスキャンをやり直して、写真のクオリティに細心の注意を払っています。そのため、A4という大きなサイズに負けない鮮明な写真が並んでいます。フィルムがみつからなかった写真もプリント写真や掲載誌をスキャンするなどして、可能な限りのクオリティを追い求めました。
記事の構成は1971年、伝説の箱根アフロディーテ、1972年、1988年の来日公演をオンステージ、オフステージともに可能な限り多くの写真を掲載し、彼らの来日時の行動を追ったリポートやコンサート評、実は空席が目立ったという71年大阪公演の実態を伝えるルポなど、これまでなかなか見ることのできなかった写真や記事で構成されています。またこの16年間の来日空白期を埋めるような形で1974年、1977年、1984年(ギルモアのソロ・ツアー)、1987年それぞれのツアーでの英米での公演写真が掲載されています。こちらもイギリスは浅沼ワタルさん、アメリカはデヴィッド・タンさんの撮影によるものです。来日時の写真はもちろん長谷部宏さんの手になるもの。全て弊社管理の写真なので、今回のような形での制作が可能になりました。
1971、72年の来日にはさすがに私も若くて体験していませんが88年の公演はしっかり堪能しました。1970年代にピンク・フロイドが頂点を極めていた頃に体験できなかったのは悔やまれますが、そのスケール感は88年公演でしっかり体験することができました。日本ではプログレマニアの中ではキング・クリムゾンが最も人気ありますが、ワールドワイドでは、ダントツでピンク・フロイドがトップである理由が十分伝わってきました。
さて、話が変わって、つい最近ソニーレコードから『原子心母(アトム・ハート・マザー)』の『(箱根アフロディーテ50周年記念盤)』が8月にリリースされることが発表され大きな話題になっています。これは1971年8月に箱根で行なわれた日本初と言われている野外ロックフェス “箱根アフロディーテ” でピンク・フロイドが演奏したという歴史があって、今回、その来日時の映像や写真が新たに発掘されたことから、そうした映像や写真もパッケージした特別版が出ることになったわけです。ソニーの担当ディレクターからも、弊社の写真に関して問い合わせがあり、もちろん協力させていただきました。
今回の特別盤は3年越しの日本サイドの執念が実ったものですが、こうした日本から発信できる素材が見つかって世界に発表できるようになるのは非常に嬉しいものです。弊社も現在写真を中心に海外アプローチすることが増えましたが、今回のフロイド本もぜひ海外でも販売を狙いたいと考えています。
日本でピンク・フロイドに影響を受けてバンドがスタートした四人囃子の岡井大二さんのインタビューやこれまで語られていなかったエピソード、71、72年のステージがどのように設営されたかというルポなど、貴重な記事も掲載されていますので、見ても読んでも十分満足していただけるのではないかと思います。是非お店でチェックしてみてください。よろしくお願いします。
個人的には、1970年代初頭は中学生の頃で、まだロック、ポップスを聴き始めた頃で、だんだん難しいロックとかに興味を持ち始めて、当然、ピンク・フロイドやプログレにハマり始めた時でした。当時、私も中学生の身でありながら、休みの日に小遣いを持って都内に輸入盤を買いに行ったりして、ちょっとマニアックな生活をしていた事もありました。そこで一番最初に買った1枚にピンク・フロイドの『ウマグマ』がありました。正直言って最初聴いた時は、ちょっと分からなかったですね。ただ、NHKの特番で『LIVE AT POMPEII』を見て、非常に衝撃を受け「ピンク・フロイドは凄い!」という事で、新譜が出るたびに次々と買うようになりました。
ピンク・フロイドはプログレの中では、どちらかというと分かりやすい所があると思っています。スケール感とか、聞きようによってはムード音楽的雰囲気があったりとか。他のプログレの先鋭的なグループと比べると、一般性のある所が世界でピンク・フロイドがトップになった理由になっているのではないかと思います。一方でコンセプト・アルバム、これはロジャー・ウォーターズが中心となっていますけど、そうした部分は、僕は正直トゥー・マッチな感じがあります。あまりそうしたものに固執された作品が続くと自分では手に負えないなという所もあるのも正直なところです。

![バンド・スコア ピンク・フロイド・ベスト[ワイド版]](https://www.musiclifeclub.com/global-image/units/img/942494-5-20210628204859_b60d9b72b89ac7.jpg)


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