ジョン・ライドン、ピストルズの伝記ドラマ『Pistol』での楽曲使用を巡る裁判に敗訴

7月19日のMLCニュースでお伝えしたように、セックス・ピストルズのギタリスト、スティーヴ・ジョーンズ2018年の回顧録『Lonely Boy：Tales from a Sex Pistol』を原作としたダニー・ボイル監督の伝記ドラマ・シリーズ『Pistol』の制作において、同作での楽曲使用を拒否したジョン・ライドンは、元バンド仲間のスティーヴ・ジョーンズとポール・クックから訴えられていましたが、英『ガーディアン』紙によると、この裁判でジョン・ライドンが敗訴したそうです。

ジョーンズとクックの弁護士エドモンド・カレンは7月15日、ロンドンの高等裁判所で「バンド・メンバーは1988年、『ピストルズの楽曲使用は多数決で決める』と合意している」と語り、ベーシストのグレン・マトロックと故シド・ヴィシャスの遺産管理団体も合意していましたが、ジョン・ライドンの弁護士マーク・カニンガムは、「ライドンの合意なくして楽曲の使用は許可されない」と主張したほか、ライドンがジョーンズの回顧録の中で、『敵対的で悪意をもって描かれている』ことに腹を立てているとも語り、ライドンは4月の時点で、自身の同意なく作品が制作されたとして憤慨していました。

ロンドンの高等裁判所は8月23日、1988年にメンバー内で交わされた合意に基づき、スティーヴ・ジョーンズとポール・クックが多数決の対象になり、楽曲の使用が許可されるとの判決を下しました。

この結果を受け、ジョーンズとクックは次の声明を発表しています。
「今回の件における裁判所の判決を歓迎します。我々の意思決定を明確にし、集団としての意思決定に関するメンバー間の取り決めが守られました。気持ちの良い経験ではありませんでしたが、我々が前進するために必要だったことであり、今後はより良い関係で一緒に仕事が出来ればと願っています」

伝記ドラマ・シリーズ『Pistol』は、2022年に米TV局FXで放送される予定です。