FM COCOLO『Vintage Hits Parade』月イチ企画【森田編集長 今月の一冊】『プラチナ・ディスクはいかにして生まれたのか テッド・テンプルマンの音楽人生』

関西圏で受信可能なFM COCOLOで大好評放送中の番組『Vintage Hits Parade』(毎週日曜 21:00-23:00/DJ 加美幸伸)は、洋楽が熱かった60〜80年代の名曲を、日本でのヒット曲を中心に、その時代背景やエピソードを加え、新たな魅力とともに楽しめる2時間生放送の音楽番組。

同番組内にて、MUSIC LIFE CLUBがコラボしている、その名も “MUSIC LIFE VINTAGE” というコーナー。その “MUSIC LIFE VINTAGE” の毎月最終週放送回でのMUSIC LIFE CLUB現編集長:森田がコメント出演、おススメの書籍とそれにまつわるエピソードを語る【森田編集長の今月の1冊】。今回は2022年1月30日放送分、森田編集長がピック・アップしたのは『プラチナ・ディスクはいかにして生まれたのか テッド・テンプルマンの音楽人生』です。

番組HP
FM COCOLO『Vintage Hits Parade』
(DJ 加美幸伸 / 毎週日曜 21:00-23:00 / 関西圏:76.5MHz / radikoでも試聴可能)

番組Twitterはこちら
@VinPare765

※インターネットラジオ「radiko」でも試聴可能。関西圏以外の方は「radikoプレミアム」での試聴可能となります。

森田編集長 今月の一冊
『プラチナ・ディスクはいかにして生まれたのか テッド・テンプルマンの音楽人生』

『プラチナ・ディスクはいかにして生まれたのか テッド・テンプルマンの音楽人生』

『プラチナ・ディスクはいかにして生まれたのか テッド・テンプルマンの音楽人生』

3,740円

テッド・テンプルマン(語り)/グレッグ・レノフ(聴き手)、迫田はつみ(翻訳)
600ページ近くあって、かなりのヴォリュームの本ですが内容は非常に面白いです。テッド・テンプルマンと言えば、ヴァン・ヘイレンのプロデューサーとして一番有名だとは思いますが、アメリカン・ロックを好きな方はドゥービー・ブラザーズとかリトル・フィート、ニコレット・ラーソン、あるいはイギリスのヴァン・モリソンとかの作品プロデュースも手掛けていたり、この本のタイトル通り、プラチナ・ディスクを数多く生み出した名プロデューサーと言えます。

彼は元々ミュージシャンで、60年代後半にハーパース・ビザールのメンバーとしてスタートしたんですよね。元々はジャズが好きだったそうで、そこから当時の若者と同様にフォークもロックも興味を持って接していく内に、バンドに辿り着いた。そこから紆余曲折を経てバンドが解散する事になって、業界内でプロデュースの仕事を手掛けるようになっていった。このバンド時代の話もソフト・ロック系のファンには堪らないと思いますが、プロデューサーとしてのキャリアでは、最初にドゥービー・ブラザーズでヒットを飛ばしたことが大きかったですね。彼のプロデュースによって、ドゥービー・ブラザーズは次々にヒットを飛ばしスケールアップして、一流のバンドになったと言えます。

その後も、個人的にはリトル・フィートが大好きなんですが、彼らもテッド・テンプルマンが手掛けた作品がヒットしたことによって、一部のマニア受けするバンドからトップ・グループの一員になっています。それからもちろんヴァン・ヘイレン。

本の中で語られるエピソードの中で好きなのが、スプーナー・オールダムという南部系のサウンドを奏でる有名なキーボード奏者/ヴォーカリストが、あるセッションに呼ばれた。そのレコーディング中にアコーディオンの音が必要になったので、「じゃー アコーディオン取ってくるね」と言って、それから2日間帰ってこなかった。それで、どうしたんだ?という事になったんですが、単にニューオリンズの自宅まで行ってアコーディオン持って、2日間掛けて戻ってきたと。こういったアーティストの人柄とか当時の録音事情なども分かるような、非常に楽しいエピソードが満載されています。

この本の一番のメインはやはりヴァン・ヘイレンになりますし、もちろん驚くようなエピソードがたくさん語られていますが、こちらは読んでのお楽しみという事で。

テッド・テンプルマンを最初に意識したのは、おそらくドゥービー・ブラザーズの『キャプテン・アンド・ミー』の時だったと記憶しています。自分の好きな音楽を聴いて、当時はLPですがクレジットを見るとテッド・テンプルマンの名前がしょっちゅう出てくる。するとこの人がプロデュースした作品はほぼ間違いがないということがわかってきます。そうなるとテッド印だけで買ってしまう、という事は多々ありましたね。アメリカン・ポップスで言えば、フィル・スペクターのような特別な人もいましたけど、アメリカン・ロックの領域では最も初期に名を成したプロデューサーの一人かもしれないですね。ロック好きだったら誰もが聴いた事のある作品をプロデュースしてる人というのは間違いないでしょう。

2021年6月刊

ヴァン・ヘイレン・ライジング 伝説への導火線

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3,300円

グレッグ・レノフ(著)、迫田はつみ(訳)

2021年3月刊

トミー・リピューマのバラード ジャズの粋を極めたプロデューサーの物語

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3,080円

ベン・シドラン(著)、吉成伸幸/アンジェロ(訳)

2017年1月刊

トニー・ヴィスコンティ自伝 ボウイ、ボランを手がけた男

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2,750円

著者:トニー・ヴィスコンティ

2016年2月刊

サウンド・マン 大物プロデューサーが明かしたロック名盤の誕生秘話

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2,750円

グリン・ジョンズ(著)、新井崇嗣(訳)
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