ポール・マッカートニーがAIを使って制作したビートルズ最後の新曲、年内にリリース
ポール・マッカートニーが、6月13日に放送された英BBCラジオ4の番組『Today』で、AI(人工知能)を使った「ビートルズ最後の新曲」をレコーディングし、年内にリリースすると語りました。この曲には、ジョン・レノンのヴォーカルがフィーチャーされているそうです。
新曲のタイトルは発表しませんでしたが、ポールは、「AIを使ってジョン・レノンのデモ・テープからジョンのヴォーカルを取り出して完成させた」と語っており、このデモは、ジョンが1978年に書いた未発表曲「Now and Then」ではないかと推測されています。
「Now and Then」は、レノンが 1980 年に亡くなる直前、NYCのアパートでカセットテープに録音した数曲のうちの一つで、その後、ポールはオノ・ヨーコから「For Paul」と書かれたテープを受け取っていましたが、この曲には電気的なノイズがあり、今のAIが登場する前は実用的なサンプリングが出来ませんでした。ビートルズは、1990年代半ばに同曲を完成させようとしましたが、ジョージ・ハリスンが曲を気に入っていなかったため、断念していました。しかしながら、この他のデモ「Free As A Bird」と「Real Love」は、1994年にポールとリンゴ、ジョージがプロデューサーのジェフ・リンと完成させ、1995年の『Anthology 1』と1996年の『Anthology 2』に収録されています。
ポールによると、AIを使ってラフ・デモをクリーンアップするというアイディアは、2021年の映画『ザ・ビートルズ:Get Back』を手掛けたピーター・ジャクソン監督から伝授されたそうで、次のように語っています。
「ジャクソンは、小さなカセットテープから、AIを使って分離したジョンの声だけを取り出すことができた。機械に『あれは声だ、これはギターだ、ギターを失くせ』と伝えてね。ビートルズ最後の曲を作ることになった時、ジョンのヴォーカルとピアノが入ったデモから、AIを使ってジョンの声だけを取り出せたから、通常のやり方でミキシングが出来たんだ。この曲は完成したばかりで、今年リリースする予定だよ」
なお、ポールはこのアイディアを使い、2022年の北米ツアー「Got Back」で、レノンとのデュエット曲「I’ve Got A Feeling」を披露していました(2022年5月2日MLCニュース)。
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