キース・ジャレットの新アルバムが11月に急遽リリース。92年ライヴ録音『アット・ザ・ディア・ヘッド・イン』の続編、全曲スタンダードのトリオ作品!

現在も脳卒中からの復帰を目指してリハビリ中のキース・ジャレット。以前のように弾けなくとも、とにかく元気でさえいてくれれば……と思っていたら、1992年のライヴ録音リリースのニュースが。
〈以下、メイカー・インフォメーションより〉

ジャズ・ピアニスト最高峰、キース・ジャレットの新アルバムが11月に急遽リリース。なんと1992年ライヴ録音作品『アット・ザ・ディア・ヘッド・イン』の続編で全曲スタンダードのトリオ作品!
史上最も売れているジャズ・ピアノ・アルバム、伝説の『ケルン・コンサート』を生んだジャズ・ピアニスト最高峰、キース・ジャレットの新アルバムが11月8日に急遽リリースされることが決定した。

2022年リリース『ボルドー・コンサート』以来の新譜で、1992年のライヴ録音作品『アット・ザ・ディア・ヘッド・イン』の続編になる。

先行トラック「ストレート・ノー・チェイサー」も公開がスタートした。

「この日の夜は、ポコノ山脈の暖かく湿った雨の降る秋の夜だった。部屋には人でいっぱいで、外のポーチではもっと多くの人が網戸越しに聴いていた」

──キース・ジャレット

キース・ジャレットのディア・ヘッド・インでの録音は、ジャズ・スタンダードとアメリカン・ソングブックの探求に捧げられた、彼の録音の中でも特別な位置を占めている。そして、この『The Old Country』は、いくつかの観点から見て、特別な歴史的意義を持つドキュメントである。

ペンシルベニア州のデラウェア・ウォーター・ギャップ地域に位置するディア・ヘッド・インは、1950年以来継続的にライヴ・ミュージックを開催しており、アメリカ最古のジャズ・クラブのひとつとなっている。1961年、このクラブは当時16歳だったジャレットにピアノ・トリオのリーダーとして最初のギグを与えた。オーナーのボブ&フェイ・ラーが引退し、娘ドナと義理の息子クリストファー・ソリデイに経営を引き継ぐと、ジャレットはクラブのジャズへの継続的なコミットメントに敬意を表し、再びこのクラブで演奏したいと申し出た。

1992年9月16日、ジャレットはゲイリー・ピーコックとポール・モチアンと共に満員の観客を前に演奏した。プロモーションはしていなかったが、このイベントのニュースは口コミで広まった。ディア・ヘッドは親密な雰囲気の会場で、アレンタウンのモーニング・コール紙はその後、「クラブ内にいた130人のうち、30人は立見だった。外のポーチでは、さらに50人か60人が立っていた」と記している。

自発的に企画されたこの公演は、ジャレット、ピーコック、モチアンがトリオとして演奏した唯一の機会となった。ピーコックは当時、ジャック・ディジョネットが完成させたスタンダード・トリオの熱心なメンバーだった。モチアンはジャレットの「アメリカン・カルテット」(『The Survivor’s Suite(邦題:残氓)』『Eyes Of The Heart(邦題:心の瞳)』)のドラマーだったが、そのグループが解散して以来、キースとは仕事をしていなかった。「私はディア・ヘッドで30年間ピアノを弾いていなかっただけでなく、ポール・モチアンとも16年間一緒に演奏していなかった。だから同窓会のようでもあり、同時にジャム・セッションのようでもあった」と、ジャレットは1994年にこのギグから最初に選曲された音源をリリースした『At The Deer Head Inn(邦題:アット・ザ・ディア・ヘッド・イン)』のライナーノーツに書いている。

ディア・ヘッド・プロジェクトは旧交を温めるものだった。このレコーディングは、1970年に『Gary Burton & Keith Jarrett』(Atlantic)でドラムを叩き、その後、長年ディア・ヘッドの常連だったフィル・ウッズ・カルテットに参加したビル・グッドウィンによって始められた。グッドウィンはキースの個人的な参考のためにドキュメンタリー・レコーディングを提案したが、ジャレットはそれを聴いて「これはリリースされなければならない」と認識した。このテープを聴けば、ジャズとは何なのかがわかると思う」とも記している。

1994年に『At The Deer Head Inn』がリリースされると、プレスはこれに賛同した。「この音楽には、キース・ジャレットの最高傑作のような奔放さと叙情性がある」と『Stereophile』誌は書いている。一方、『Gramphone』誌は 「呪術的」な演奏と評し、『ロサンゼルス・タイムズ』紙は 「優美の大系 」と称賛した。

それから30年後、今回リリースになる音源を再訪する時が来た。キース・ジャレットとマンフレート・アイヒャーは、ディア・ヘッド公演の第2弾『ジ・オールド・カントリー〜モア・フロム・ザ・ディア・ヘッド・イン』を構成する8曲の未発表曲を選んだ。

レパートリーには、コール・ポーターの 「エヴリシング・アイ・ラヴ」と 「オール・オブ・ユー」、セロニアス・モンクの 「ストレート・ノー・チェイサー」、ジュール・スタインの 「アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥー・イージリ―」、フランク・チャーチルの 「いつか王子様が」、ガーシュウィンの 「ハウ・ロング・ハズ・ディス・ビーン・ゴーイング・オン?」、ヴィクター・ヤングの 「ゴールデン・イヤリングス」、ナット・アダレイの 「ジ・オールド・カントリー」が含まれている。

全曲スタンダード作品としては、2009年『サムホエア』以来15年ぶり。創立55周年を迎え、ドキュメンタリー映画『ECM レコード―サウンズ&サイレンス』も10月18日より公開となる中で大注目の作品となりそうだ。

■作品情報
キース・ジャレット・トリオ 『ジ・オールド・カントリー〜モア・フロム・ザ・ディア・ヘッド・イン』
Keith Jarrett, Gary Peacock, Paul Motian / The Old Country – More from the Deer Head Inn
2024年11月8日(金)リリース

UCCE-1212  UHQCD
¥3,300 (TAX IN)

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商品詳細
キース・ジャレット
『ジ・オールド・カントリー~モア・フロム・ザ・ディア・ヘッド・イン』


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CD(2024/11/8)¥3,300(UHQCD)
1. エヴリシング・アイ・ラヴ
2. アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥー・イージリー
3. ストレート・ノー・チェイサー
4. オール・オブ・ユー
5. いつか王子様が
6. ジ・オールド・カントリー
7. ゴールデン・イヤリングス
8. ハウ・ロング・ハズ・ディス・ビーン・ゴーイング・オン?
 
〈パーソネル〉
キース・ジャレット(p)、ゲイリー・ピーコック(double-b)、ポール・モチアン(ds)
★1992年9月16日、アレンタウン、ザ・ディア・ヘッド・インにてライヴ録音
■同ライヴ・アルバム

キース・ジャレット・トリオ 『アット・ディア・ヘッド・イン』
Keith Jarrett, Gary Peacock, Paul Motian / At the Deer Head Inn
発売中

UCCE-9429  SHM-CD
¥1,980 (TAX IN)

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商品詳細
キース・ジャレット
『アット・ザ・ディア・ヘッド・イン』


Amazon Music・MP3(APR 01 1994 )¥1,500
CD(2024/6/26)¥1,980(生産限定盤/SHM-CD)

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