ボン・イヴェール、6年ぶりの新作を4/11リリース。EP『セイブル』を経て、アルバムは次章『フェイブル』へ

ボン・イヴェールが、昨年10月にリリースされたEP『セイブル』に続くアルバム『セイブル、フェイブル』をリリースします。冒頭はEP『セイブル』の3曲がそのまま収録された全12曲。プレスリリースでは作品を一冊の本にたとえ、先行してリリースしたEP『セイブル』の3曲をそのプロローグ、続く9曲を次章〜エピローグとしていますが、果たして当人が意図したものとは。フォーク/カントリー・ゴスペルで綴られる12編の短編集は、通して一句とどのように響くのでしょうか。
〈以下、メイカー・インフォメーションより〉

ボン・イヴェール、6年ぶりとなるニュー・アルバム『SABLE, fABLE(セイブル、フェイブル)』を2025年4月11日、ジャグジャグウォーよりリリース。2月14日(日本時間:2月15日 0:00)、シングル/ビデオ「Everything Is Peaceful Love」を公開。

ジャスティン・ヴァーノン(Justin Vernon)はページをめくり、ボン・イヴェール(Bon Iver)の次の章、エピローグを始める。4月11日にジャグジャグウォー(Jagjaguwar)からリリースされる『SABLE, fABLE』は、このプロジェクトにとって6年ぶりのアルバムであり、瑞々しく輝くポップ・ミュージックに乗せたラヴ・ストーリーが収録される。昨年秋にリリースされた3曲入りのEP『SABLE,』EPから始まるこのアルバムは、1人が2人になり、闇がサーモン色の美しさに変わり、悲しみが抑えきれない喜びに変わる、9曲からなる新たなサガ(物語)へとシームレスに展開していく。『SABLE,』が、長い間過去を決定づけていた痛みとの決別という希薄で孤独なものであったのに対し、『fABLE』は、パートナー、新しい思い出、おそらくは家族といった、光と目的と可能性に満ちた活気ある未来を見つめている。

4月11日のリリースに先駆けて、ボン・イヴェールは今年のヴァレンタイン・デーに「Everything Is Peaceful Love」で正式に『fABLE』時代に突入する。このシングルは、HBOの『How To with John Wilson』の映像作家、ジョン・ウィルソン(John Wilson)が撮影/編集したミュージック・ビデオとともにリリースされる。

ジャスティン・ヴァーノンとジム-E・スタック(Jim-E Stack)によってプロデュースされた『SABLE, fABLE』は、主にウィスコンシン州にあるヴァーノンの「April Base」でレコーディングされた。このアルバムのコンセプトは、2.22.22(2022年2月2日)にスタックがダニエル・ヘイム(Danielle Haim)を連れて「April Base」に到着したときに生まれた。雪に覆われた数日間、ヴァーノンとヘイムの声は「If Only I Could Wait 」で交錯した。このデュエットは、「新しい愛の輝きの外では、自分自身の最高のヴァージョンになる強さを持っていない」という重要な視点を持ったデュエット曲である。

もし『SABLE,』がプロローグなら、『fABLE』は本である。しかし、ひとつになった『SABLE, fABLE』はアルバムであり、おとぎ話ではない。夢中になること、そしてそれがこれらの曲にもたらす強烈な明晰さ、集中力、正直さ、祝福には、紛れもない癒しがあるのかもしれない。「Everything Is Peaceful Love」は、恋に落ちる相手に出会って幸福感に打ちひしがれる男の肖像である。しかし、『SABLE,』の影はまだ迫っており、リセットして再出発しようと努力しても、古い感情が戻ってくることがある。

寓話のように、各トラックは教訓を植え付ける。『fABLE』は、他者や恋人と関わるときに必要とされる無私のリズム、つまり、より良くなるためのペースを見つけるための忍耐強いコミットメント、そして一体感について歌っている。『i,i』や『22, A Million』でジャスティン・ヴァーノンの声を守っていた、回避的で濃密な音の層はもうない。『SABLE, fABLE』は、真実を剥き出しにしたキャンバスなのだ。

ジャスティン・ヴァーノンは2月21日、ピーボディ賞(アメリカのテレビやラジオ、ウェブサイトなどの放送作品に贈られる賞)を受賞した放送作家で、ナショナル・ヒューマニティーズ・メダリスト、そして『ニューヨーク・タイムズ』紙のベストセラー作家であるクリスタ・ティペット(Krista Tippett:The On Being Project)との多方面にわたる対談で、『SABLE, fABLE』についてさらに語る予定だ。ニューヨークのブルックリンで開催される「On Air Fest」の最後を飾るこの対談で、2人は音楽、癒し、その他の中心的な問題について語り合う。また、インタビューの音声はKCRWのインターネット・ラジオ放送でライヴ・ストリーミングされる。
●ジャスティン・ヴァーノン(Justin Vernon)は『Sable』のリリースを発表した。ジャグジャグウォー(Jagjaguwar)から10月18日にリリースされるこのEPは、ボン・イヴェール(Bon Iver)の5年以上ぶりの新作で、ボン・イヴェールというプロジェクトを解体し、それが元来持っていた主要な要素に焦点を当てる。音楽から離れて癒しのプロセスについて考えるという漸進的な崩壊から抜け出し、『Sable』は、ヴァーノンが人生で最も試練に満ちた時期のひとつであった、暗闇、重圧、不安を解きほぐすための空間となった「僕は今、自分がうまくやれないことを知っている。そうできたら、どんなに素晴らしいだろう」と「S P E Y S I D E」の冒頭で彼は歌う。この曲は2021年のある瞬間に書かれた、自分が傷つけてしまった大切な人たちへの謝罪の歌だ。「理性を失っていた。僕は本当に暴力的だった」と彼は後に認めている。2020年から2023年にかけて書かれた『Sable』の3曲は、ウィスコンシン州の「April Base」でレコーディングされたが、その構想は、キーウェストやミネアポリス諸島などで練られた。ジャスティン・ヴァーノンとジム-E・スタック(Jim-E Stac)kによるプロデュースで、「S P E Y S I D E」ではロブ・ムース(Rob Moose)がヴィオラを担当し、他にも親しいコラボレーターが参加している。EPのアレンジは、どの曲も声とギターが中心となる。ほぼ黒に近いということから名付けられた『Sable』の歌詞は、罪悪感、苦悩、混乱、そして未完成の仕事を直接投影する。2019年のアルバム『i,i』は、グラミー賞のアルバム・オブ・ザ・イヤーにノミネート。ボン・イヴェールをワールド・ツアーへ向かわせ、彼をアリーナを埋め尽くすフェスティヴァルのヘッドライナーへと変えた。そして、ジャスティン・ヴァーノンはテイラー・スウィフト(Taylor Swift)やブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)から、ザック・ブライアン(Zach Bryan)やトラヴィス・スコット(Travis Scott)まで、あらゆる人々と仕事をし、カマラ・ハリス(Kamala Harris)のためにパフォーマンスを行なった。その間、彼はしばしば意図的に顔を隠していたが、今はブラインドを開けている。私(I)という言葉で始まり、私たちが作ったものすべて(everything we’ve made)で終わる。『Sable』で肩の荷を下ろし、変容する。ページをめくり、新たな物語が始まる。

●ウィスコンシン州出身のシンガー・ソング・ライター、ジャスティン・ヴァーノンのソロ・プロジェクトとして始まったボン・イヴェールは、2008年にデビュー・アルバム『For Emma, Forever Ago』を発表し世界中の音楽メディア、批評家、アーティストから絶大な指示を獲得した。また同年にリリースした『Blood Bank(EP)』では、収録曲の「Woods」を後にカニエ・ウェスト(Kanye West)がサンプリングし話題に。続くセカンド・アルバム『Bon Iver, Bon Iver』(2011年)は米『Pitchfork』にて9.5/10点を獲得し、全米初登場2位、全英初登場4位を記録。12年第54回グラミーでは最優秀新人賞と最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞を受賞。16年にリリースした『22, A Millian』は全米、全英チャートで2位を記録したのを始め世界各国のチャートで軒並み上位にランクインしている。またその独創的でユニークなアプローチや表現は、作品を出す毎にメインストリームにまで影響を与えてきている。

■More info:Big Nothing

【リリース情報】2024.10.18 ON SALE

商品詳細
ボン・イヴェール
『SABLE, fABLE』


Amazon Music(APR 11 2025)¥1,200
1. THINGS BEHIND THINGS BEHIND THINGS
2. S P E Y S I D E
3. AWARDS SEASON
4. Short Story
5. Everything Is Peaceful Love
6. Walk Home
7. Day One (feat. Dijon and Flock of Dimes)
8. From
9. I'll Be There
10. If Only I Could Wait (feat. Danielle Haim)
11. There's A Rhythmn
12. Au Revoir
【BON IVER/ボン・イヴェール】

ウィスコンシン州出身のシンガー・ソング・ライター、ジャスティン・ヴァーノンのソロ・プロジェクトとして始まったボン・イヴェールは、2008年にデビュー・アルバム『For Emma, Forever Ago』をリリース。世界中の音楽メディア、批評家、アーティストから絶大な指示を獲得した。また、同年のEP『Blood Bank』収録曲「Woods」は、後にカニエ・ウェスト(Kanye West)にサンプリングされ話題となる。2011年のセカンド・アルバム『Bon Iver, Bon Iver』は『Pitchfork』で9.5/10点を獲得し、全米2位/全英4位を記録。2012年には、第54回グラミーでは最優秀新人賞と最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞を受賞した。2016年のサード・アルバム『22, A Millian』は、全米/全英チャートで2位を記録し、世界各国のチャートで軒並み上位にランクイン。2019年には目下の最新作『i,i』をリリースした。その独創的でユニークなアプローチや表現は、作品を出す毎にメインストリームにまで影響を与える。

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【リリース情報】2024.10.18 ON SALE

ボン・イヴェール、5年以上ぶりとなる作品『SABLE,』(EP)をリリース。

ボン・イヴェール『セイブル』EP
Bon Iver/Sable

■品番:デジタル
■定価:デジタル
10月18日、ボン・イヴェール(Bon Iver)は『SABLE,』をリリースする。5年以上ぶりの新作であり、2009年以来のEPとなるこの作品には、連なる3曲を収録。これは、ジャスティン・ヴァーノン(Justin Vernon)が癒しと処理の過程において異なる時点で書いた、自伝的で直接的なものとなる。「Things Behind Things Behind Things」は、ヴァーノンがアーティストとしての将来に迷っていた2020年にさかのぼる。彼の人生で最も困難な時期のひとつで、落ち着かない不安の中から生まれたこの曲は、文脈を解きほぐし、自分自身を元に戻すことをテーマとしている。「S P E Y S I D E」は、2021年にキーウェストでキャンプをしていたときに、明晰さと内省の瞬間に生まれた謝罪の言葉である。「Awards Season」は、2023年にミネアポリスのレイク・オブ・ザ・アイルズ周辺を長い間散歩していたときに思いついた、大きな変化を把握するための最新の作品だ。ジャスティン・ヴァーノンとジム-E・スタック(Jim-E Stack)によってプロデュースされた『SABLE,』の3曲は、ウィスコンシン州のエイプリル・ベースでレコーディングされ、エリン・スプリンジャー(Erinn Springer)監督による3本のビデオも公開されている。

『SABLE,』には、イーライ・テプリン(Eli Teplin:synthesizer)、グレッグ・ライス(Greg Leisz:pedal steel)、マイク・ルイス(Mike Lewis:saxophone, organ, piano)、ロブ・ムース(Rob Moose:viola)、トレヴァー・ハーゲン(Trever Hagen:trumpet)らのボン・イヴェールのコラボレーターが参加し、ジャスティン・ヴァーノンの声とギターを中心にアレンジが施されている。このEPは、ボン・イヴェールを丸裸にし、元々このプロジェクトを立ち上げたときに存在した主要な要素だけにしたもので、リセットとリイントロダクション(再導入)を意味する。

最も黒に近い色から名付けられた『SABLE,』は、蓄積された闇の投影でもあるが、その重圧と個人的な混乱を解き放つものでもある。「I」という言葉で始まり、「Everything we've made」で終わるこの3連作は、変容であり、新しい物語の始まりでもある。ジャスティン・ヴァーノンは「AWARDS SEASON」で、「僕はsable(真黒)、そしてハニー、僕らはfable(寓話)」と歌っている。
商品詳細
ボン・イヴェール
『Sable』


Amazon Music・MP3(OCT 18 2024)¥600
1. Things Behind Things Behind Things
2. S P E Y S I D E
3. Awards Season
■SABLE, Credits
Produced by Justin Vernon and Jim-E Stack
Engineered by Ian Gold and Justin Vernon
Additional Production, Engineering and Assistance: Asher Weisberg
Assistant Engineer: Kyle Parker Smith
Mixed by Justin Vernon
Mastered by Heba Kadry
Art Direction by Justin Vernon, Ruben Nusz, Miles Johnson


“THINGS BEHIND THINGS BEHIND THINGS”
Guitar / Drum / Bass / Voice: Justin Vernon
Flute Trumpet: Trever Hagen
Pedal Steel: Greg Leisz
Additional Pedal Steel: Ben Lester
 
Written by Justin Vernon, with Phil Cook + Trever Hagen
“S P E Y S I D E”
Guitar / Voice: Justin Vernon
Viola: Rob Moose
 
Written by Justin Vernon, with Ryan Olson + BJ Burton


“AWARDS SEASON”
Keyboards / Guitar / Vocals: Justin Vernon
Saxophone / Organ / Piano: Mike Lewis
Choral Vocals: Blake Morgan
Pedal Steel: Greg Leisz
Synthesizer: Eli Teplin
Background Vocals: Carter Faith
 
Written by Justin Vernon, with Michael Lewis
Additional Production by Ryan Olson
Vocal and Electric Guitar Engineering by: BJ Burton
Recording of Carter Faith by Tofer Brown
 
Contains a sample of the recording “Miles Away (feat. Amelia Meath)” by Phil Cook

商品情報
ボン・イヴェール
『For Emma, Forever Ago』


Amazon Music・MP3( JUL 08 2007)¥1,500

商品詳細
ボン・イヴェール
『22, A Million』


Amazon Music・MP3(SEP 30 2016)¥1,600
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