レア・グルーヴの女王、ソウル・シンガーのグウェン・マクレーが81歳で死去

1975年のヒット曲「Rockin’ Chair」で知られるR＆B/ソウル・シンガーのグウェン・マクレー（Gwen McCrae）が2月21日、81歳で死去しました。

家族が訃報を伝えていますが、死因は発表されていません。

1943年にフロリダ州ペンサコラで生まれたマクレーは、7歳から教会の聖歌隊で歌い始め、10代の頃に地元のクラブで歌手としてのキャリアをスタートさせました。

その後、20歳の時に海軍兵で歌手のジョージ・マクレーと結婚し、二人は60年代半ばからデュオとしてパフォーマンスを始め、ヘンリー・ストーンのTKレコードと契約しました。

当初、グウェンはTKのバックシンガーでしたが、1970年にソロとしてリリースしたシングル「Lead Me On」がR&Bチャートで成功をおさめ、1972年にグウェンが最初にリリースした「Always on My Mind」は、後にエルヴィス・プレスリーやウィリー・ネルソン、ペット・ショップ・ボーイズらのカヴァー・ヴァージョンがヒットしました。

1975年には、クラレンス・リードとウィリー・クラークが共作した「Rockin’ Chair」が大ヒットし、全米シングル・チャートで第9位、R&Bチャートでは第1位に輝きましたが、先に成功していた夫に続く彼女の成功が結婚生活に負担となり、二人は1976年に離婚しました。

その後はヒット曲に恵まれず、アメリカの主流チャートでは成功しなかったものの、批評家から絶賛された1978年の『Let’s Straighten It Out』をはじめとする何枚ものアルバムをリリースし、ノーザン・ソウルやレア・グルーヴのシーンで支持を集めたグウェンは、イギリスとヨーロッパのレコード・コレクターやDJの間でカルト的な存在になりました。

2004年には初のゴスペル・アルバム『I’m Not Worried』をリリースし、その後もパフォーマンスとレコーディングを続けていましたが、2012年に脳卒中を患い、音楽活動のみならず歩行も不可能になりました。

『ガーディアン』紙によると、グウェンは1997年のインタヴューで、「私が本当に幸せを感じるのは、観客の前でステージに立っている時だけ」と語っていたそうです。

安らかなる眠りをお祈りいたします。