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マイケル・スタイプ、ソロ新曲をTV初披露。昨年地元アセンズでオリジナル・メンバーが偶然勢揃いしその場で再結成した際のエピソードを語る

4月23日、米CBSの深夜番組『The Late Show with Stephen Cobert』に元R.E.M.のマイケル・スタイプが出演。同番組は放送が始まった2015年から深夜帯で高い視聴率を誇っていましたが、今年5月21日をもって終了することが決定しており[訳注:大手メディア会社スカイダンスとパラマウント・グローバル社の合併の影響とも、番組ホストの人気コメディアン、スティーヴン・コルベアによる歯に衣着せぬトランプ政権批判が理由とも言われている]、スタイプはその長年の功績を称えるため、番組への贈り物として、年内リリース予定の自身のデビュー・ソロ・アルバムから「The Rest of Ever」をTV初披露するために出演したと語り、コルベアを感激させました。

スタイプは現在、このアルバムの歌詞に最後の仕上げを施しているそうですが、「収録曲の一つは、木が自分の音を初めて聞いて出した音をそのまま活かしているんだ」と謎めいた口調で語り、番組観覧席に微妙な静寂をもたらしました。彼の説明によれば、ジョージア州にある彼の自宅の裏庭で、彼の友人が木の音を録音し、それをその木に再生して聴かせたのだそうで、彼はその曲を「ややダフト・パンク風なんだ」と表現しました。

また、世界的に知られる船乗り歌の定番「Drunken Sailor」[訳注:邦題は「酔いどれ水夫」。元々は帆船の帆を上げるため、水夫たちが一斉にロープを引く作業で、力加減や呼吸を合わせるために歌われた作業歌(sea chanty)とされる]を自身のヴァージョンとしてアレンジした曲も収録されているそうですが、コルベアも大好きだというその曲の一節を一緒に歌った後、実はスタイプが原曲を聞き間違えて覚えていたために、「非常に特殊な」歌詞になっているとしてその部分を歌い、笑いを取る一幕もありました。

彼の番組への前回の出演は2020年だったそうですが、その後2024年にR.E.M.がソングライターの殿堂入りを果たした際、約15年ぶりにメンバーが勢揃いしてステージでパフォーマンスを披露しました。当時はどんな気持ちだったかと尋ねられると、スタイプは「実は一緒にプレイするのは15年ぶりどころじゃなかったんだけど、グレイトだったよ。あれはビル・ベリーが仕切ってくれて、“Losing My Religion” をアコースティックでプレイしたんだよね。僕にとっては幸運なことに、彼らとは本当に親友同士だから、バンドは2011年に解散してるけどいまだに全員付き合いがあって、今でもしょっちゅう一緒にディナーに行ったりするし、メールも頻繁にやりとりしてるんだよ。メンバーの誰かが何かプロジェクトを手掛けていれば、手伝ってくれないかって気軽に声を掛けられる間柄だしね。僕らはずっと一番の親友同士で、僕にとって彼らは生涯の友だ。そういう関係を持てていることは凄く光栄なことだと思っているよ」と語りました。

R.E.M. reunite at Songwriters Hall Of Fame induction 2024 - Speech
R.E.M - Losing My Religion (First performance since 2007)

また、スタイプが先日、R.E.M.のカヴァー・バンドによるライヴを彼が観に行っていてステージに飛び入りしたことにコルベアが触れ、自分の曲を目の前で誰かが演っているのを観るというのはどんな感覚なのかと訊ねられると、彼はこう答えました。「僕は彼らの大ファンなんだよ、と言うのが、僕自身はそれまでR.E.M.の曲をライヴで聴いたことが一度もなかったんだよね、何しろいつも自分でプレイするばっかりだったからさ(笑)。当たり前の話だけど、僕はいつも歌う側で、その真っ只中にいたんで、その曲たちがパフォームされるのを客観的に観たり聴いたりする機会がなかったからね。僕にとってはどの曲も自分のDNAの中に組み込まれているようなもので、つまり彼らのライヴに行くと、一度外の世界に向かって放ったそれが投げ返されて来るような感覚なんだけど、そこに(カヴァー・バンドのメンバー)マイケル・シャノンとジェイソン・ナドゥーシーっていう、僕が心から尊敬する人々の解釈が加わるわけだから、凄くワクワクするんだよね」

Shannon and Narducy with Michael Stipe 3/7/26 These Days Brooklyn Steel, NYC
実は2025年に同バンドのライヴで、オリジナル・バンドのメンバー4人全員がステージに飛び入りした時のエピソードが紹介され(2025年3月4日MLCニュース)、コルベアが「向こう(カヴァー・バンドのメンバーたち)がビビッてたんじゃないですか?」と笑うと、スタイプも笑ってこう語りました。「いやあ、あれは僕もビビったんだよ。僕は事前にマイケル(・シャノン)に、“Pretty Persuasion” を演るなら飛び入りしたいって話をしてたんだ。あれは僕が22歳の時に書いた曲で、今でいうトランスジェンダーの権利について歌ってるんだよね(客席から拍手)。だから是非あの曲は演りたかった。それでバックステージでドキドキしながら待ってたんだけど、ピーター・バックが先にステージに上がっちゃって──彼はギターが弾きたいもんだから、さっさと出て行っちゃって、何曲もプレイに参加してたんだよね(笑)。で、彼から『気にすんな、いつでも出たい時に上がって来ちゃえよ』って言われたんで、『OK、ピーター』って言って僕も出て行って。そしたら反対側の袖にいたマイク・ミルズも出てきて、バック・コーラスをつけ始めた。で、曲の半ばぐらいまで来た時に、右斜め後ろからタンバリンの音がし出したんで、右の肩越しに振り返ったら、そこにビル・ベリーが立ってタンバリンを叩いてたんだよ(笑)。そんなわけで、僕らはあの曲の半分だけだけど、あそこで再結成を果たしたんだ」

話は昨今の音楽界における自伝映画の流行へと移り、コルベアがR.E.M.には自伝映画製作の話はあるかと確認すると、スタイプは「ない」と即答しました。ではもし作るとして、自分の役を誰に演じて欲しいかと訊ねられた彼は、「それは凄くいい質問だ。誰かめちゃめちゃホットな人がいいね」と真顔で応えて笑いを取りました。コルベアが幾つか出した配役の案にはあまり乗らない様子でしたが、しばし考えた挙句に、「どうせならビリー・アイリッシュあたりにやってもらいたいな」と応えて会場を沸かせ、コルベアも、2人が同じような青い目をしているのでアリではないかと賛同しました。

彼女とはどこかで一緒に過ごす機会があったのかと問われると、スタイプは「以前マンハッタンのレストランで、僕が入る時に彼女がドアを開けておいてくれたことがあったんだよ(笑)。彼女が僕だと分かっててやってくれたのかどうかは分からない。でもとにかく、その時の彼女はとても親切で礼儀正しかったんだ。僕の方もその瞬間は彼女が誰だか分かっていなくて、今のはビリー・アイリッシュだと気が付いた時には、彼女はもうずっと遠くまで歩き去った後だった」。ご紹介しましょうかと言うコルベアに、スタイプは「是非! 彼女もだし、彼女のお兄さんのフィニアスにも会ってみたいね」と笑顔で応えました。

そしてコーナーの最後に、スタイプは今回の出演の記念と自身のニュー・アルバムの告知を入れたTシャツを、番組全スタッフ215人分(!)自腹で作ってきたと言い、その場に段ボールで運び込まれたTシャツを、早速カメラクルーらに向かって1枚ずつ、気前よく投げ渡していました。

なお現在までのところ、スタイプがソロでリリースしている楽曲は、「Your Capricious Soul」(2019年)、 「Drive to the Ocean」(2020年)、そしてアーロン・デスナーのビッグ・レッド・マシーンのサイド・プロジェクトによる「No Time For Love Like Now」(2020年)、更に最近ではスティーヴ・カレルによるHBOの新作コメディ『Rooster』にテーマ曲として提供した「I Played the Fool」です(3月16日MLCニュース)。
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