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今年のソングライターの殿堂表彰式、最大の話題は最年少殿堂入りのテイラー・スウィフト。一方では登壇者から様々な問題提起が

6月11日、かねて発表されていた今年のソングライターの殿堂入りする作曲家/アーティストたちに対する表彰式典が、アメリカ・ニューヨークのマリオット・マークイズ・ホテルで開催されました。小欄でもお伝えした通り、今年殿堂入りを果たしたのは7組で、中でも話題を集めていたのは最年少で殿堂入りを果たしたテイラー・スウィフトでしたが、それとは別に今年の表彰者たちからは少なからず、それぞれの立場からの現在の業界に対する問題提起がなされました。マライア・キャリーとの仕事で最もよく知られるウォルター・アファナシエフは、クレジットに関する訴訟について冗談を言い、KISSのポール・スタンレーとジョン・フォガティはレコード会社の苦境に言及し、レイ(Raye)は原盤権の取り分率にソングライターのシェアを加えて欲しいと主張したのです。

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テイラー・スウィフト、最年少でソングライターの殿堂入り
ストリーミングが音楽経済を根底から覆して以来、ソングライターたちは難しい立場に置かれています。彼らは私たちの最大のヒット曲や文化的な指標となる曲を生み出すという極めて重要な役割を担っているものの、 今年の殿堂入りを果たした人々の話を聞けば、この職業は依然として権利と印税の地雷原のようなものだと実感せずにはいられません。 音楽出版を理解するのは、核融合を説明しようとするようなもので、複雑な分配方式や印税の計算式は、何十年も前の法律によって今もなお規定されており、かつては現実的に有効なキャリアパスだった──CDなどのサブスタンシャルなメディアが主流だった時代には、アルバム収録曲にクレジットされた作曲家は、たとえその曲がシングルやヒット曲にならなくても、十分な収入を得ることができた──わけですが、今ではもはやボランティア活動同然であり、多くの作曲家が嘆いています。

上位1%と言われるスター・アーティストでさえ、こうした困難から免れることはできませんが、その荒波を他の人たちより上手に乗りこなせる人がいるのも確かです。この夜の殿堂入りを果たしたテイラー・スウィフトとアラニス・モリセットの2人は、その輝かしい例と言えるでしょう。2人はどちらもパフォーマーであるだけでなく、作詞・作曲でも大きな功績を残しています。スウィフトはガラ・ディナーで、映画監督のスティーヴン・スピルバーグ(彼女の希望による)から愛情を込めて、こう紹介されました「彼女の歌を通して、私たちは成長し、生き、愛し、間違いを犯し、成功し、失敗しても、自分自身の価値を信じ続けることができると信じさせてくれるのです」
Steven Spielberg Introduces Taylor Swift at the Songwriters Hall of Fame HD | Full Moment 8 MINUTES
ブランディ・カーライルも、モリセットを紹介する際に同じような思いを語っています。「Uninvited」の圧倒的なパフォーマンスの後、カーライルは90年代にシアトル郊外で育った自分は「ドラマティックな若いゲイ」だったと冗談まじりに振り返りました。「グランジという音楽がオルタナティヴからトップ40へと躍り出た時、チャートを席巻していたのは、非常に強烈な白人男性たちでした。私は彼らのこともそれなりに大好きだけど、ロックンロールを歌う女性の声を聴きたかったの。そしてその声はシアトルからではなく、(カナダの)オタワから届きました。彼女の歌は私たちの意識の奥深くまで浸透し、魂を突き刺すような力を持っています」

一方大西洋の向こう側では、今回ハル・デイヴィッド・スターライト賞を受賞したレイが、ロンドン南部の「荒っぽい」地区で自らの技術に磨きをかけていました。「私は、ソングライターとしては挫折を知らない家系の生まれです。なぜなら、曲を書くという行為は、人としての経験を解説することだからです」と、彼女はステージ上で語りました。「その物語を自ら語ることができて、しかも人々がそれを気に入ってくれたり、共感してくれたり、耳を傾けてくれたり、一緒に歌ってくれたりするのは、本当に信じられないような奇跡なのです」
こうした考え方を踏まえて、ソングライターの殿堂の運営側は、授賞式ディナーにトリビュート・パフォーマンスを組み込んでいます。タマル・ブラクストンによる「Single Ladies(Put a Ring on It)」(オリジナルはビヨンセ) と、カイリー・カントラールによる「Umbrella」(オリジナルはリアーナ)は、いずれもクリストファー “トリッキー” スチュワート(1月23日MLCニュース参照)の仕事を称えるために披露されました。マディソン・カニンガムがアコースティック・ヴァージョンに仕立てた「What’s Love Got to Do With It」と、テイラー・デインが歌い上げた「We Don’t Need Another Hero」は、いずれも故ティナ・ターナーのためにテリー・ブリッテンとグラハム・ライルが書いた曲です(同ニュース参照)。
ロックそのものを体現していたのはこの晩、ジョニー・マーサー賞を贈られたフォガティで、彼は台本なしで少々脱線気味のスピーチにおいて、自身の成長期について驚くほど詳細に語りました。彼のプレゼンターを務めたスティーヴ・ミラーは、フォガティの「アーティストの権利を守るために怯むことなく闘いを挑む」姿勢を称えました。そして、御年81歳のCCRのフロントマンは、2人の息子たちと共に自身の大ヒット曲「Proud Mary」「The Old Man Down the Road」、そして「Have You Ever Seen the Rain」を含むメドレーを披露し、オーディエンスを総立ちにさせたのです。

スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガンはKISSのカヴァーに嬉々として挑み、「Rock and Roll All Nite」と「Shout It Out Loud」を披露しました。後者で加わったグー・グー・ドールズのジョン・レズニックは、この名曲における特有の「ev-e-ry day」の発音についても言及しました。KISSアーミーの一員を自認するコーガンは、バンドの持つ「陰鬱さと華やかさ」、卓越したソングライティングのセンス、そして50年にわたるパートナーシップを絶賛しました。

受賞スピーチの中で、スタンレーはニューヨークで過ごした少年時代を振り返りました。「10代の頃、僕はよくブリル・ビルディングに通っていました。キャロル・キングとジェリー・ゴフィン、リーバー&ストーラー、ロジャース&ハマースタインらと同じ道を辿りたいと願っていたのです。ですから、こうした偉大な先達たちと同じ場に立ち、僕らにインスピレーションとモティヴェーションを与えてくれた人々の一員として迎え入れられるとは、本当に夢のようです」(なお、スタンレーと並んで栄誉に浴するはずだったジーン・シモンズは、緊急を要する家族の事情ということで、近くの病院に直行しており、残念ながらこの夜のイヴェントには出席できませんでした)。つい先日、ケネディ・センター栄誉賞にも輝いたばかりのスタンレーは、自分がまだ息がある間にこうした名誉を贈られることが何よりありがたいと語りました。「もし皆さんが僕を愛してるなら、是非それをちゃんと伝えてください。僕へのお悔やみや、死亡記事なんかに取ってつけたように書かないでね」
この夜のパフォーマンスのハイライトはギャビン・デグロウとシェレアで、デグロウはケニー・ロギンスの「Danny’s Song」を感動的に歌い上げました。彼のパフォーマンスは、この夜最もエネルギッシュで感情豊かなもののひとつであり、ロギンスは兄のダニーが自分を音楽の道へと導いてくれたことを真摯に語りました。義理の娘であるハンター・ホーキンス(ロギンスがプロデュースしているアルバムの制作者)も加わり、3人は「Heart To Heart」と「Celebrate Me Home」を熱唱しました。

ウォルター・アファナシエフへのプレゼンターを務めたのは、この夜の会場にいた大物ハリウッド・スターのひとり、ジェレミー・レナーで、彼はアファナシエフが「私たちの人生のサウンドトラック」を作り上げるのに貢献したと称えました。アファナシエフのスピーチに先立ち、シェレアは「All I Want for Christmas Is You」「Hero」「My All」「One Sweet Day」「Anytime You Need A Friend」をオリジナルに忠実に歌い上げました。
そして当然のことながら、その夜の殆どの時間、会場の注目の的だったテイラー・スウィフトは、ポップ・ミュージックをこよなく愛する彼女らしさ全開で、人々の期待通り、一緒に歌ったり歓声を上げたり、体を揺らしたり、時には恋人に寄り添ったりしている姿が見られました。けれど彼女のお気に入りのソンバーが、ステージで「Cardigan」と「Dear John」を披露した時には、自分で書いた曲ながらすっかり魅了されている様子でした。

「彼のソングライティングは本当に素晴らしくて、正直羨ましいくらいです」と、ソンバーの賛辞を受けてスウィフトは語りました。「彼の曲は間違いなく、私の〈Spotify Wrapped〉のトップにランクインするでしょう」

テイラー・スウィフトは今回、史上最年少の女性として殿堂入りの記録を作ったことになり、これは同殿堂にとっても大きな節目となる出来事でした。スウィフト自身、この意義を十分に理解しており、受賞スピーチでは、自身の楽曲で披露する高度な言葉遊びを「メリー・ポピンズのバッグ」のように巧みに操りながら、ソングライターとしての自身の成長を語った。

「“Love Story” を完成させることができたのは、私が作家としての自分の直感を信じた結果です」と彼女は語りました(彼女の記憶によると、共作者のクレイグ・ワイズマンは最初のヴァージョンにはまるで無関心だったそうです)。「今、業界は指標やデータ、分析に支配され、何が流行るかを予測しようと躍起になっているように見えますが、作家はこれまで以上に人間の直感を信じる必要があると思います。そして、私がこの仕事に愛情を込めて費やしてきた何千時間もの努力が、私の心に飛び込んできて、輝き、長く残る、私にとって最も重要なアイデアを本当に見極める力を教えてくれたのだと思います」
Taylor Swift’s Full Songwriters Hall of Fame Speech | 2026 Induction
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