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「アリス・クーパーってのはひとつのキャラクターなんだ、俺とはジキルとハイドみたいな関係なのさ」
Alice Cooper(著)
『Devil on my Shoulder』
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「アリス・クーパーってのはひとつのキャラクターなんだ、俺とはジキルとハイドみたいな関係なのさ」:自伝を出版したアリス・クーパーが、酒とクスリ依存を通して学んだこととは──。
このほど自伝『Devil On My Shoulder』を出版したショック・ロック界のレジェンド、シンガー・ソングライターのアリス・クーパーは、自身の来し方を振り返り、こう語っています。「まったく奇妙な人生を送ってきたもんだよ、何しろ俺は放蕩息子だったからな。キリスト教の教会で育ちながら、そこから思いっきり距離を置くような日々を送り、そしてまた戻ってきたわけだ」
今月初めに出版された同書で、彼は「ショック・ロックのゴッドファーザー」という称号を自身にもたらすことになった、60年近くに及ぶキャリアの浮き沈みを詳細に綴っています。「School's Out」「Poison」「I'm Eighteen」等のヒット曲で知られるクーパー(本名:ヴィンセント・デイモン・ファーニエ)は、実生活の自分ともうひとりのペルソナとの明確な違いについて、「俺がステージで演じてるキャラクター、アリスな。あれは俺とはまさしく正反対なんだ」と言います。
「この本の中でも最初から最後まで、俺が何か言う度にそのキャラクターが入ってきて、『ちょっと待て、そんなことじゃなかっただろ』って口を挟むんだ。つまり、俺は自分の作り出したキャラクターと議論を交わしていて──この本全体を通して『ジキルとハイド』みたいな状態が続いてるわけだよ。なかなかユニークな事態だろ」と、78歳の彼は語り、「俺は奴を演じるのは好きだよ、あいつはそういう奴だし、ステージの上ではああでなくちゃならない。けどオフの時には、全然意見が合わないね」と言います。
「俺は日曜日は教会で過ごす。時には聖書について教えることだってあるんだが、ステージの上のキャラクターを見てたら、きっと『そんなのアリ?』って思われるんだろうな」
彼はまた、薬物やアルコールの危険性についても率直に語り、現代の若者たちはこれまでのどの世代よりも遥かに危険な環境に直面していると警告します。「コカインをやってた頃の俺は、まるっきり違う人間になってた。感覚という感覚が全て麻痺してしまって、クスリのためだけに生きてたんだ。つまり、一種の憑依状態みたいなもんだったんだよな」
「アルコールに関しても同じことが言える。俺の知り合いでも、世界一心優しい奴らがいるけど、そいつらは酒が入るとたちまち正反対の人間になっちまうんだ。まるで毒を盛られたか、アレルギーでも発症したみたいにな」
20歳になるまで飲酒経験のなかった、いわば「遅咲き」の彼ですが、人よりアルコール耐性が高かったためにコントロールが利かず、血を吐くまで飲んだ時期もあったのだそうです。が、彼いわく、最も自身の身体にダメージを与えたのは、「吸わなければ中毒にはならないって誰かに言われて」始めたコカインだったそうで、「当時はクラックのハシリの頃でね。あれは俺に言わせれば、これまで遭遇した中で最も依存症になりやすいドラッグだよ。あれのおかげで俺は死にかけたんだ」
その後初めてのリハビリ施設への入所を経験し、彼は束の間酒を断つことができましたが、ワインを一口飲んだ瞬間にアルコール依存症が再燃してしまいました。1983年、妻から「クリーンになるか、それとも家を出るか」の選択を迫られ、そこで彼はようやく自制心を取り戻したと言います。
実際に行動に移すまでには数年を要したものの、クーパーにはひとつ、転機となった「ひらめきの瞬間」があったそうです。「精神科医から、実に的を射た指摘があったんだ。『ステージではどれくらい飲みますか?』って訊かれたんで、俺は『ステージじゃとても酒なんか飲んでられないよ』って答えた。すると彼は、『じゃあ、スタジオではどうです?』と訊いてきた。俺が『スタジオで酒なんか飲むもんか』って答えると、彼は言ったんだ、『要するに、アリスが問題ではないということですね。問題なのはあなた自身です』って」
その指摘によって、彼はひとつの気づきを得たのでした──「問題なのは怪物じゃなく、そいつを作り出した博士の方だったんだ。俺はアリスってキャラクターに、安易に全ての責任を押し付けてばかりいたせいで、一度もそんな風に考えたことがなかったわけさ」
78歳の彼はこう付け加えます。「人はよく、『俺は大工だ』とか『エンジニアだ』とかって言い方をするよな。でも、そいつは違う。それは『自分という人間』ではなく、単に『自分が生計を立てるためにやっている職業』に過ぎないんだ。そして俺は、アリス・クーパーとは単に俺が生計を立てるためにやっていた職業であり、自分自身とは違うんだってことをようやく理解するに至ったわけさ。その視点に立つことで、俺は自分の人生における『自分という存在』について、はるかに健全な見方ができるようになったんだ」
「今はアリス・クーパーってキャラを冷やかし半分で演じながら、すごく楽しんでるよ……でも、アリス・クーパーとして存在するってことは、あくまで俺のやってる仕事に過ぎない。それは俺っていう人間とは別物ないんだ」
彼は自身が起ち上げた、放課後に音楽、ダンス、アートのトレーニングを無料で提供する若者たちのための支援団体『Solid Rock』についても言及しました。「今の子供たちは、本当に危険な世界に生きてると思うんだよ。最近のストリートで起きてることを見てても、俺たちの頃よりも格段に世の中の危険度が増してるからな」
「今、街なかで出回ってる薬物は、たちまちのうちに命を奪っちまうようなシロモノだろ。俺たちの時代には、ジョイントやってたりビール飲んでるとこをパクられて、未成年だったらちょっとヤバいかもって、それくらいだった。それが今はいきなりヘロインだぜ。これはとんでもない変わりようだよ」
「70年代、俺たちが若い頃には、そんなのごく普通のことだった。むしろ、やってない方が珍しいくらいだったんだ。今の俺たちはみんな、27歳で命を落とした連中を見て、こりゃあこんなことやってもしょうがないんだって学んできたのさ」
アリス・クーパー
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Alice Cooper
『School's Out(Deluxe Edition)』
・Amazon(2023/6/9)輸入盤[2CDs]
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Hollywood Vampires
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