ドラマが続き、今やカオスと化した「ウッドストック50」

5月8日のMLCニュースでお伝えしたように、5月10日の金曜日までに3,000万ドル(約32億9,000万円)の資金が必要だと見積もっていた「ウッドストック50」主催者側のキーパーソン、マイケル・ラングですが、海外の複数メディアによると、「ウッドストック50」が先週、イベントの元投資会社だった電通イージスの投資部門〈アンプリファイ・ライヴ〉に対し、フェスティバルの銀行口座から違法に引き出した1,780万ドル(約19億5,000万円)を返金するよう、ニューヨーク州の最高裁に訴えていたことがわかりました。これに対し、電通側は「投資した資金を取り返しただけ」と述べています。

またTMZが入手した「ウッドストック50」の訴状内容によると、電通側は、イベントに出演予定だった特定のアーティストらに対し、今回のブッキングをキャンセルすれば、電通がメイン・スポンサーになっている2020年の東京オリンピックに出演できるよう便宜を図ると示唆し、「ウッドストック50」の開催を妨害したとのこと。

〈Billboard〉によると、5月13日の午後から行われるニューヨーク州最高裁での聴聞に先駆け、電通側はラングの訴状に対し、文書で次のように反論しています。

「ウッドストック50 LLCとマイケル・ラングによる虚偽の陳述と彼らの無能力さ、そして契約違反が、観客やアーティストとスタッフに対する安心で安全な質の高いイベント制作を不可能にしました。制作会社が降板し、州当局からのイベント開催の許可も下りないまま、必要な道路工事も始まっておらず、十分な資金繰りのメドも立っていません。当事者たちはイベントの開催を望んでいるのでしょうが、彼らの企画に基づくフェスティバルは開催不可能であり、このまま制作を進めれば人々を危険にさらすだけです」

横領したとされる1780万ドルについて、電通側は「投資した資金を取り返しただけ」と述べ、一方的にイベントのキャンセルを発表した電通に対し、ラング側は「両者による文書での合意によりキャンセルは決定される」と主張、それ以外にも当初15万人を目論んでいた観客数が半分の7万5000人に激減し、電通の当てが外れたことや、フェスティバルの銀行口座を管理しているのは一体どちらなのか……など、問題は山積みされたままです。

次にこのニュースをお伝えする頃にはクリアになっているかどうか、当分ゴタゴタは続きそうな予感がします。

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