ウッドストックのプロモーター、マイケル・ラングが77歳で死去

ラングは1944年、ニューヨークのブルックリンで生まれ、1967年にニューヨーク大学を中退した後フロリダ州に移り、マイアミで一連のコンサート・イベントのプロモーションを手掛けました。続いて1968年には、ポップ＆アンダーグラウンド・フェスティバルをプロデュースし、25,000人を動員したフェスには、ジミ・ヘンドリックスやフランク・ザッパ、ジョン・リー・フッカー、アーサー・ブラウン、ブルー・チアーらが出演していました。

その後、ニューヨーク州のウッドストックに移ったラングは、ミュージシャン／プロデューサーのアーティ・コーンフェルドと出会い、二人は1969年1月、ジョン・P・ロバーツとジョエル・ローゼンマンと共にウッドストック・フェスティバルを計画。同フェスは1969年8月15日～18日にかけて、ニューヨーク州べセルのマックス・ヤスガー所有の農場で開催され、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ザ・フー、サンタナ、クロスビー、スティルス、ナッシュ＆ヤング（CSN&Y）、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル、ザ・バンド、ジョーン・バエズ、グレイトフル・デッド、マウンテンをはじめとする30組以上のフォーク歌手やロック・グループが出演し、40万人以上の観客を集めました。

この時の模様は、1970年3月にドキュメンタリー映画『Woodstock』（邦題『ウッドストック／愛と平和と音楽の三日間』）として公開され、ラングも多くのシーンに登場していました。この映画は、アカデミー賞「長編ドキュメンタリー映画賞」を受賞しています。

なお、同フェスには出演しなかったものの、ジョニ・ミッチェルが同フェスについての曲「Woodstock」を書き、1970年にリリースされたCSN&Yのヴァージョンが当時の全米チャートで第10位を記録しました。

ラングはその後、1994年と1999年のウッドストックも共同プロデュースしましたが、40万人を集客した1999年のウッドストックは、暴徒化した観客による暴力、略奪、放火、レイプが勃発して大混乱となり、その模様は、昨年HBOで公開されたドキュメンタリー映画『Woodstock 99 : Peace, Love and Rage』（2021年7月9日MLCニュース参照）に描かれています。

そしてオリジナル・ウッドストックが50周年を迎えた2019年、ラングは再び「Woodstock 50」としてフェスティバルを企画し、MLCニュースでは2019年1月10日から8月1日にかけて、20回以上にわたり進行状況をレポートしましたが、同年8月に予定されていたフェスティバルは、開催地の認可や資金繰りを巡る問題を何度も抱え、開催には至りませんでした。

安らかなる眠りをお祈りいたします。