担当D入魂!、ビートルズの遺伝子たちの作品を詰め込んだ、日本企画コンピCD『POWER TO THE POP』発売

担当ディレクター氏入魂、ビートルズの遺伝子たちの作品を詰め込んだ、日本企画コンピレーションCDが発売になります。何はともあれ、まずはご一読ください。

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〈以下メイカー・インフォメーションより〉

BeatleDNAコンピへ至る長く曲がりくねった道のり……担当Dによる裏話
 
入社以来30数年……ずっと温めて続けてきて、いつかはこういったことができないかなと思い続けてきた企画をようやく実現できることになりました。個人的にもライフワーク的に追い求め続けてきたBeatleDNA を受け継ぐ、ビートルズの遺伝子たちの作品を2枚のCDに詰め込んだ、日本企画コンピレーションCD『POWER TO THE POP』です。入社以来というよりも、こういったことを考えていたのは高校生時代ですから40年越しともいえるかも。子供の頃に考えていたことが、55歳にして成立するというのも、ちょっとこっ恥ずかしい気持ちもございますが、その年月を考えると感無量でございます。
 
この企画、実は洋楽の制作担当になって以来、1990年代から何度か試みたことがありました。でも、なかなか実現できなかったんです。かなり時間と労力がかかる作業でして、何度も挑戦しつつも挫折……。一番きつかったのは、この曲を「入れたいのに、入れられない」ということでした。自分のところの音源だけでは納得の行くものかできず、とはいえ昔は他社音源の貸し借りも難しかったですし……またCDでは持っているものの、その音源を収録するためにどこに、誰に、どのように連絡をつけたらいいのか? 一人手さぐりでやりながらコツコツやってはいたものの、いつの間にか自分も他のことで忙しくなってしまい、てんてこ舞いになってしまうと、そのたびに後回しになって頓挫……そんな繰り返しでした。
 
そんな中、もう来年でビートルズが解散してから50年経っちゃう! ジョンが亡くなって40年経っちゃう! 自分もいつまで健康でいられるかわからないし、あと数年で会社人生も終わっちゃうし! と思ったら、今度こそ「やるしかない」と思ったわけです。
 
最初リスト化した時は現在の倍以上の曲がありました。ようやく、各レコード会社の皆様のご協力もあり他社音源も含めて海外申請したわけですが……一筋縄にはいかなかった。いざ権利関係を調べていくと過去日本で発売されていても、現在の権利がわからなくなっているアーティストがたくさんいることが判明し、一つの壁になりました。「権利なし」の連絡が入るたび、なかなか納得のいく選曲にならず、「また、だめかも」とあきらめかけていたのです……。
 
ふと「Facebook」で探せるんじゃないかと思い、アーティスト名やメンバー名とかで検索してみたら……なんと連絡とれた人がいたんです。そんなこんなで見つけてたどり着いたのが、ここに収録されているアーティストの1/4くらい。その連絡ついたアーティストからまたアーティストの連絡先を紹介してもらったり。
 
あと、そういったアーティストとは直で e-mail でやりとりしたのですが、そこで活躍したのが「Google翻訳」。僕は英語しゃべれないのに洋楽やっているイマドキ大変珍しい担当なのですが、いつも英語は僕にとっての鬼門。でも、Google翻訳を駆使して英文作ってみたら、時間はかかるけど意外と通じるんです。今や結構精度があがっているんですね。大変便利な世の中になりました。なので、 Facebook も Google翻訳もなかった10数年前とかじゃこの企画は到底なりたたなかったかもしれないのです。

会社人生30年やっている間に、ここに収録したアーティスト達とのいろんな出会いもありました。

大学時代に池袋のオンステージ山野の店内オンエア聴いて「なんていい曲なんだろう」と買って、90年代になってディレクターになって自分で探して契約して発売したスポンジトーンズ。
90年代半ば頃偶然担当が回ってきて、聴いてみたら最高でビックリしたマイク・ヴァイオラ(キャンディ・ブッチャーズ)。
契約しようと思ったけど諸事情で契約できなかったセマンティックス(今回はセマンティックスにはたどり着けませんでしたがオウズリーを収録)。
2003年プロモ来日で会社の社食でショーケースを行なったブルウ(彼のトレードマークだったモミアゲ着けて司会しました)。
かつて、ソニーとエピックで洋楽が分かれてしのぎを削っていた頃、対岸を見ていて「いいなあ」なんて思ってたクーラ・シェイカーやオアシスも。

いろんな出会いがあってここに至っています。
 
もちろん、あれが入ってないじゃないか?これ、なんで入ってるの?とかいろいろなご意見あると思います。個人的に思い出の深い曲ばかりではありますが、100%の選曲ではありません。残念ながら収録できなかった曲はたくさんございました……。
 
バッドフィンガーはアップルなので即NG(その代わりにソニー音源のロッド・スチュワートの「デイ・アフター・デイ」見つけて、まんまなアレンジでこれがイイと思ったら即NG。それじゃあとワーナー時代のをリクエストしてみたら時間はかかりましたが最終的にOKがきて)、エミット・ローズは最後の最後まで粘りましたがOK来ず間に合いませんでした。ニック・ロウやXTCは現在原盤がアーティストに戻っているとのことでマネージャーの連絡先までたどり着いたんですが残念ながらNGとのこと。実は大丈夫と思っていたソニー音源も結構NGがでてしまい……。ELOも実は「ミスター・ブルー・スカイ」をリクエストしたらNGときたのですが、粘りに粘って「One Summer Dream」をOKにしてもらい(偶然にも新作が出るということも追い風に)。コーギスとかも入れたかったのですが、残念ながら権利先がわからないものが多数……。
 
でも、これまでの道のりを考えると、まずまずの選曲にはなったのではないかと思います。なかなかコンピにOKが出にくいビリー・ジョエルやオアシスやエルヴィス・コステロはほぼ無理かと思っていたのですが、最後の最後でOKになりました。

ビリー・ジョエルは『ナイロン・カーテン』を石丸電機で予約して、発売日に買って「ローラ」を最初に聴いたときのあの瞬間が忘れられずその想いを伝えてみました。たぶん「ローラ」が入ったコンピなんて今までないんじゃないかと。
オアシスは今マネージメントと直でやっているのですが、UKの担当にお手紙書いて、僕の30年越しの企画なんで許して……と正直な泣き落としで頼み込み……。ニック・ロウの「恋する二人」がNGになってガックシきてたとき、ふとエルヴィス・コステロが思い浮かび、だったらポール先生との共作の「ヴェロニカ」だーと勝手な思い込みで申請してみたら奇跡のOKが……。様々な奇跡、運もございました。
まあ、といいつつも、結局のところ BeatleDNA でも、パワーポップでも、ひねくれPOPでもなんでもいいんです。ここにあるのは「Good Melody」の宝庫。イイよなあ~って思える、ク~ってくる曲の数々。誰も知らないようなアーティストも収録されていると思います。でもあまり知られていないけど、こんなにいいメロディが世の中にはたくさんあるんです、ってことを少しでも多くの方に知っていただけることが、このコンピの目的でもあります。今後 The Nines や Mike Viola や Pugwash などなども日本企画ベスト選曲でリリースしていきたいと思っています。
 
ということで、少しのお力で結構ですので、With A Little Help My Friend、皆様のご協力、お力添えをお願いできますと幸いです。一人のビートルズ好きが長年思い続けてきた小さな夢の実現ではありますが、完成に至るまでの Long And Winding Road は楽しくも苦しい道のりでございました。少しでも多くの方々にお聞きいただければと思っております。何卒何卒よろしくお願いいたします。長文で失礼いたしました。
 
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“誰もが使い捨ての音楽ばかりを求めているわけじゃないと思うんだ…”
カヴァーでも、コピーでもない、BeatleDNA ここに集結!

 
Various Artists『Power To The Pop』

2019年11月27日発売 
SICP31336-7  
価格:¥3,000+税
高品質Blu-spec CD2
解説・歌詞・対訳付
詳細な曲目解説を含む全72Pブックレット!!
 カヴァーでもない、コピーでもない。誰もが納得の超名曲から隠れた名曲まで BeatleDNA を受け継ぐ楽曲の数々を世界中からレーベルを越えて集めた、すべてのポップ・ファンに贈る究極のCD。ラズベリーズ、トッド・ラングレン、パイロット、10cc、ELO、チープ・トリック、バッドフィンガー等の70's王道曲に始まり、ザ・ナック、ティアーズ・フォー・フィアーズ等の80'sとジェリーフィッシュ、メリー・メイカーズ等の90'sポップ・チューン。さらにザ・ラトルズ、ロイ・ウッド、スタックリッジ、クラトゥ、フールズ・ガーデンらのマニア納得の選曲から、オウズリー、マイク・ヴァイオラ、ザ・ナインス、パグウォッシュ、LEO、ブルウなど近年のポップ職人たちによる秘蔵の一曲まで。更にコンピ収録になかなかOKのでないエルヴィス・コステロ、ビリー・ジョエル、オアシスも奇跡の収録決定! 2枚組CDに可能な限り40曲強詰め込んだ、初心者もマニアも POWER POP ファンにも楽しめる究極の BeatleDNA コンピ。誰もがHAPPYな気持ちになれる “元気がでるCD” です。
 
<収録曲>

DISC1
1. Utopia / I Just Want To Touch You  ユートピア / 抱きしめたいぜ
2. Pilot / Magic  パイロット/マジック
3. Eric Carmen / Never Gonna Fall In Love Again  エリック・カルメン / 恋にノータッチ
4. Elvis Costello / Veronica    エルヴィス・コステロ/ ヴェロニカ
5. 10cc  / The Things We Do For Love      10cc / 愛ゆえに
6. Electric Light Orchestra / One Summer Dream    エレクトリック・ライト・オーケストラ/ 夏の日
7. Billy Joel / Laura   ビリー・ジョエル / ローラ
8. The Knack / My Sharona   ザ・ナック / マイ・シャローナ
9. Raspberries / Go All the Way   ラズベリーズ / ゴー・オール・ザ・ウェイ
10. Tears For Fears / Sowing The Seeds Of Love  ティアーズ・フォー・フィアーズ/シーズ・オブ・ラヴ
11. Todd Rundgren / I Saw the Light    トッド・ラングレン / 瞳の中の愛
12. Cheap Trick / Voices    チープ・トリック / ヴォイシズ
13. Gilbert O'Sullivan / Alone Again(Naturally)   ギルバート・オサリバン/アローン・アゲイン
14. The Alan Parsons Project / Time  アラン・パーソンズ・プロジェクト / 時は川の流れに
15. Badfinger / Know One Knows   バッドフィンガー / 誰も知らない
16. Roy Wood / Dear Elaine   ロイ・ウッド / ディア・イレイン
17. Stackridge / Fundamentally Yours   スタックリッジ / ファンダメンタリー・ユアーズ
18. Klaatu / Calling Occupants Of Interplanetary Craft  クラトゥ / コーリング・オキュパンツ
19. Freiheit / Keeping The Dream Alive   フライハイト / キーピング・ザ・ドリーム・アライヴ
20. The Rutles / Cheese and Onions   ザ・ラトルズ / チーズ・アンド・オニオンズ
 
DISC2               
1. Brad Jones / The Blunderbuss   ブラッド・ジョーンズ / ザ・ブランダーバス
2. Owsley / Coming Up Roses   オウズリー / カミング・アップ・ローゼズ
3. Cotton Mather / Camp Hill Rail Operator   コットン・メイザー / キャンプ・ヒル・レイル・オペレイター
4. Fool’s Garden / Northern Town   フールズ・ガーデン / ノーザン・タウン
5. Mike Viola / When I Hold You In My Arms  マイク・ヴァイオラ    / ホエン・アイ・ホールド・ユー・イン・マイ・アームズ
6. L.E.O. / Goodbye Innocence    L.E.O. / グッバイ・イノセンス
7. Jellyfish / Joining A Fan Club    ジェリーフィッシュ / ファンクラヴに入るなら
8. Imperial Drag / Boy or A Girl    インペリアル・ドラッグ / ボーイ・オア・ア・ガール
9. The Nines / Insanity    ザ・ナインズ / インサニティ
10. Bleu / Could be Worse   ブルウ/ クッド・ビー・ワース
11. Pugwash / Anchor    パグウォッシュ / アンカー
12. Ben Folds / Zak And Sara    ベン・フォールズ / ザック・アンド・サラ
13. Butch Walker / The Taste Of Red    ブッチ・ウォーカー / テイスト・オブ・レッド
14. Tim Christensen / Wonder of Wonders    ティム・クリステンセン/ ワンダー・オブ・ワンダーズ
15. The Misties /That Is Not What Friends Are For   ザ・ミスティーズザット・イズ・ノット・ワット・フレンズ・アー・フォー
16. The Merrymakers / Monument Of Me    ザ・メリーメーカーズ / モニュメント・オブ・ミー
17. The Spongetones / Always Carry On    ザ・スポンジトーンズ/オールウェイズ・キャリー・オン
18. The Lightning Seeds / Three Lions    ザ・ライトニング・シーズ / スリー・ライオンズ
19. Sondre Lerche / You Know So Well     ソンドレ・ラルケ / ユー・ノウ・ソー・ウェル
20. Kula Shaker / Shower Your Love    クーラ・シェイカー / シャワー・ユア・ラヴ
21. Oasis / Don’t Look Back In Anger     オアシス / ドント・ルック・バック・イン・アンガー
 
特設サイト:http://www.110107.com/BEATLEDNA
 
こちらでは皆さんからのBeatleDNAを募集していきますので、是非情報交換の場にもしていただければと!
 
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担当D氏の熱意はとどまるところを知りません。以下、さらなる裏話もございますので、こちらもどうぞ。

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●究極のBeatleDNAコンピ『Power To The Pop』11/27発売決定!伊藤銀次のネット・ラジオ「POP FILE RETURNS」で構想30年の裏話も公開!
ちょっとお恥ずかしい話ですが、上記にもありますように、伊藤銀次さんのネットラジオにわたくし出演させていただきました。本日公開されておりますので、もしよろしければ。これまでの長~い道のりを思いっきり語らせていただきました。しかし、自分の声があまりに軽すぎで……不慣れなものでお許しくださいませ。
 ●構想30年、ここに至る道のりの裏話や収録内容を特集した、伊藤銀次のネット・ラジオ『POP FILE RETURNS』の第317回『「BeatleDNA」特集~ビートルズに影響を受けると単なるポップにならない編』11月8日公開。
下記ももしよろしければ
●「BeatleDNAコンピへ至る長く曲がりくねった道のり...担当Dによる裏話」
●『Power To The Pop』の収録曲徹底紹介
●『Power To The Pop』のジャケットはなぜウサちゃんなの?「くるみちゃん」の物語。

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