レッド・ツェッペリン、「天国への階段」を巡る著作権侵害の裁判で再び勝訴

アトランティックによる、両面に「天国への階段」を収録したプロモーション用7インチ、1972年。
 

「天国への階段」のオープニング・メロディが、元スピリットのギタリストだった故ランディ・カリフォルニアが作曲したスピリットの楽曲「トーラス(Taurus)」のギター・リフに酷似しているとして、2014年にツェッペリンがランディ・カリフォルニア側から著作権侵害の疑いで訴えられていた裁判で、第9巡回区控訴裁判所は3月9日、ツェッペリンはスピリットの著作権を侵害しなかったとし、2016年にロサンゼルス連邦地裁が下した “ツェッペリン勝訴” の判決を支持したことで、ツェッペリンが再び勝訴しました。
 
2016年の判決を巡っては、2018年9月に第9巡回区控訴裁判所の判事3人が「2016年の “ツェッペリン勝訴” の判決は、ロサンゼルス連邦地裁の裁判官が、陪審員らに著作権について不正確な説明を行ない、音楽要素に関して適切なアドバイスをせず、誤った陪審命令が下されたためである」と満場一致で判決を下し、11人の陪審員による再審が命じられていました。
 
2014年にランディ・カリフォルニア(本名ランディ・ウルフ)側の代理人が起こした裁判では、「天国への階段」のオープニング・メロディが、スピリット1968年のデビュー・アルバム収録のインストゥルメンタル曲「トーラス」のコード進行と酷似しているため、この曲をすでに聴いていたジミー・ペイジが盗作したものだとし、ペイジが「トーラス」を収録したスピリットのアルバムを所持していたこと、ツェッペリンがスピリットの楽曲をライヴで演奏し、1968年から1969年に両者が同じステージに出演したことなども理由に挙げていましたが、盗作疑惑に繋がる確固たる関係を証明することは出来ませんでした。
2016年の裁判では、「トーラス」が作曲されたのは、曲の楽譜のみが著作権で保護されていた昔の米国著作権法が変更される前の1967年で、サウンド・レコーディングは1972年に著作権法が変更されるまで法律違反に該当しなかったことや、著作権侵害に該当するほどの類似性が証明されなかったことでツェッペリンが勝訴しました。著作権保護の適用は、録音されたヴァージョンを実際に聴いた上で実質的に同一だった場合に適用されますが、その実質的な同一性を証明することは難しく、昨年8月には米司法省も2016年の判決を支持していました。
Spirit - Taurus
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