インダストリアル・ミュージックのパイオニア、ジェネシス・P・オリッジが70歳で死去

英インダストリアル・バンドのスロッビング・グリッスル(The Throbbing Gristle)とサイキックTVの創設者で、詩人/アーティスト/オカルト信仰者でもあったジェネシス・P・オリッジが3月14日、白血病のため70歳で亡くなりました。
 
オリッジの娘が、“Dais Records” のSNSで訃報を発表しています。

「最愛の父、ジェネシス・ブレイヤー・P・オリッジが他界したことをお知らせすることになり、非常に沈痛な思いです。彼女/彼は、2年半にわたり白血病と闘い、3月14日の早朝に肉体から離れました。2007年に他界した片割れのジャクリーン・“レディ・ジェイ”・ブレイヤーと共に眠り、再び一体となることでしょう」

マンチェスター生まれのジェネシス・P・オリッジ(本名ニール・アンドリュー・メグスン)は、第三の性(サード・ジェンダー)を自認し、自らを「s/he」や「h/er」と呼んでいました。10代の頃からオカルトや前衛的な芸術と音楽に興味を持ち、ロンドンの反体制文化コミューンに参加した後、パフォーミング・アート集団のクーム・トランスミッションズ(COUM Transmissions)を結成、その頃からジェネシス・P・オリッジと名乗るようになりました。
 
クームが終焉に向かっていた1975年にスロッビング・グリッスルを結成し、1977年に独自レーベルのインダストリアル・レコーズからデビュー・アルバム『The Second Annual Report』を発表。ホワイト・ノイズやテープ・ベースのサンプル、呪詛的なヴォーカルを取り入れた音楽は “デスロック(DeathRock)” と呼ばれ、ロックとエレクトロニック、パンクをブレンドした耳障りなサウンドは、インダストリアル・ミュージックの土台となりました。1981年に解散しましたが2004年に再結成し、2010年までの活動期間に合計で9作のアルバムをリリースしています。
throbbing gristle
discipline
Throbbing Gristle
"Five Knuckle Shuffle"

スロッビング・グリッスルが1981年に解散した後、オリッジは1982年にバンド仲間だったピーター・クリストファーソンとサイキックTVを結成、1986年から毎月ライヴ・アルバムをリリースし、1年間で最多のアルバムを発表したバンドとしてギネス世界記録に認定されました。
 
またオリッジは、1993年に2番目の妻レディ・ジェイとクイーンズのリッジウッドに移り住み、お互いのルックスを似せるための肉体改造プロジェクト「パンドロジェニー・プロジェクト(Pandrogeny Project)」に取り掛かり、顔の整形や豊胸などの性転換手術を受けています。

At Home With Genesis P-Orridge
(Episode 7)
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