モット・ザ・フープル/バッド・カンパニーの創設メンバー、ミック・ラルフスが81歳で死去

バッド・カンパニー、1975年3月来日、日本武道館で一夜限りの来日公演を敢行。右端がミック・ラルフス(g)。残る3人は左からトッド・ロニング(b)、ポール・ロジャース(vo)、サイモン・カーク(ds)。そしてそれから35年後、2010年に同じオリジナル・ラインナップでの来日公演も実現した。

モット・ザ・フープルとバッド・カンパニーの創設メンバーで、ギタリスト/ヴォーカリスト/ソングライターのミック・ラルフス(Mick Ralphs)が6月23日、脳卒中の合併症により81歳で死去しました。

バッド・カンパニーがSNSで訃報を伝えています。

「我々が愛するミック・ラルフスの訃報をお伝えすることになり、大きな悲しみに包まれています。

影響力のあるギタリスト/ソングライターで、象徴的なロック・バンド、バッド・カンパニーとモット・ザ・フープルの共同創設者であるミック・ラルフスが、81歳で亡くなりました」

またシンガーのポール・ロジャースと、ドラマーのサイモン・カークは、次のように綴っています。

ロジャース「我々のミックが亡くなり、胸が張り裂ける思いです。彼は我々に素晴らしい曲と思い出を残してくれました。彼は僕の友人であり、ソングライティング・パートナーであり、驚くほど多才で、最高のユーモアセンスを持つギタリストでした。数日前の最後の会話で一緒に笑い合いましたが、これが最後ではありません。ミックとの思い出は、これからも笑いを生み出すでしょう。彼を愛したすべての人々、特に彼が心から愛した妻のスージーに、お悔やみ申し上げます。天国で会おう」

カーク「彼は親愛なる友人で、素晴らしいソングライターであり、並外れたギタリストでした。彼がいなくなり、本当に寂しくなる」
ラルフスは1944年にイングランドのヘレフォードシャーで生まれ、10代の頃からブルース・ロック・バンドで演奏していました。

その後、1966年にドック・トーマス・グループ(Doc Thomas Group)に加入し、このバンドが1969年にモット・ザ・フープルに改名。ラルフスは、バンドが最初にリリースした6枚のアルバムに参加していますが、デヴィッド・ボウイがプロデュースしたバ1972年のアルバム『All the Young Dudes』(邦題『すべての若き野郎ども』)がヒットした後に脱退し、フリー(Free)のヴォーカリストだったポール・ロジャースとドラマーのサイモン・カーク、ベーシストのボズ・バレルと共にバッド・カンパニーを結成しました。

バンドが1974年にリリースしたデビュー・アルバム『Bad Company』には、ラルフスが書いたヒット曲「Can’t Get Enough」がフィーチャーされ、同アルバムはUSチャートで第1位に輝きました。また、ラルフスとロジャースが共作した1975年のシングル「Feel Like Makin’ Love」もヒットしています。

しかしながらバンドは1982年に解散し、ラルフスは1984年にピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアのソロ・ツアー「About Face」に参加。1985年には、初ソロ・アルバム『Take This』をリリースし、同作には元バンド仲間のサイモン・カークが参加していました。

翌1986年から1998年にかけて、バッド・カンパニーが様々なラインナップで再結成され、1999年には4人のオリジナル・メンバーで再結成ツアーを行ないましたが、ラルフスは極度の飛行機恐怖症だったためツアーを諦めると発表し、2001年と2003年に2枚のソロ・アルバムをリリースしました。

翌2004年、元モット・ザ・フープルのイアン・ハンターのUKツアーに参加したラルフスは、ハンターが2005年にロンドン・アストリアで行なったソロ・コンサートにも出演し、2009年に再結成したモット・ザ・フープルの2公演に参加しました。

また2011年には、ジャム・セッションで出会ったミュージシャンたちとミック・ラルフス・ブルース・バンドを結成し、ブルースやR&Bの名曲のカヴァーを演奏するライヴを行なっていました。

2012年からは、バッド・カンパニーの活動にも参加するようになり、UKツアーに出演していましたが、バンドが2016年10月29日にロンドンO2アリーナで公演を行なった数日後、ラルフスは脳卒中で倒れ、左半身に麻痺が残ったために引退を余儀なくされ、この公演がラルフス生前最後のパフォーマンスになりました。

なお、バッド・カンパニーは、2025年「ロックの殿堂」入りアーティストに選ばれ(4月30日MLCニュース)、サイモン・カークは今年3月、バンドのFacebook に殿堂入りの可能性に感謝するメッセージと、ラルフスとのツーショット写真を掲載していました。

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