ザ・ウィスパーズの創設メンバー、ウォルター・スコットが81歳で死去

ザ・ウィスパーズ『One For The Money』(Soul Train:1976)
スコット兄弟は双子のため判別が難しいものの、おそらく前列左がウォルター・スコットで、
同右がウォレス・“スコッティ”・スコット。
後列は左からニコラス・コールドウェル、マーカス・ハトソン、レヴェイル・デグリー。
米R&Bヴォーカル・グループ、ザ・ウィスパーズ(The Whispers)の創設メンバーでヴォーカリストのウォルター・スコット(Walter Scott)が6月26日、81歳で死去しました。

『ロサンゼルス・センチネル』紙が訃報を伝えており、ウォルターは6ヶ月間ガンと闘った末、ロサンゼルスのノースリッジ地区で亡くなったそうです。
ウォルターは60年代初頭、双子の兄弟であるウォレス・“スコッティ”・スコットと、ニコラス・コールドウェル、マーカス・ハットソン、ゴーディ・ハーモンと共にカリフォルニアでウィスパーズを結成し、グループは70年代後半にソーラー・レコードに移籍してから、商業的な成功を収めました。

特に、1979年のスタジオ・アルバム『The Whispers』が全米チャートで1位に輝き、同作からシングル・リリースされた「And the Beat Goes On」もソウル・チャートでNo.1を獲得し、グループの代表曲になりました。

また、翌1980年の『Imagination』、1982年の『Love Is Where You Find It』、1987年の『Just Gets Better With Time』もR&Bアルバム・チャートでトップ3にランクインし、後者のアルバムから、当時無名だったベイビーフェイスが書いた「Rock Steady」がポップ、ソウル、ダンスチャートのトップを飾り、ウィスパーズをソウル、R&B、ディスコ界における確かな存在へと押し上げました。

その後、1990年にキャピトル・レコードに移籍したグループは、シングル「Innocent」「My Heart Your Heart」「Is It Good To You」などで成功を収めましたが、2000年にメンバーのマーカス・ハットソンがガンで他界し、キャピトルを離れたグループは、より不定期にレコーディングを行なうようになり、独自レーベルのサテン・タイ(Satin Tie)から、2006年にインディーズ・アルバム『For Your Ears Only』をリリースしました。

しかしながら、2016年にニコラス・コールドウェルがうっ血性心不全で他界し、残されたメンバーはトリオとして活動を続けることを選択、その後数年間にわたりワールド・ツアーを行なっていました。

2022年には、ポップ・シンガーのテイラー・スウィフトに倣い、ヒット曲の一部を再録音することでカタログの所有権を自ら握ることを決意し、グループに新たなエネルギーをもたらしましたが、翌2023年に創設メンバーのゴーディ・ハーモンが他界し(2023年1月11日MLCニュース)、今年初めには、ウォルターが病気のため複数の公演を欠席したことが発表されていました。

なお、ウィスパーズは2014年に「R&B音楽の殿堂」入りを果たし、2022年にソウルトラックスの生涯功労賞を受賞しています。

安らかなる眠りをお祈りいたします。

※ウォルター・スコット最後の公演の映像。

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