ビーチ・ボーイズの創設メンバー、ブライアン・ウィルソンが82歳で死去

右端、一番手前がブライアン・ウィルソン。一人座っているのがカール・ウィルソン(1998年他界)、立っているのが左からデニス・ウィルソン(1983年他界)、マイク・ラヴ。
商品情報 ザ・ビーチ・ボーイズ 『サマー・デイズ』
Amazon Music(JUL 05 1965)/Amazon(2014/12/3)¥3,071(紙ジャケット仕様CD)
ビーチ・ボーイズのリーダーで、シンガー/ソングライター/レコード・プロデューサーのブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)が6月11日、82歳で死去しました。
ウィルソンは2024年1月、長年マネージャーを務めた2番目の妻メリンダが他界し(2024年1月31日MLCニュース)、その後認知症が進行していました。
家族がSNSで訃報を伝えていますが、死因は発表されていません。
「私たちの最愛の父、ブライアン・ウィルソンの訃報をお伝えすることになり、胸が張り裂ける思いです。今は言葉も出ません。家族一同、深い悲しみに暮れていますので、プライヴァシーを尊重していただけますようお願いいたします。私たちはこの悲しみを世界と共有していると認識しています」
またビーチ・ボーイズは、次の声明を発表しています。
「今日、世界が天才の死を悼み、我々は従兄弟、友人であり、素晴らしい音楽的冒険のパートナーを失い、悲しんでいます。ブライアン・ウィルソンは、ビーチ・ボーイズの心臓だっただけでなく、私たちのサウンドの魂でした。彼が想起したメロディと、一音一音に込められた感情は、音楽の方向性を永遠に変えました。彼の比類なき才能と唯一無二の精神は、私たち自身を含め、世界中の多くの人々の人生のサウンドトラックを創り出しました。私たちは共に、楽観主義、喜び、自由の感覚というアメリカン・ドリームを世界に届け、それは人々を良い気分にさせ、夏と無限の可能性を信じさせる音楽でした」
ウィルソンは2024年1月、長年マネージャーを務めた2番目の妻メリンダが他界し(2024年1月31日MLCニュース)、その後認知症が進行していました。
家族がSNSで訃報を伝えていますが、死因は発表されていません。
「私たちの最愛の父、ブライアン・ウィルソンの訃報をお伝えすることになり、胸が張り裂ける思いです。今は言葉も出ません。家族一同、深い悲しみに暮れていますので、プライヴァシーを尊重していただけますようお願いいたします。私たちはこの悲しみを世界と共有していると認識しています」
またビーチ・ボーイズは、次の声明を発表しています。
「今日、世界が天才の死を悼み、我々は従兄弟、友人であり、素晴らしい音楽的冒険のパートナーを失い、悲しんでいます。ブライアン・ウィルソンは、ビーチ・ボーイズの心臓だっただけでなく、私たちのサウンドの魂でした。彼が想起したメロディと、一音一音に込められた感情は、音楽の方向性を永遠に変えました。彼の比類なき才能と唯一無二の精神は、私たち自身を含め、世界中の多くの人々の人生のサウンドトラックを創り出しました。私たちは共に、楽観主義、喜び、自由の感覚というアメリカン・ドリームを世界に届け、それは人々を良い気分にさせ、夏と無限の可能性を信じさせる音楽でした」

ウィルソンは1942年にカリフォルニア州イングルウッドで生まれ、子供時代からアコーディオンやピアノを習い、高校生になる頃には作曲もしていました。大学中退後、兄弟のデニスとカール、従兄のマイク・ラヴ、友人のアル・ジャーディンらとペンドルトーンズ(The Pendletones)というバンドを結成し、1961年のデビュー・シングル「Surfin’」がカリフォルニアでマイナー・ヒットになった後、バンドのレーベルがバンド名をザ・ビーチ・ボーイズに変更し、バンドの歴史的な快進撃が本格的に始まりました。
続いて、新しいレーベル(キャピトル・レコード)と契約したバンドは、1962年にデビュー・アルバム『Surfin’ Safari』をリリースし、ウィルソンとマイク・ラヴが共作したタイトル曲がヒットしました。
翌1963年には、セカンド・アルバム『Surfin’ U.S.A.』、サード・アルバム『Surfer Girl』、4作目の『Little Deuce Coupe』を立て続けにリリースし、セカンド・アルバムのタイトル曲「Surfin’ U.S.A.」が、バンド初のUSトップ10シングルになりました。
またウィルソンは、この頃からジャン&ディーン(Jan&Dean)をはじめとする他のアーティストとも活動するようになり、ジャンとウィルソンが共作した1963年の「Surf City」は、USチャートで第1位に輝きました。
1964年、ウィルソンはビーチ・ボーイズの過密スケジュールによるパニック発作を経験し、ツアーを辞めることを決意、音楽制作に専念することになり、1965年に画期的な実験的ポップ・アルバム『Pet Sounds』の制作を開始し、著名なスタジオ・ミュージシャン軍団のレッキング・クルーとアルバムのセッションを行ないました。1966年にリリースされた『Pet Sounds』は当初、商業的には失敗作とされていたものの、次第にその文化的、歴史的、美的価値が認められ、2004年に米国議会図書館の国立録音資料登録簿に登録されました。
続いて、新しいレーベル(キャピトル・レコード)と契約したバンドは、1962年にデビュー・アルバム『Surfin’ Safari』をリリースし、ウィルソンとマイク・ラヴが共作したタイトル曲がヒットしました。
翌1963年には、セカンド・アルバム『Surfin’ U.S.A.』、サード・アルバム『Surfer Girl』、4作目の『Little Deuce Coupe』を立て続けにリリースし、セカンド・アルバムのタイトル曲「Surfin’ U.S.A.」が、バンド初のUSトップ10シングルになりました。
またウィルソンは、この頃からジャン&ディーン(Jan&Dean)をはじめとする他のアーティストとも活動するようになり、ジャンとウィルソンが共作した1963年の「Surf City」は、USチャートで第1位に輝きました。
1964年、ウィルソンはビーチ・ボーイズの過密スケジュールによるパニック発作を経験し、ツアーを辞めることを決意、音楽制作に専念することになり、1965年に画期的な実験的ポップ・アルバム『Pet Sounds』の制作を開始し、著名なスタジオ・ミュージシャン軍団のレッキング・クルーとアルバムのセッションを行ないました。1966年にリリースされた『Pet Sounds』は当初、商業的には失敗作とされていたものの、次第にその文化的、歴史的、美的価値が認められ、2004年に米国議会図書館の国立録音資料登録簿に登録されました。
続いてウィルソンは、次作アルバム『Smile』を企画していましたが、度重なる延期の末に頓挫し、1967年にアルバムがキャンセルされた後、ウィルソンはバンドにおける役割が縮小されたことなどで精神を病み、1968年に治療のため精神病院に入院しました。
70年代は、薬物とアルコール中毒に苦しみながらもバンドとの活動を続け、物議を醸した精神科医ユージン・ランディの治療を受けるようになり、二人の数十年にわたる治療の日々は、2014年の伝記映画『Love & Mercy』(邦題『ラヴ&マーシー 終わらないメロディー』)の題材になりました。
ビーチ・ボーイズは、1977年のアルバム『The Beach Boys Love You』で一時的な復活を遂げたものの、ウィルソンの健康問題が続いたため、ランディは1982年に集中治療の目的でウィルソンをバンドから外し、ウィルソンは1988年に初ソロ・アルバム『Brian Wilson』をリリースしました。
しかしながら、ウィルソンの財政面や創作活動をコントロールしていたランディは、1992年にウィルソン一族から訴訟を起こされ、結果的に精神科医の免許を剥奪され、ウィルソンへの接近禁止命令を受けました。
その後、ウィルソンは未完成だったアルバム『Smile』を再構築し、2004年に『Brian Wilson Presents Smile』としてリリース、同作は批評家から大絶賛され、ウィルソンはその後もソロ作品を発表し続けましたが、2015年の『No Pier Pressure』が、オリジナル曲を収録した最後のアルバムになりました。
なお、ビーチ・ボーイズは1988年に「ロックの殿堂」入りを果たし、2001年にグラミー賞の「生涯業績賞」を受賞。ウィルソンは、ソロ・アーティストとしてグラミー賞を2度受賞したほか、2000年に「ソングライターの殿堂」入りを果たし、2007年に「ケネディ・センター名誉賞」を受賞しています。
また、2021年にウィルソンの新ドキュメンタリー『Brian Wilson : Long Promised Road』が公開され(2021年10月27日MLCニュース)、昨年には、ビーチ・ボーイズの新ドキュメンタリー『The Beach Boys』が、Disney+で配信されました(2024年4月10日MLCニュース)。
ウィルソンの訃報を受け、エルトン・ジョンやキース・リチャーズなど、多数のアーティストが追悼メッセージを発表しています。
安らかなる眠りをお祈りいたします。
70年代は、薬物とアルコール中毒に苦しみながらもバンドとの活動を続け、物議を醸した精神科医ユージン・ランディの治療を受けるようになり、二人の数十年にわたる治療の日々は、2014年の伝記映画『Love & Mercy』(邦題『ラヴ&マーシー 終わらないメロディー』)の題材になりました。
ビーチ・ボーイズは、1977年のアルバム『The Beach Boys Love You』で一時的な復活を遂げたものの、ウィルソンの健康問題が続いたため、ランディは1982年に集中治療の目的でウィルソンをバンドから外し、ウィルソンは1988年に初ソロ・アルバム『Brian Wilson』をリリースしました。
しかしながら、ウィルソンの財政面や創作活動をコントロールしていたランディは、1992年にウィルソン一族から訴訟を起こされ、結果的に精神科医の免許を剥奪され、ウィルソンへの接近禁止命令を受けました。
その後、ウィルソンは未完成だったアルバム『Smile』を再構築し、2004年に『Brian Wilson Presents Smile』としてリリース、同作は批評家から大絶賛され、ウィルソンはその後もソロ作品を発表し続けましたが、2015年の『No Pier Pressure』が、オリジナル曲を収録した最後のアルバムになりました。
なお、ビーチ・ボーイズは1988年に「ロックの殿堂」入りを果たし、2001年にグラミー賞の「生涯業績賞」を受賞。ウィルソンは、ソロ・アーティストとしてグラミー賞を2度受賞したほか、2000年に「ソングライターの殿堂」入りを果たし、2007年に「ケネディ・センター名誉賞」を受賞しています。
また、2021年にウィルソンの新ドキュメンタリー『Brian Wilson : Long Promised Road』が公開され(2021年10月27日MLCニュース)、昨年には、ビーチ・ボーイズの新ドキュメンタリー『The Beach Boys』が、Disney+で配信されました(2024年4月10日MLCニュース)。
ウィルソンの訃報を受け、エルトン・ジョンやキース・リチャーズなど、多数のアーティストが追悼メッセージを発表しています。
安らかなる眠りをお祈りいたします。
※以下、SNSに投稿されたミュージシャンらの追悼メッセージから一部抜粋。この他多数の追悼メッセージは以下rのリンクにも多数あり。
ultimateclassicrock.com
Brian Wilson Dies: Rockers React


商品情報
ブライアン・ウィルソン
『アット・マイ・ピアノ』(SHM-CD)
・Amazon Music(2021/11/19)
・Amazon(2021/11/19)¥2,860[CD]
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・Amazon(2021/11/19)¥2,860[CD]

商品情報
ブライアン・ウィルソン
『Brian Wilson : Long Promised Road (Original Motion Picture Soundtrack)』
Amazon Music(2021/11/26)
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商品情報
ビーチ・ボーイズ
『The Beach Boys:Music From The Documentary』
Amazon Music(MAY 24 2024)
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Amazon Music(MAY 24 2024)

商品情報
ビーチ・ボーイズ
『サウンズ・オブ・サマー/ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ』
・Amazon Music(2022/6/17)
・Amazon(2022/6/17)¥5,500[リマスター・デラックス/SHM-CD/3枚組]
・Amazon(2022/6/17)¥2,750[リマスター/SHM-CD]
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商品情報
The Beach Boys(著)
英語版 『The Beach Boys by The Beach Boys 』
Amazon(2024/4/2)洋書[ハードカバー]
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商品情報
ザ・ビーチ・ボーイズ
『セイル・オン・セイラー1972』
Amazon(2022/11/18)¥20,900[限定盤/SHM-CD/6CDs]
ザ・ビーチ・ボーイズ
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ザ・ビーチ・ボーイズ
『セイル・オン・セイラー1972』
・Amazon Music(DEC 02 2022)[Deluxe]
・Amazon(2022/11/18)¥3,254[通常盤/SHM-CD/2CDs]
ザ・ビーチ・ボーイズ
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・Amazon(2022/11/18)¥3,254[通常盤/SHM-CD/2CDs]

商品情報
The Beach Boys
『Pet Sounds』
Amazon Music(MAY 16 1966)
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商品詳細
ザ・ビーチ・ボーイズ
『フィール・フロウズ:サンフラワー&サーフズ・アップ・セッションズ1969-1971』(通常盤)SHM-CD2枚組
・Amazon Music(2021/8/27)[Super Deluxe]
・Amazon(2021/8/27)¥3,960[2CDs]
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