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マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」やシンディ・ローパーの「トゥルー・カラーズ」等数々のヒット曲を手掛けたソングライター、ビリー・スタインバーグ死去
濃やかな情感やインパクトのある歌詞と、ビッグでエモーショナルなパワー・バラードを得意としていたスタインバーグには、マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」、シンディ・ローパーの「トゥルー・カラーズ」、ザ・バングルスの「エターナル・フレーム」、ホイットニー・ヒューストンの「ソー・エモーショナル」、ハートの「アローン」という、全米第1位に輝いた楽曲があります。いずれも彼の長年のソングライティング・パートナーであるトム・ケリーとの共作です。
ザ・プリテンダーズの「I’ll Stand by You」、バングルズの「In Your Room」、ザ・ディヴァイナルズの「アイ・タッチ・マイセルフ」を世に送り出した作詞家でもある彼が、初めてヒット・チャートにその名を刻んだのは今から30年以上前のことです。他にもテイラー・デイン、ティナ・ターナー、ベット・ミドラー、チープ・トリック、ベリンダ・カーライル等々、彼のペンによる曲をレコーディングしたアーティストたちにはまさに枚挙のいとまがありません。
スタインバーグとケリーは、I-10というデュオとしてエピック・レコードでレコードも出していますが、80年代から90年代にかけて活躍したトップ・ソングライティング・チームのひとつとなり、そのペンによるナンバーはしばしばアーティストたちの代表曲となりました。例えば6週間全米ナンバーワンとなった「ライク・ア・ヴァージン」は、マドンナにとって現時点で全キャリアを通じ最大のヒットです。
ケリーがソングライターとして引退を決めた後も、スタインバーグは仕事を続けており、よくリック・ノウルズと組んで曲を書いていました。中でもセリーヌ・ディオンに提供した「Falling Into You」は、1996年の彼のアルバム・タイトルにもなった上、そのアルバムが第39回グラミー賞の年間最優秀アルバム賞を受賞したので、スタインバーグとノウルズもそれぞれグラミー賞のトロフィーを持ち帰ることとなりました。
実は「Falling Into You」は、元々2人がアルゼンチン人シンガーのために、マリー・クレール・ドゥバルドと共に書いた曲でしたが、そのアルバムはリリースに漕ぎつけることができませんでした。そこで2人は曲を自分たちの手で買い戻し、ポール・バックマスターによるストリングス・アレンジメントを施して完成させるまでに、全部で1万5000ドルを費やしましたが、おかげでディオンがこの曲をレコーディングし、自分のヴォーカルを加えられることになったのです。同曲はスペインやギリシャをはじめ、多くの国々でナンバー・ワンを獲得しました。
「ビリーは詩人としてスタートし、そこから感性に磨きをかけて、ひとつふたつの文章から全体のストーリーを生み出すっていう美学に到達したんだよ。彼は一点ものが売りの職人だった。同じものは決して作らない。ポピュラー・ソングにかけては百科事典並みの知識を持ってて、そこのところで僕と彼は繋がったんだ」と、ノウルズはスタインバーグについてそう語っています。2人がノウルズの妻を通して知り合ったのは、どちらもソングライターとして最初のささやかな成功を味わったばかりの80年代初頭のことでした。「僕らはとにかくお互いの知識を堪能し合い、思いを堪能し合った。最後の最期までずっと友達だったよ」
2010年代に入っても、スタインバーグの楽曲はニコール・シェルズィンジャーやミランダ・コスグローヴ、デミ・ロヴァートらにレコーディングされており、中でもロヴァートの「Give Your Heart A Break」(ジョシュ・アレキサンダーとの共作)は2012年にHot100で最高位16位を記録しました。
2023年にグラミー博物館で開催された “The Power of Song: A Songwriters Hall of Fame Exhibit”(直訳すると「楽曲の力:ソングライターズ・ホール・オブ・フェイム博覧会」)には、スタインバーグの代表作として、TDK-SAの60分カセットテープに録音されたデモと一緒に、「ビリー──私のためにこんなに美しい曲を書いて送ってくれてありがとう。(ハートマーク)シンディ」と書かれたローパーからのメモが添えられ、展示されていました。
安らかなる眠りをお祈りいたします。
シンディ・ローパー
『True Colors (35th Anniversary Edition)』
Amazon(SEP 15 1986)
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