ジャズ・アルトサックス奏者のリー・コニッツ、新型コロナ肺炎により死去
Lee Konitz 『Real Lee Konitz』(Atlantic:1957年)
商品情報 CD(2012/9/18)輸入盤
ジャズ・アルトサックス奏者で作曲家でもあったリー・コニッツ(Lee Konitz)が4月15日、92歳で亡くなりました。息子のジョシュ・コニッツによると、死因は新型コロナウイルスによる肺炎だったそうです。
コニッツは、ビバップ、クール・ジャズ、アヴァンギャルド・ジャズなど幅広いジャズ・スタイルの演奏で成功し、マイルス・デイヴィスの『Birth of the Cool(クールの誕生)』セッションに参加した最後の生き残りメンバーでした。
シカゴ生まれのコニッツは、11歳でクラリネットを始めましたが、後にアルトサックスに転向しました。18歳でテディ・パウウェルのバンドに加入し、プロとしてのキャリアをスタートさせますが、1ヵ月後にバンドが解散。その後はジェリー・ウォルドやピアニストのレニー・トリスターノらと活動し、1947年にクロード・ソーンヒル・オーケストラに参加しました。1948年にはマイルス・デイヴィスのグループに参加し、『Birth of the Cool』セッションで演奏しています。
コニッツの絶頂期は50年代中期でしたが、数々のミュージシャンとコラボしたコニッツはスタイルの面で多岐にわたり、即興演奏と革新的なデュエット作品を多数発表しました。1989年のソロ・アルバム『Lee Konitz In Rio』は、ビルボードのコンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャートで22位を記録し、2018年までアルバムを発表し続けていました。
コニッツ生誕90周年となった2017年には、NHKホールで行なわれた「JAZZ100年プロジェクト」のステージに出演し、“クール・ジャズ” の現役オリジネイターとして、自身が参加した49年のマイルス・デイヴィス『クールの誕生』収録曲「バップリシティ」を演奏しています。
また、2009年の「NEAジャズ・マスターズ・アワーズ」をはじめとする数々の賞を受賞し、2007年にはアンディ・ハミルトンが執筆したバイオグラフィ(『リー・コニッツ ジャズ・インプロヴァイザーの軌跡』DU BOOKS刊)も出版されています。
Miles Davis
Birth Of The Cool (Theatrical Trailer)
米国で昨年公開された、マイルス・デイヴィスの人物像を追った新たな公式ドキュメンタリー。歴史的名作録音当時の写真もふんだんに使用、そこにはもちろん当時のリーの姿も。今年に入って3月にNetflixで配信が開始されたばかり。
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