アフロビート・ドラマーのパイオニア、トニー・アレンが79歳で死去
ナイジェリア出身のアフロビート・ドラマー/作曲家のトニー・アレンが4月30日、フランスのパリで亡くなりました。享年79。
死因は発表されておらず、マネージャーのエリック・トロセットも、フランス24に対し「我々にもはっきりした死因はわからない。彼はとても元気だったし、突然の死だった。彼とは午後1時に話し、その2時間後に具合が悪くなり、病院に搬送されたが亡くなってしまった」と語っています。
ナイジェリアのラゴスに生まれたアレンは、10代後半からドラムを演奏し始め、アート・ブレイキーやエルヴィン・ジョーンズ、フィリー・ジョー・ジョーンズなど様々なジャズ・ドラマーの作品を研究しました。また、ナイジェリアのクラブ・サーキットで幅広い音楽を学び、1964年にアフロビートの創始者フェラ・クティと出会いました。
70年代までクティのバンド “Africa 70” でドラマー/音楽ディレクターとして活躍、バンドの代表的なアルバム『Gentleman』(1973年)、『Expensive Shit』(1975年)、『Zombie』(1976年)を含め、全アルバムに参加しています。
80年代からクティの元を離れ、90年代からはセッション・ミュージシャンとして活躍、2012年にはブラーのデーモン・アルバーンやザ・クラッシュのポール・シムノン、レッチリのフリーと ロケット・ジュース&ザ・ムーン(Rocket Juice & The Moon)を結成し、アルバムをリリースしています。
かつてクティは、「トニー・アレン無しでアフロビートは存在しない」と語り、アレンのドラム・プレイを大絶賛していたブライアン・イーノは、「アレンは20世紀と21世紀の偉大なミュージシャンの一人」と述べていました。
またアレンの訃報を受けたフリーは、「地球上で最も偉大なドラマーがこの世を去った。大きくて優しい自由な心を持つなんとワイルドな人だったか。アフロビートを創ったのはフェラ・クティではない、フェラとトニーが一緒に生み出した。トニー・アレン無しでアフロビートは存在しない」とインスタグラムに綴っています。
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